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その日、朱音は空を飛んだ/武田綾乃

信頼できない語り手ばかり……!
感想!長い!

ずっと夏川莉苑について考えていてやっと噛み砕けてきた。
「いじめ」を抱えているのかよ……。
そこだけ唯一おばあちゃんの教えに背いたかもしれない夏川莉苑の汚点がアンケート結果なのか。

好奇心と、復讐心。どちらもたぶんある。
復讐ってなにに対する復讐なのだ? というのがまずあった。読み込みが浅かったので……。
「世界は生きている人のためにあるべき、なのに、死人が生者の世界を乱すなんて許せない」という復讐なのか。
死んだら復讐できない、生きているうちにしか。その生きている瞬間だけが、チャンスだった。

でも、人の心を踏みにじった夏川莉苑、正々堂々とやったのが最善の選択ということに迷いはないけれど、でもフェアだっただろうか? あの場面で人の心への復讐は、果たして「いじめはだめ」との教えに背いてはいないだろうか?
……という解釈でよろしいか。まあそう思っておく。
そうであるならば夏川莉苑おまえは罪を背負った子供にならねばならない。
自分の罪を反芻して、おまえだけが──高野純佳でさえ解放されるのに──朱音を忘れずに生きなければならない。
夏川莉苑、おまえは憎き死人に乱される。じわじわと。生きているのに。生者のための世界にいるのに。

……いやアンケートさえなければこれは完全に夏川莉苑勝者だったのに……。
夏川莉苑自身はただ純粋に答えのない問いとして沈思黙考してるに過ぎないとしても。(決意したとて、いつまでも子どもでいられるだろうか?)

好奇心においては完全勝利を収めているか。
人が死ぬときに見る夢を。
あるいは朱音が描いた出題意図とは別ルートの解法を。
ドクゼリの夢を見せるために! 出題者に「解けたよ!」と見せびらかしたい無垢な子供。



いやーなんかね、このまえ『十二人の死にたい子どもたち』を読んだんですけど男女キャラの配置が引っかかるったら。女6人中3人ヒステリーて。
せっかく面白い謎かけなのにな~と。いやこの作品に限ったことではないのですがもちろん……。

だから男がひたすら「侮辱」される作品読むと癒されますね……。
中澤あけすけミソジニストすぎてもはや楽しいですが、中澤のような男にとってなにが侮辱にあたるかといえばもちろん女に相手にされないことなわけで。自分の優位を保つには劣等種たる女が必要だから。
通常なら中澤は男の中でも優位だから劣等種なんか気に留めなくてもいいはずなのに、塾講師に反抗したばかりにおまえの生殺与奪は女に奪われたのだ。
夏川莉苑にも川崎朱音にも細江愛にも最後に桐ヶ谷美月にも!
並べるとすげーな。武田さんどれだけ中澤の鼻をあかしたいの……大好き……。


だからねー!!私はだんぜん愛が好きです!!
もう、もう、もう、私は、男作家の小説の中で描かれる細江愛のような女が、大嫌いなのだ。

美人でケバい→頭からっぽのバカ
美人でケバくて女にあたりが強い→女コエエ
美人でケバくて女にあたりが強いが男とは仲良し→本人は純粋なのに女には嫌われるかわいそう俺が守ってやらねば
美人でケバくて女にあたりが強いが男とは仲良しでたったひとりの男に純情→"そんな女"を支配した俺

どこを取っても男を慰撫する造形になる。
主人公でないのにそういう女を女と付き合わせたの最高では……?
たったひとりの男に純情で別れの往生際さえ悪かったのに「別れたときは悲しかったが今の愛に彼は必要ない」とばっさり。
これだけでも充分気持ちいいのに図書室で美月が愛の腕に絡んで中澤を牽制、そして愛がそれを「可愛らしいなあ」と言ってるのがもう……こんな感情……女しか共鳴できないじゃん! 正直ここのシーンに限って言えば恋人でなく友情関係ながらにそういう牽制と悦があっていてほしかったと思うほど。
中澤の章で愛の薄っぺらなテンプレ女像が描かれれば描かれるほど、「しかし今は女を求めている」落差がたまらなく小気味いい。
男性作家の目に映るテンプレ女への批判にもなっている。女はほんとうはもっと豊かなのだ。
中澤の章へ行く前にすでに愛の肉づけは完了している。
主要女キャラがみんな美人設定なの、男への復讐ですよね……。
男が手に入れたがる「価値ある」女が誰も男に目を向けない、ざまあみろと。

しかし私は異性愛予防線に抜かりない悲しい業を背負っているので、中澤目線でまだ未練があるかのようなそぶりをした愛への警戒がとれなかったりした。章題でほっとした……。
だって美月のことは好きにやらせてるだけで本当はまだ中澤が好き……って解釈にする、女テンプレート異性愛マグネット、よくあるじゃないの……。この社会を信用していないので。まあ、よかった。




『女の子を殺さないために』(川田宇一郎)を相手どって叫びたい。
これが女が女を愛する世界だ!!!!
女は「殺される」客体じゃねえ!女は女を殺すし女は自分を殺すんだ。
『その日、朱音は空を飛んだ』、見事に『女の子を殺さないために』のカウンターをやってのけた。

以前まとめたフィクションの中で女の子が殺されるメカニズム。

女の子が落ちる(しばしば男とのセックスによって処女でなくなる)
女の子がママになりゆく
女の子が殺される(死ぬ/消える/去る)
女の子がママとして周縁化されずに包囲網を突破し世界のしがらみから解き放たれる(ことで受け手の解放への欲を満たす)

あはは。
ていうか、フロイトの理論が特定の地域・時代でしか通用しない概念だったように、『女の子を殺さないために』も特殊の条件下にしか適用できない理論なんだろう。
その条件とは「男社会」である。
だって女の子を殺さないために、だもん。誰が殺すの? 女の子じゃない人でしかありえない。ここでは男だ。

殺される女の子の痛みと叫びを描いたのが山戸結希だとしたら、武田綾乃は殺される女の子の残酷な"真実"を描いた。
このふたり、女が女を欲望すると知らしめたこと、元来美しく象徴化されてきた殺される女の子に語る口を与え生身を暴いたことが共通している。

第一章で意図的にベタな「女の子が殺される」物語解釈をやってるんだよね。
朱音が中澤と付き合ったから中澤を好きな純佳が嫉妬して朱音を自殺に追い込む。
世界の中心は男。
朱音は男によって処女でなくなりママに近づいたので落下し、ピュアな魂が最大限に崇高化されるように死して、この世の呪縛から解放されるカタルシスを得る。俺のこと大好きな若く美しい女のままで死んでほしいからね!!!

もちろんそんな陳腐な話ではないことは最初からわかっている。
カウンターなのだ。
二週間かそこらの交際期間でさすがにセックスまではしてないかな……。してたら中澤が地の文でさらっと愉悦しそう。細江愛のときのように。でも朱音の必死さからいってしててもおかしくはない。どちらにせよ本作は「男の手によって処女を失ったことでママになりゆくから死ぬ」物語にはならない。
おまえは女を愛する女の駒だ。

ママになっていかないならしがらみ化(おばさん化)する心配もない処女。処女は処女のまま美しく、男にとって価値がある。にもかかわらず死ぬ。
『女の子を殺さないために』では「なぜ女の子を落下させたがるのか?」と問いを立て「この世のしがらみから解放されるには落下するしかない、落下できるのは女の子しかいないから」と回答しているが、これも、男の(あるいは死を身近に感じたことがない者の)手前勝手な幻想に過ぎない。殺される心配がないから死をロマンティシズムにできる。まあ、骨子としては落下させるだけさせて殺さないラブコメをやっていくのが女の子を殺さない秘訣だよ、という論ではあるが。

閑話休題。
『その日、朱音は空を飛んだ』は、「崇高な目的に耽溺して落下し愛のために死んでいく女のロマンティシズムを粉砕する」話だ。
解放されるはずがない。
朱音に語る術が与えられなければ暴かれなかった"真実"。
かつて物語に殺されていった女の子たちの、生身の声。
ロマン、カタルシス、堕落論といった陶酔では生身の人間の死を捉えることなどできない。

「彼らはドラマチックな物語に飢えている。朱音の死を単なる娯楽として消化しようとする他人たちに、莉苑は強い嫌悪感を抱いた。川崎朱音は名前のない少女Aでは決してない。そのことを、どうして理解できないのだろう」

夏川莉苑が露呈させたのは女の子が落下して死ぬという過剰に甘美な物語への嘆息だ。処女を失いママになるから落下してしがらみから解放される少女Aなどどこにもいやしない。

こうして『その日、朱音は空を飛んだ』は『女の子を殺さないために』が想定しえなかった隙を突き、女の子が殺される物語を解体していった。
というか、女が死ぬ話を女の視点からやろうとしたら男社会の論理は解体されざるをえないんだよな。どう足掻いても主客転倒するから。



……どうにも『女の子を殺さないために』がもやもやしてて語ってしまったけど初読の感想書いとかなきゃ……。

とにかくとにかくエゴの話だったみんなエゴ……。
誰のエゴが勝利したか? というよりは、誰のエゴが敗北したか? なんだよな。
一ノ瀬祐介、中澤博、川崎朱音……。
世界の中心は男ではない。しかし、朱音でもない。

しかし私も俗人なので夏川莉苑が唯一揺るがされた瞬間によろこびを覚えてしまう。時代に疎いせいで動画に自分が映りこんだと聞いて……。花びらのような何かが……。

いくつかゾッとした箇所はあって、というかホラー小説ではというくらいゾッとする。
人死にを目撃してすぐ世界は生きている人のためにあるからと優先すべきは理央だと動く夏川莉苑(そしてあとでわかるダブルミーニング……)。
純佳の章で細江愛を真似はじめた意味がわかる朱音。
「死んだあの子に口はなし」。
思った以上に朱音を見放し冷酷になっていった純佳が明かされる……。

章題が各章最後に置かれるのこええ。
真実の曲げ方が多少強引でも、純佳は、それを信じたいから信じてしまうんですね……。

しかし伏線の置き方はめちゃくちゃ上手いんだけど、回想の連続、同じ時間を別のキャラで何度もなぞり時系列が右往左往するから、キャラも朧気にしか見分けられず途中どの子がなにをしたかとかごっちゃになって混乱したな。わかってしまえばなんのことはないけど。
そのせいか朱音が愛を真似した理由がわかったときあんなに衝撃だったのに、電子で読んだから最後朱音の遺書で終わるのかと思って「あれ? こっち本音? ち、ちがうのか?」ってなってしまってこれはもっと読みこめればよかった悔やまれる……しかしミステリーは初読あまり読み込まないほうが後々の衝撃がでかいことが多いからジレンマだ。遺書は朱音の字で読みたかったな。

あとなんだろう、よくも悪くもエゴイズムが全部言語化されているから、これは、映像媒体で婉曲表現を読み取るほうがきっと満足な物語体験ができたかもしれないな、と思った。
例えば近藤理央の「呼び出しを無視したって、絶対みんなに嫌われる」とか、ここはわざわざ言語化されないほうが、近藤理央のエゴと嫌らしさが伝わる気がする。

細かなことは差し引いても面白かった。これはよい。
好みの百合ではないが最高のバランスでした。
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by jinloturu | 2018-12-02 14:36 | 小説 | Comments(0)  

ワールドトリガー~18巻/葦原大介

前に13、4巻くらいまで読んでたのだがこのたび連載再開ということで再読。
最近更新してなかったけどここに感想書いてたよなー?と思って検索したのに書いてなかった。まじか。


めっっっちゃ面白い。
いや綺麗すぎるでしょ展開が。綺麗すぎる。
なんか特に言うところがないよ。ランク戦が面白すぎるし展開にまるで無理がない。
それでいてフルアームズレイジとかヴィザ翁蹴落としユーマとか文句なしにかっこよいし!!!!

初読時は感じなかったのに読み返すうち「この感覚……知っている……」という気分に。
なんだろうかと考えてみたらこれ、あれだ。
攻略サイト見たあとに脱出ゲームやってるときのあれ。
私そうやって何度も何度も脱出ゲーム繰り返すタイプなので。
初めにタオルともやがかった鏡があって、鏡拭いても汚れは取れないけど水に濡らして拭いたら謎の数字列が浮かんで、時計を参考に数字列解いてから暗証番号入力すると箱からバールが出てきて、それで鏡を割るとペンチが出てきて……みたいなひとつの解法にすっきり辿り着くまでの道のりのわくわく感。
グラスホッパーからの鉛弾狙撃で巴くんを落とす気持ちよさとかまさしく脱出ゲーム。
あんまり人に伝わる気がしないなこれ。

ペンチといえば。
記憶がおぼろげで、修がなにか切迫した状況のなかで大きな建物の中に入ろうと度肝を抜く手段で強行突破した、みたいなところまで覚えていたんだけど、なんだかペンチだペンチだと言われてるのでそういやペンチ使って頭ひねっていた気がする……と記憶改竄されてしまった。
なので大規模侵攻のラストわくわくしてたら特にペンチが出なかったので首かしげ。したらそっちかーい。

ともかく脱出ゲームみたいに、手持ちのカードの組み合わせでどう鍵を開けるか、というわくわく感があってめちゃくちゃ面白い。
しかもアイテムじゃないんだよ、一人一人の人間なんだよ、やばい。


感情が論理で構築される物語が好きすぎるんだ。
これが起きたからこういう感情が起こった、だからこんな行動をした……。
という流れのつなぎが自然で、かつありきたりな描写を選ばない。
それぞれのキャラがそれぞれの論理で動いていて、遭遇したときに発生する化学反応こそが見せ場になる。

この感覚はなにかといえばこれも誰にも伝わらないと思うけど水城せとなだわ……。
『ワールドトリガー』≒『失恋ショコラティエ』……。

千佳ちゃんのトリオンでラービット倒した次の瞬間失敗するとか、B級上位戦での判断ミスとか、修けっこう欲をかくとこある。
でもそれってあって当たり前だし、欲をかいた、調子に乗った、そのときになんとなく上手くいくんじゃなくてそれなりの因果があって、かいた欲の分だけ過ちを犯すんだよな。


熱情を取り囲う冷徹な現実主義。
安易なロマンティシズムに帰結させないシビアさ。
「気持ちの強さは関係ない」は、これ、『俎上の鯉は二度跳ねる』における「俺が女だったら洟も引っかけなかったくせに」だ。
少年漫画文法にはそこまで馴染みがないのですけど、「同性愛は本能を越えた純愛✨」言説への鼻持ちならなさならよくわかるぞ。
そんなロマンティシズムで包めるような現実じゃねえんだぞ、と。だけど論理で感情を説き伏せるんじゃなくて感情を論理で構築する、という順なので、キャラクターの行動論理を徹底追求するのが先にくるのも水城せとなの作劇と一緒。
なるほど好きになりますわ。


きくちはら……きくちはらしろうくんなに……かわいすぎる……。
「うわぁ」、「やだなぁ」、……。なんかきくちはらくんにベイルアウトシステムがついていて本当によかった。こんな才能もあって動けて毒づいて冷めてる子が緊張を感じずに戦える世界があってよかった……。
それでいて風間さん貶されると熱くなってしまうよいこ……わんこ……好きなもの仲間……友人……。
萌え袖だしカーディガンはかわいすぎるよお。

あとねえ千佳ちゃんが好きだ。
なにもできない自分歯がゆさに動けるようになってラービット撃って出穂ちゃん救出に結実するの大好き、相変わらず弱い女の子が恐怖に打ち克ち立ち上がる瞬間が好きすぎる。
「ふつうの女の子」の記号をまとった子が見せる熱血ど根性にやられてしまう。
千佳ちゃんメンタルやば。
ていうかこの作品の子たちだいたいみんな利他的で自己犠牲的なんだけど分けても千佳ちゃんの罪悪感コンボはやばい。
ボーダーに入った時点で覚悟が決まりきっている。
だ、だれか千佳ちゃんに「きみが近界にさらわれるのはボーダーにとってもデメリットがでかいので迷惑」という話をしてあげて!「きみがいなくなればみんな悲しむ」とかじゃ絶対響かないから!



という……という……。
はあ。連載再開待ててよかった。
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by jinloturu | 2018-11-17 11:20 | 少年漫画 | Comments(0)  

あさがおと加瀬さん。(映画)

えーーーん。
泣いた。

原作は『あさがおと加瀬さん。』のみ既読。


ファンムービーだった。
どろっどろの甘い部分をこれでもかと凝縮する。
せめて「高校時代の一瞬」という軸を建てなおして不安を煽ってくれたらラストが引き立つのに!!
……と思ったけれどもうね、でもね、これでもいいのだ。ファンムービーで。
演出もわりとキラキラさせとけばいいだろ感あるけど、山田の頭から芽の漫画表現を映画に持ってくるのどうなのと思うけど、日なたと日影の対比すら有効活用してないけど(しなきゃいけないわけじゃないが)、いいのだ……。


あああー!
思春期一過性を描く作品じゃないことくらいわかってたけど!!
新幹線飛び乗りは!!!最高!す ぎ る!

どうしてもどうしても恋愛ものは温度差のある二者が最後に同じ想いを共有する展開に感動を覚えてしまいますねどうか共有してくれと願ってしまいますね……。
受動者が能動者になる瞬間を愛している。

山田のぽやぽや初恋が確固たる現実になった瞬間と考えるともう……加瀬さんの重たさがもう……
たかが高校生の恋だと、ましてやたかが思春期の女同士の恋だと、言ってくれるな。
よかった、山田がそういう呪いそういうクソみたいな現実に抑圧されないまま加瀬さんを選びとれて、加瀬さんを思い出にしないで、よかった……。
儚い恋を否定してからの固い絆だよあさがおえーーーーん。


あのねえ加瀬さんクッッッソ好み。
「ちょっと来て」とか手を引かれたすぎる家に招いたら押し倒されたすぎる山田その無防備なミニスカート部屋着はいかんでしょー!?
佐倉綾音さんの声まじでやばかったからこれ。迫られたいわ。

ボイ系ながら確実に女性寄りな見た目でおっぱい大きくて健康的な体つきで能動的でリードしてくれるけどLINEこなかったくらいでフられたと思う弱さがある女めちゃくちゃ恋愛対象なんですけど…………………………。

少女漫画の男の子にときめく女の子の気持ちが今やっとわかった……。別にヒロインの子とのカップリングを無視しているわけではないのだな……。

そして加瀬さんの性欲が大好きだよ。
なんか「加瀬さん完全に中身男子高校生(笑)」みたいな茶化し見てびっくりしたんだけど加瀬さんを男に回収すんじゃねえ。
性欲を男に回収すんじゃねえ。
好きな女を前にしてあらゆる期待をしてけしかける加瀬さんのなんとも愛らしいことか。
いけると思った瞬間を逃さない加瀬さんの。


あーー満腹、満腹です。
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by jinloturu | 2018-06-19 01:36 | アニメ | Comments(0)  

リズと青い鳥

なんだかんだ京アニ好きだわ……山田さん……。

わたしねー!?
ひとりの人間を想う重てえ感情がどくどく描写されるの超絶弱いんですね!?
あー思ったけどもこういう方面の百合がほしいってずっとずっと思ってた。
相手への想いの重たさでつぶれてしまうような愛が百合でほしいって。
思春期特有のとかそういう言葉で埋もれないほどの、愛が、そして、報われる瞬間が。重たい愛が重たい愛で返される瞬間が。

同じ熱量で返される瞬間、というと、まだ私の願いは叶っていない。でもあんなにまで克明なみぞれの、誰にもわからない、いじましい、愛が。
大好きすぎる……………………




序盤からラストまで泣いていた。
アニメであった。映画であった。カメラの、色彩の、美術の、捉え方すべて。
つーか台詞最小限かつ画面でたっぷりの情緒を語る演出がめちゃくちゃ好きなんだよ????
だから日本アニメが好きなんだよ??????

希美のフルートが理科室のみぞれに反射するシーンよすぎるみぞれにとっては






……とここまで書いて二回目を見た。

傘木希美………………………………
傘木希美、傘木希美としか言えねえ。

ああもうすげえわかる。
こいつみぞれの愛を養分にしてやがる…………


あああ今わかったみぞれのオーボエが好きなのだけはほんとうのことだと思ってたあああああああ
あいつまじこの野郎だな!?!?養分!!!養分!!!
なんだろうなんだろうみぞれもいやあいやあさあ

あーーーーーーーーー

特別になりたい、特別になりたい、
麗奈は自分が特別になりたくて久美子も特別だった、
みぞれは希美だけが特別だった、
希美は自分が特別であることを確認するためにみぞれを利用し、しかしみぞれが自分よりも特別だと気づいたら閉じこめようとした。
この閉じこめようとした、のは、みぞれに追い越されたら自分が特別になれないから貶めようとしたのか?あなたはひとりで私はあなた以外にもいると主張することで。
みぞれには自分のことだけ見ていてほしいでないと自分が特別になれない他の子といないでほしいでないと自分が特別になれない。信じきれない。
音楽で追い抜かれているから、追いつこうとしても届かないってほんとうはわかってるから、せめてみぞれの視線を独占することでしか。
それも梨々花ちゃんの登場により揺るがされるこの行き場のねえというか二局同時に圧迫されることでしか籠の開け方を自分の欲望を知ることができなかった希美の頑なさよ。信じていられたのだこのときまでは。

あのね、オールオブミーの映画とオールオブユーの映画、という話が印象的なのですが、みぞれは完膚なきオールオブユーで、希美は8割方オールオブミーなわけですね。

いや二回め時点でほんとは10割だと思ってるんですけど希美が多少は他者としてのみぞれを希求していると思いたい気持ちもあり……。
というか、コミュニケーションが成立する以上は、100%自分あるいは100%相手というのはありえないし明確な切り分けはできなくて混ざりあっているものではある。
オールオブユーであってさえ、自分の全部が相手であっても相手の全部は見えない。

しかし個人的な昔の思い出で傘木希美(の一部)身に覚えがありすぎる…………ゆえにこいつにどんなに独占欲や不安が見えても全部自分のためにしか思えなくてつらい……。こういう見下し方やったよ……。
オーボエが好き、ほんとうの気持ちが1ミリもないまま言えることではないでしょう。
夕べに山登って「なぜ私に籠の開け方を教えたのですか」とは呟かないでしょう。

それでも籠を開けたのは希美ではないのだ。みぞれが自分で飛び立った。
他者としてのみぞれを愛して籠を開けることができるようになるためには90分では足りなかったのではないか。
オーボエが抜群に上手いというのはつまりみぞれは制御できない他者である、という諦めに似た発見だから。
中学生の頃から『リズと青い鳥』演るまで見ないようにしてきた間はまだ他者ではなかったと言える、と思う。

にしても希美は部活を離れてた間のみぞれの音に情感がなくなっていたことを知っているんだろうか……。
復帰してからそれとなく知って、自分でも気づかないうちに籠に押し込めるようにみぞれの愛を振り回すようになった。あなたにはわたししかいないけどわたしはあなただけでない、というメッセージを日々発信しつづけるようになった、と見る。
それがみぞれにとってつらいって知ってるくせにな……知ってるからこそな……。
「昔のこと」と殊更主張するのも自分は気にしてないアピールでその実すげえ気にしてるっていうあれか。


「『リズと青い鳥』ってさー私とみぞれみたいだよねー!」
(ふぐに餌やるみぞれに)「リズみたいだね!」
あああすげえ古傷いたい……超見下してるじゃんどういう意味か説明しなくていい圧倒的権力勾配のなかで自分の本音を織りまぜることができるわたしはあなたより上なのだとそのたび確認できる……たぶん昔そういうことやってた……。

理科室こそが鳥籠だったというね……気づけよ傘木希美……
でもラストの赤と青のように混ざりあっているんだろうな、ふたりともリズであり、青い鳥であると。





なんかサイコミステリーだった。
一見美しい純情な青春をくるんで圧倒させてくる映画かと思ったら徐々に明かされていく真実に寒気が呼び起こされしかもヒントはすでに埋め込んだ、探偵はきみだ、というような。

でもあんな希美のすべて(のガワ)が好きだというみぞれの感情感情および感情にはもう琴線大乱舞よあの初見の揺さぶられる感情の洪水だけでもこんなん好きに決まってる……。
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by jinloturu | 2018-05-15 19:45 | アニメ | Comments(0)  

世界で一番、俺が○○4巻/水城せとな

めっちゃくちゃ面白えな!!!
最高!!

水城せとなは欲望と良心で身を滅ぼす恋愛関係描かせたら天下一品である。


「欲望」一点ではないんだ。
そんなに人間露悪的に生きられないんだ倫理社会に身を置く以上良心からは逃れられないんだ、水城作品にサイコパスは絶対出ない。
しかし醜い欲望も情けの良心も持ち合わせているからこそ弱点をあらわにして絡めとられて潰えていくという……
「痴情のもつれ」とか「昼ドラ展開」とかの中身はこれだ、見よ、人間の感情はかように絡み合うんだ。

いや~~最高ですね。
はっはー刃傷沙汰!どこまでがミスリードだ。
死んではない……と思うんですよね。
むしろその先にもっと不幸があるんじゃないかと……どうですかね……。
ていうかアッシュは自分の欲望のために動いてるんだろうかね……。
まあだから耐えきれず遠回しにたろに手の内さらしていったのかどうなのか。

ヤリチンミソジニーの言語化めっちゃ好きなんですよね。
女の自分勝手な欲望も。これこれ、『カカフカカ』もこれくらいやってくれ。
リカちゃんも好き。
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by jinloturu | 2018-03-26 03:03 | その他漫画 | Comments(0)  

蒼穹のファフナーEXODUS

無印、ROL、HAE、EXODUS一気に見た、そのEXODUS分。
たぶん全部通しで一気見したのは二回め?かな?
時間の都合上ドラマCD・小説は今回はさらわず。

現時点のEXODUS感想。


・とりあえず最終話で剣司が「必ず帰るぞ、俺たちの島へ」って言ったとき無印2話の「これが俺たちの島かよ……?」の呆然を思い出してぶわっときた。一気見は中々できないけどこれがあるからやっておきたい。

・前回の一気見は一年前。なんとなく適度に機微を忘れているので無印から泣きどころ総涙。からから。

・「敵」。織姫ちゃんが芹ちゃん気遣って「敵」と呼ぶ。総士が「本当の敵」と断定するのは、ようやっと「敵」と呼べる存在ができたからなんだろうか?搭乗時は変性意識加わるとしても。ずっと戦いたかったしな。

・こないだファフナー初見の友人が「一騎より総士のほうが相手に対して愛を表現している」と言ったのがちょっと驚きだった。総士のほうが一人で煮詰めてると思ってたので。
でもサブテキストがないと一騎のこじらせ依存心って見えづらいんだな……特にEXODUSではそのへん昇華(受容)しちゃってるしな……って納得感。

・暉がウォルターさんを助けられなかったのは一騎とカノンの対比か。今回見てたらウォルターさんの死が唐突というか都合シナリオ通り感あるなあと思って。ビリーやエメリーのように死ぬために生まれたキャラだけど、主役級や主題に関わるわけではなくて暉のそして竜宮島のためのキャラだからかな。
自分で決めたから命令無視して人相手にした自爆を止めたカノン、自分で決めたから人相手にして自爆するウォルターさん。暉だって対話してたのに一騎にはなれなかった。まあウォルターさんの思考停止は1話で既に終了してるから……暉の関わる余地ないから……。
いや対話によって最期の場所を決めたたのだしむしろそのほうが暉にとっての残酷……。

・暉が、最期なのに、最期の最期だというのに、一騎の力なしでは海神島を守りきれなかったその非情さが好きで……。一度も一騎に勝てなかったし(剣司の勝負には乗ってた一騎も土俵に立たなかったし)、あそこでボロボロの体でしかも里奈なしで食い止められるような超人ではない。同化されなかったらリアリティラインが崩れてしまう。人類とフェストゥムがかつてなく混ざりあっていくEXODUSで、真矢ちゃんと同じように人類の限界を作品に刻んだのが暉だと思うのよね。スフィンクス型一体からも人を守れない無力感、好きな人を守るどころか逆に追い詰めて泣けなくさせてしまう、「総士が生きてる」にならない広登の死の拒絶。カノンのように凡人ながらも最前線で最大の希望を勝ち取ってくるわけでもなく、どこまでも裏返らない凡人の死。勝ちたいと思っていたのに9話でも来てくれてほっとしてしまうアンビバレントな感情で、最期にすら勝てなかった。勝負をさせなかった。それでも、それでも竜宮島ではなく、海神島を守っていなくなるっていう、人類愛に終わる暉の……。

・22話のボレアリオス参戦の絵面好きだな~~!相手がそこにいることを無視して人を殺しにきた人類と(「人類軍」というひとまとめのワードにはもうできない)、人類の戦法を学んで人の武器で人を守りにきたエウロス型の混戦!
HAEのエウロス型はフェストゥムがついにここまで人を理解したかという衝撃があったけど、もはや過去のこと。人とフェストゥムの境界線がごっちゃになったEXODUSの様相を表すよいシーン。

・ヘスターちゃんには真矢ちゃんに「一騎と世界どちらを選ぶの」的難題を突きつけてほしい、真矢ちゃんには世界を選んでほしい、もう選んでるけどきっちり本編で見せてほしい。私は「さよなら、一騎くん……」を決別だと思っているよ……(思いたいよ……)

・受容者である一騎が真矢ちゃんを理解してやらないのが納得いかなくなってきたんだよな。人類対フェストゥムが無印の一騎と総士なら、人類対人類がEXODUSの一騎と真矢ちゃんだ、っていうのは見当違いなのかな。そう見ちゃうから納得できないのかな。もはや一騎は人類と呼べるか怪しいのに。
一騎の、総士と親と珪素以外は庇護対象メンタルに否は突きつけられなくていいのか。
相互理解の作品でわかりあえなくていいと言ってくれたと思って感動したんだけど、一騎のスタンスで、「わかりあえない状態を認識してないなら理解も受容もしなくていい」っていうのは、いいのかね……いやいいって言うならいいんだそれもキャラクターの豊かさ作品の豊かさだと思って……。
ただ私はまだ一騎と真矢ちゃんの関係が変化する余地があるのが怖いだけなんだ。総士は真矢ちゃんとわかりあえずに死んでいったことを救いと思っている。

・やはりEXODUSは詰めこみすぎた。最終話の総駆け足感。が、過不足がない。ずるい。

・いらない登場人物がいない。それぞれのストーリーが要素ごとに進んでいくから、「最後ここに到達するために必要な要素を全体で割って逆算するとここに1エピソード入れるべし」的脚本の都合で話が展開するのが丸見えなのに、「それぞれが希望を信じ未来に辿り着こうとする」大筋がブレずに根幹としてあり、無印から積み上げて生きて成長してきたキャラクターのストーリーが大筋と奇跡の合致を果たしこうなるしかないという展開を迎えるので有無を言えない。

・EXODUS初見時はやっぱり感動の再会とか主要キャラの死の受容とか、そういうのをじっくり見たかったのよね。そしてどうしても一騎を軸に据えて見てたから。それでもそういう欲求の落とし所としての一騎と総士で締めるラストだから終わりよければなんとやら。

・真矢ちゃん、「誰かを助けるためにそれ以外の人たち全部を犠牲にできる人」、これ、未来の対話を守る決意をした『THE FOLLOWER2』以後も、守りたいものを守るエゴ時代と同じ台詞で通るんですね。だから読み取れなかったというかそこは本編では切り捨てられたのでしょうが。
自分が倫理に従ってると思ってたのに悖ることができてしまった、平和を捨てて人を殺せる人間だとわかってしまった。
特に対話と平和に信念を持っていた真矢ちゃんが、「遠見は僕らにとっての地平線だ」とまで承認してもらってた真矢ちゃんがね。行き場ねえんだよな~~~あいつら真矢ちゃんのこと日常象徴として見てる条件つき肯定しかしてないからな~~~~好き。だから全肯定の美羽なんだよ。
わかってしまったと言ったけど状況が異常なだけで別に普段真矢ちゃんが倫理的であることは否定されていない、平和と日常に戻れる選択だってまだあった、だけどもう、選んだのだ……。

・未だによくわからないんだけど先に竜宮島に戻ってこようとしたオルガさんたち、三機で戻ってきたよね?一機無人機か?カノンの「今日四人いなくなった、広登が……」の台詞と整合性がわからない。

・初見時16話冒頭はHAE劇伴『空上での選択』が流れた瞬間その壮大さのミスマッチ感に「あっオルガさんだめだ……」と察したのですがあまりそのへんの違和感を読み取れなくなってしまった。読み取れないからと言って死なないわけではなかった……。

・フェストゥムを「綺麗……」と言うのは定番化してますが、竜宮島を知ってしまった者が外に出て帰ってきて「綺麗」と呟くのは今回だからできたやつ……。楽園だよ。その深みがやっと感覚としてわかった気がする。

・なんか別にいいやと思ったこともあったけどやっぱ総士がまだ真矢ちゃんを好きなの納得いかねえからな!!!総士の人間らしさに恋愛感情を使うんじゃねえ恋愛感情を人間らしさと言うんじゃねえ!!!
「でもホモじゃないですよ」の目配せ予防線が私を殺す。21話の受容にどれだけ心を削ったか。

・竜宮島、ナレイン、ダスティン、ヘスター、グレゴリくん、それぞれの「希望」。無印10話は初見時あまり入りこめなかったけど見れば見るほどこんなに竜宮島を象徴するエピソードもない。広登が求めた希望と、そのずっとずっと前段階としての容子さんが放つ希望、「あなたたちが希望」と言ってしまうある意味非道な世界、希望の掘り下げがあった。それがさらに深まるEXODUSでありいやあ14話まじ非道だわ。

・やっぱりEXODUSは12話がいちばん好きだなあ。戦場の子供たち……梶さんの名演から、『人類が求めたもの』?が流れて竜宮島の子供たちへと繋がる流れが変わらず最高……。3話エメリーの「これで戦えるよ」がひっくり返る瞬間。

・初見無印24話でソロモンが応答したとき疲弊したんですね。あんなに奪われてまだ奪われるのかと。戦わねばならぬのかと。そしたらミョルニアと甲洋(スレイブ型)が戦ってくれたわけで心からほっとしたことを覚えている。
初見時のEXODUS15話の疲弊、種類が違う。奪い奪われ乱戦絶望やるせなさを20分見せられたのに、あると思っていた救いがなかった。ダッカ基地はダスティンに奪われていた。からの操ですよ。未来の希望にしか救いがないEXODUS。だから今を削るしかない。

・「たとえ苦しみに満ちた生でも、僕は存在を選ぶだろう もう一度お前と出逢うために」
「苦しみに満ちた生でも存在を選ぶ心 それが僕らを出逢わせる」
どう考えても見合うものではない苦しみと出会いを同等とする、っていうニュアンスが好きなんだと思う。お前に出会えたから苦しみ全部帳消し!チャラ!じゃない。苦しみを美化しない、苦しみは苦しみであり、正面切って迎えた上で、そこまで苦しんで存在を選ぶ価値はお前であると。
無印では二人称お前で、EXODUSでは僕がいてお前がいることを前提とした一人称「僕ら」への変化は言うまでもなく重要であるてか有り体に言えば最高。

・18話総士が一騎を守ったとこで号泣した……。読み取りうるかぎりの異性愛描写を拾いながら見てたからふいに「こいつすげえ一騎好きだな……」に出会ってしまうと泣く……。
ブックレット読み直したら総士普段人間の体とはっきり書かれてるからやっぱ死なないことを計算して身を挺したわけじゃなくてすべてをなげうって庇ったってことか。覚悟が違うぜミナシロ……。

・14話溝口さんの「こっちも家に帰るためさ」にナレインが押し黙った、そして「……進もう!」となるの、竜宮島と世界の差があらわになる。直後真矢ちゃんが「みんな帰る場所を探してる」と言う構成にぐっとくる。

・死期悟ったカノンの最期の日全般声がやばい

・ハイデガーの死への先駆的決意の話だよな。すると「EXODUS」とは豊かな響きである、誰も死からは逃れられない。一騎の存在への執着を散髪でさらっと断ち切ったの称賛するしかない。
英雄、あらゆるしがらみからのEXODUSとしての英雄だったのでしょう、死の恐怖からも逃れたのでしょう、でも総士は怖いと言ったんだというのを大事に先駆的決意を考えたい。

・一騎の心理描写を象徴性散りばめで押しきったの、尺の都合ではあろうが、視聴者全面信頼で大好き。まあその分わかってないこともあるんだろうなあとは思うんだけど。桔梗については消化したけど、この記事なんか読みづらいな……。

・放送当時見た感想で「最後に史彦が人を撃つなと言ったのがっかり人に襲われてるのに今さらそんな綺麗事かよ」というのを覚えている。怒りと焦燥で。冷笑主義はこういう人よねと。世界は綺麗でないからこそ綺麗事を言うことに価値があるのに。史彦が言う意味と深みを読み取れと言うのはもしかしたら難しいかもしれないし、人類から隠れてきたから竜宮島だから言えただけじゃんと人類軍が非難するならわかるけどね。

・総士のモノローグの響きが初見時と全然ちがって聞こえる。(ポエムと言うのもいまや憚られるけど二人称だからモノローグとも微妙にちがう、レコードボイスとかボイスメモとか……しっくりこない)戦々恐々ではない、決意と記録と穏やかな緊張感。
BEYONDではまた別の響きを与えられるのだろうな。歴史はつねに今によって評価される、総士が歴史になっていくというの、キャラクターが生きていて大好き。

・親というのは抑圧だな。『THE FOLLOWER2』がなくても思う。「もし君がこの機体と出会うなら、それが君の運命となる」、やばいだろ。運命全面受け入れ態勢のファフナーで運命に抗うこそうしは確定ぽいので期待大なんですが。(でも受け入れるんだろという安心感……と言っていいのか)

・12話冒頭で織姫が「それでも命すら守られない人々に比べれば希望に満ちている」、ああなんか、今ならわかる、そうだなって思った。
放送当時の恐怖は「また誰かがいなくなる」不穏さだったんだな。ゴルディアス結晶とエインヘリアルモデルの恩恵を受けた命は死守してくれた。

・ていうかエインヘリアルモデルのおかげでBEYONDで死を描くのは難しくなった……よね。いや核汚染世代とベテランパイロット勢すなわち視聴者の愛着あるキャラたちは依然として危ないんですが……。海神島に持ってきた竜宮島ミールの大気も長くはもたないと明言されてるしいよいよもって史彦が。
そしてザインとニヒトはコンバージョンできないわけで総士と美羽は…………。別に難しくなってねえな。

・って書いて思ったけど一騎生まれ変わってなおかつエインヘリアルモデル乗るならぜんぜん長生きするな……私は一貫してはよ祝福の彼方で会ってくれと願っているがやはり総士を看取りつづける運命なのか……。

・甲洋がほとんど「守るよ」しか台詞与えられなかったの残念だから空白の三日間の話ほしいなあ。平和企画進んでますのかね。

・「重要なのはパイロットたちの意思か」がやっと染み入る。今回所々やっと理解が進んで受け入れられてる気がする。

・カノンが消えた楽園で里奈が彗に「呼んでよ!」と言ったときハッとすがるように振り返る剣司と咲良がすげえいい、すげえつらい……

・生まれ変わる。総士を受容(理解)するため母胎から生まれ直した無印15話、命の使い道(を探すこと)を選んだEXO24話。一騎は二度変化した。んだなーと。ぼく地球最終話ではこれまでと180度違う思考・感性の自分になることを生まれ変わると表現したが、一騎はいつだって物理変化する。

・受け入れてからが本番のファフナーが好きだ。「生きる意味役割を受け入れた時こそが幾度幾度となく訪れるスタート」、よい。

・9話と21話の『その時、蒼穹へ』が全然違って聴こえるのすごいよな。通しで見るとEXODUS、戦闘BGMにangela使い倒しすぎでしょってなるけど、ここだけは……。同じ音源のはずなのに泣きが入ったような切なさがある。あと22話冒頭の『DEAD OR ALIVE』の入りもめちゃくちゃアガる~~~~~!!すき

・でも初見時の18話OPのテンションは二度と味わえないだろうなあ。「痛い 痛い 痛い 君と蒼穹へFly」の痛みももう思い出せない。

・でも「命をやり直すために」でゴルディアス結晶映したときはなるほどな?って感じだったけど、ふつうにそのままの意味でしたね……ゴルディアス結晶にならせねえぞ苦しみに満ちた生をやり直せよ……。

・旅のおわり、なんだ弓子寝るんかな?って思ったんだけど、ブックレットにはっきり「睡眠もせず」とあるから目とじてただけか。マスクなし。

・エメリーと美羽が輸送中ほんとにずっと離れてるからなんかかなしい。近くにいるときは「怖いよママ!」じゃなくてエメリーにすがるようになっていく過程が見える……まあどちらも失うけども……。

・やっぱり全26話でいちばん「小憎い」のは芹織ですよね……。織姫ちゃんは「いちばん希望に満ちた未来」以降は透視できなかったということでしょうか……。

・ついでに唐突にBEYONDのティザーとPVの話なんですけどやはり謎。一騎がアインに乗ってる時系列はどこ。
ティザー見た感じ「ザイン搭乗美羽→恐らくアイン搭乗一騎→ザイン搭乗一騎」なので一旦アイン乗ってザインに乗り換えるのかな?という印象も受けるけどザイン搭乗→ザイン引退、アイン搭乗へつながるほうが自然だし。

・順当に考えれば海神島にあるはずのニヒトにシナスー着た総士が対峙してるのも謎。なんかもう劇場版ならいいんですけどこれでまた2クールとかで奪還された総士が運命と出会ってまたフェストゥムに痛みを負わせに行くシーンだったらどうしよう。そうとしか見えない。

・ハア~~~~~21話以降異性愛になるまいか気が気でない一ヶ月にわたる消耗狼狽なんかもう経験したくねえんだよ~~~~~殺すなら劇場で一思いに殺せ。




はい。
久しぶりにファフナータグ使えたー。(コミカライズ6巻の感想書いてないので……)
ファフナー面白いな……。
ファフナー面白いね……。

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by jinloturu | 2018-03-19 18:50 | アニメ | Comments(0)  

逃げるは恥だが役に立つ(ドラマ)

見る見る言っててやーっと見ましたよ!
面白かった。原作既読。



流行った当時は、「私のような者たちが読むものが、ついに世間のメインストリームに乗るように……」といううすら感動があったのですが、なるほどこれはうまい。
言語でまくしたてあう理屈っぽいくどくどしたコミュニケーション部分をばっさりやって、ラブコメ全開。
しかし根底はぶれることなく、「それは好きの搾取です!」でその姿を露呈させる!
最終話の会議で原作『逃げ恥』らしい言語コミュニケーション炸裂、でもそれはドラマ版にとって唐突というわけでもない。
うまいなあ。



あのね、あのね、原作でいちばん気にくわなかったのはゲイの描きかたでして。最後のほうはそこそこ見れるようにはなったけど男をみんな性的に見ている男好き、的なオチ担当っていう。
「俺が風見さんに手を出さないか心配だったんでしょ」
って台詞、これは別にいい。つづくドラマオリジナル台詞、
「男だからって誰彼かまわず取って食うわけじゃないのにね」
これも、いい。
BLでもよく見るようになった世間反発。偏見打破。

でだ、それだけならいくらでもできるわけ、偏見に辟易してる側はそれで胸がすくかもしれない、でも、素直に受け取れない偏見持ち側からすれば鼻につく描きかたになる可能性をはらんでいる。
別に偏見持ち側への過剰な配慮をしてほしいわけじゃなくて、私がそういう教科書的な説明台詞はあまり肌にあわないので。
こういうのにかぎらず説明台詞はできるだけ省いてほしいので「いや、もう、それ、言われなくても知ってるし」って気まずさを受けとりたくなくて。

だけどこの作品は、そこに留まらなかった。
「僕はこれまでも知らないうちに人を傷つけているんだろう」
傷つきたくなくて閉じこもるあまり独りよがりになって弱さとコンプレックスと思い込みで人を傷つける平匡キャラの説明を盛り込んできた!
そうそのプラスアルファがほしかった!
説明台詞がほっぽりだされず本筋にさらっと合流する気持ちよさ~~!
これぞ創意工夫~~~~!!


っていうね、工夫があちらこちらに見えて楽しかったですね。
全然原作と展開ちがうのに「全然ちがう!」感がなかった。
脚本も演出もキャストもぜんぶ噛み合ってたね。


ガッキーかわいすぎるでしょ。ガッキーかわいすぎるでしょ。
「うそです!」って後ろから抱きつかれたすぎる。朝まで一緒に寝ていいか聞いたらちいさく頷かれたすぎる。
ガッキーがあまりにかわいすぎるから理屈っぽさ削ぎおとすと「かわいくて完璧に家事してくれて優しくていつも笑顔なみくり」像が如実になり。
するとけっきょく高学歴高収入男が若くて綺麗な都合のいい女をつかまえたに過ぎないじゃねえかと思いそうにもなるんだけどそこに「それは好きの搾取です!」をぶつける構成がめちゃくちゃよかった。
都合の悪い女になっていこうな。それが大事な自分なんだ。
いやそういう話でもないんだけども。

まあでも異性愛ですね。青空市のハグにみんな注目過剰演出、つらい。異性愛が祝福される、つらい。
真逆のことを言いたい最終回なのはわかるけどね。作籍婚を濁してあらゆる未来を示唆したのはよかったけどね。とても。あんしん。
でもなんかあー異性愛なんだな~と気づかされる感じでしたねあれは。私の呪いは解けないし解きたくないですね。
ゲイ同士の(とってつけたような)出会いにすこし救われ涙を流す。
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by jinloturu | 2018-02-09 23:30 | その他 | Comments(0)  

しまなみ誰そ彼3巻/鎌谷悠希

はあ……
「君の言葉で僕が傷ついたことを知ってほしい!」、そう。
そうなんだよな。
それだけなんだよな。
「傷ついた」、言葉だけじゃ絶望的に伝わらないんだ。
お前は気軽に無邪気に口笛を吹いたつもりかもしれないが目の前にいる殴られて血のついた私を見てほしいだけなんだよな。

怒るべきか。怒らざるべきか。笑顔の下の「あームカつく!」。瞬間的に沸いてきたのは。
「怒り」。
怒りだ、我々の。
どこにもいけない怒り。加害者はお前だ、君だ、私だ、被害者もみな、お前であり君であり私だ。

椿くん内面化ホモフォビアかよ。
見てらんね。
救われてほしいのだ。たすくの言葉が届いたのだといい。
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by jinloturu | 2017-12-09 23:49 | その他漫画 | Comments(0)  

来世は他人がいい1巻/小西明日翔

悔しいな面白いわ。
なんなんだろうなにが上手いんだろうか。ストーリーが上手いわけではないと思う。
間を埋める、キャラをつくりあげるその順番、とかそういうのがすごく上手い気がする。

腎臓最高でしたね。
立場弱かった女が啖呵切る瞬間とか最高に決まってるだろ。
まじで売っちゃう度胸な……
『春の呪い』はなんか収まるとこに収まった感じで物足りなさがあったがこれは先行き見えないから気になる。
そして地味な埋め作業が上手い作家のこの題材とかはまりすぎる。
ちゃんと腎臓が生きてほしい。
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by jinloturu | 2017-12-09 23:48 | その他漫画 | Comments(0)  

ちはやふる36巻/末次由紀

それ、それ……
聖人君子ではなく、醜い感情を持ち、しかし醜さ一辺倒でもなく、醜い感情だってある、それでも、それでもきらきらした感情だって本物で、そこに向かっていく……!
そういうのがほしいの、こういうキャラが大好きなの、大好きなの!!!
うれしいと思えたことがうれしかった、そうでしょう!?それでこそ新でしょう!!!

かつて太一が新の帰還を「やった」と涙したように、新だって太一を求めていて、一緒にいたいと思っていて、三人でかるたしたいと思っていて、卑怯でいながらその眩しい青春を追いかけるんだよ。


はあ~~~~
「西日本代表は綿谷新」!!
躊躇なく歴史のノートに書く机くんもそれを早く報せなきゃ励ましになると確信している瑞沢メンツも支えられてる千早太一も「わた・や」を報せる太一ももう大好き……
なんなんだきみたち……千早が呪いかと思いきや周防さん合わせにくる太一鳥肌たったわ。

なんなんだ。
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by jinloturu | 2017-12-09 23:47 | 少女漫画 | Comments(0)