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カテゴリ:アニメ( 100 )

 

響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~

ユーフォニアム~~~~!!!
最高だよ!!
これぞ、これぞ響けユーフォニアム!

もう、終始「ユーフォ!安心安定変わらぬ完成度!」とぶちあがってたんですけど自由曲!!!!!

ところどころ差し挟まるのぞみぞはサービスカットにとどまるのかなあ期待はせまい、と思っていたから、あんまり待ち構えてなかったですね。
リズでした決壊…………

おまえ、みぞれの愛よ。希美の覚悟よ。ふたりの愛の、後日……。
後日、来てしまった。
みぞれソロあまりにも主役。
ぼろぼろに泣きながら考えていた。
今回はのぞみぞの話はもちろん全然見えてこなかった。(原作と違って)久美子はふたりのことを塵ほども把握していない。
そのことが、なんと『誓いのフィナーレ』の重奏感をいっこ成立させていると思った。

コンクール。すべての事件が、すべての感情が一極に集積し昇華する場所。
美玲の自己嫌悪も優子の気負いも求くんの後ろめたさも秀一の諦めも加部ちゃん先輩の苦悩も奏の闇も全部。
観客が見たひとつひとつの揉め事をきっと知らない部員はたくさんいるし、同時に他にも数多発生しただろう事件を私たちは知らない。

でも、希美とみぞれのことは知っている。知っているのに描かれない。
描かれないのに絶対的な存在感を匂わす希美とみぞれの感情を想像しながら見るということは、他の様々な人間の様々な感情を想像することと同義ではないか。
そういうことを考えていた。
それが北宇治高校吹奏楽部という場所なんじゃないか。


今回見てて思ったのは、ユーフォって人間の多面性を描く物語なんだと。
裏テーマとかっていうより、吹奏楽部内の人間関係を描こうとしたら必然的にそうなる。

気負いきってしっかり者の部長になった優子が、香織先輩が来た瞬間「後輩」に戻ってしまったときに思った。
こういう部活独特の上下関係のみならず、例えば夏紀の激情を私は知らなかった。
(おまえこんな厄介な問題自分に抱えながら希美のことでろでろに甘やかしてたのかよ……)
秀一といかにも高校生的な青春恋愛をやった次の瞬間には麗奈とまるで共犯者のような結びつきを声に乗せる久美子。

距離があると思われた美玲は本当は輪に入りたくて泣く不器用さんだったし、気むずかしそうに見えた求くんは緑輝にだけ崇心を隠さない。
声優さんも楽しいんじゃないかなこの作品、とかって思ったりする。一人の人間の色んな側面を表現するから。


そう、だからユーフォはいつだって感情のピークを「本音の暴露」に持ってくる。

感情を、上手く表せなかったり隠したり特定の人の前でだけふいに出すことができたり。
そんな人間の心を『響け!ユーフォニアム』は自ら暴かせる。泣きながら。怒りながら。昂りながら。

だから今回は奏というキャラクターが久美子にぶつけられた。
奏の本音を引き出すために、久美子の本音が暴かれた。
あすか先輩が久美子に投げかけた手痛い問いへの答え。傍観者として安全地帯にいたままでは得られないもの。
ユーフォは本音の吐露が絶対的キーポイントになる作品だ。ぶちまけられることで理解が深まり、揉め事はたいがい収束する。

結構な楽観主義ではないか。(武田綾乃さんは単純な性善説でもないと思うが)
そこが『リズと青い鳥』との決定的な差異だ。希美とみぞれだってユーフォの文脈では「みぞれの本音が暴かれたことにより希美の誤解が解け、すれちがいがなくなる」だったのだ。



お前を待っていたぜ久石奏……!
原作はパラ読みした程度なので、漏れ聞こえくる奏のヤバさはアニメでお目にかかりたいなとわくわくしながら待っていたらこれだよ。
美玲のことけしかけてたの、美玲を矢面に立たせて検証材料にしたかったってことなのだろうか?恐ろしいな。
しかし全国まで行く吹奏楽部が実力主義を採用せずに1年をやっかむなんて妄言どれだけ人間不信なんだ……。いや、美玲と低音パートの距離感を見て色眼鏡から「やっぱりここにもあるんだ!」と早合点してしまったのか。

「塚本せんぱぁい」とかいじって先輩との距離を詰めようとしてくる後輩、いる……!
だがその先輩、去年空気読まずに1年でトランペットソロもぎとった先輩と引力で結ばれてるんだよなー!
知らないだろうけど!多面性!
「奏ちゃんを守る」って言葉、マジもんだからな……本気でこいつ去年「裏切ったら殺してもいい」って愛の告白した女だからな。
相手が悪かった。いや、よかったな……。


からの、「悔しくて、死にそう」はフィナーレにふさわしい最高のまとめだった!
矛盾するようだけど「そして、次の曲が始まるのです」で締められても違和感がない。
あーもうすっごいよかった。さすがです。



なんだろうなあ、こんなにエピソードがぎゅっと詰まってて、次から次へと揉め事が起きて、なのに駆け足感がまったくないの。
感情がわかるの。
もはや私はあすか先輩が登場しただけで泣くような終始涙腺ゆるゆるだったので。
優子、優子おお! あの一瞬に、その後の演説に。
自分は気負いすぎたからって久美子に次のバトンを託した優子を観客みんなにわかってほしかった……!
夏紀もさあ、希美に奏に優子にと気を遣いまくりじゃん!? あのとき優子の隣にいられたのは夏紀だけなんだよね来場特典カードはなかよしかわでした。
そりゃあみんなの前で愛を返すよねデレ優子。

原作チョイスと演出と編集、これがいちばん京アニの信頼してる部分かもしれない。
だって「え!?漫然とエピソード並べ立てただけ?軸が見えない!」ってなる商業作品いくらでもあるじゃん、京アニ、そういうのに遭遇した覚えないんだよね。自分に合わないとかつまらないとかはあっても。
作画はもちろん信頼というかなんなんだろうあの矜持は。ブラッシュアップされてくたゆまぬ努力が。



そしてですね、原作をパラ読みしてたのでヘテロがくる覚悟はしてたんだけどまさか初っぱなから告白とは恐れ入ったよね。
急激に気が削がれたが、まあ見てのとおり持ち直したので。
みかん飴はにやけるし、ていうかあの張りつめたふたりだけの世界なに!?一瞬に詰まった引力、貫禄がちがう。
原作ラストがこれからヘテロ始まるよ!秀一にフォーカスされて終わるよ!って感じだったのでCパートに戦々恐々していたのだが、別れたまま終わってよかった~!!フィナーレ!!!

しかしまあ、のぞみぞはもう久美子の目の届かぬところに行ってしまうということで、『リズ』その後しかもコンクール本番が描かれてしまっただけでもしばしおっもいのだが、それすら思い出となりふたりの人生が遠くになってしまうのはやはりさみしい。もやもやする。
あんなにも愛を羽ばたかせたオーボエ。「支え」たフルート。
確固たる意思を湛えた決意しか読み取れなかった、そのなかの感情は、見せてくれなかった。ああ、全部は見れないのが、ふたりなのだ……。


by jinloturu | 2019-04-21 00:58 | アニメ | Comments(0)  

宇宙よりも遠い場所

これは秀作。
これだけ絶賛されるのもわかる。
ただなんか私の好みではない。痒いところに手が届かない。のが、さみしくなるくらいには丁寧に作り込まれていた。

地に足ついている。

「ここじゃないどこか」。
雑な史観であることを一応断っておくんだけど、70年代の「ここじゃないどこか」は憧れの地欧米だった、80-90年代は精神世界だったから「ここじゃないどこか」が求められた、00年代はそんな場所どこにもないとニヒリズムがあった。
だから2018年、そこに「南極」を代入できたのかなって。
雑史観はさておき「異世界転生」がブームになった10年代の中で「ここじゃないどこかを南極に設定しました」とは実に現代的な描き方だと思った。


名言がふつうに名言である。
11話「人を傷付けて苦しめたんだよ。そのくらい抱えて生きていきなよ。それが人を傷付けた代償だよ!」とかもそこで啖呵切らせるのも現代っぽさ。
12話「人なんて思い込みでしか行動できない。けど、思い込みだけが現実の理不尽を突破し、不可能を可能にし、自分を前に進める」とか好き。

南極第一歩の「ざまあみろ」とか母からのオーロラ写真メール「知ってる」とか、台詞回しが秀逸な良作は見てて気持ちがいい。
6話「気にするなって言われて気にしない馬鹿にはなりたくない!」とかね。

日向のやさしさ。自分の失敗をなんでもないふうに乗り切ろうとするとこういう声になる子なんだな~というのが演技で伝わってくる。
報瀬ちゃんの「見かけによらず」なキャラクター性も生き生きしている。自分が一番南極行きたいくせに作戦実行は嫌がる卑小さとかさ、「言いたい奴には言わせておけばいい」けど「デマは許せない」というどこに一貫性をつくるかとかさ、それぞれ多面的な人格の描写が抜群に上手い。

キャラデザもよかった。
鼻穴あるし、乳袋がない……走るシーンでも揺れが現実的な胸、これだけでノーストレス。風呂シーンに性的な視線がなく、会話も互いの裸体に言及したり意識したりすることなく終わる。女体であることは当たり前に日常である。
それだけで緊張が弛緩する……。
ミスリードながら唐突にモブに「好きです」と告白された女子高生の反応がガチドン引きの「……ひっ」なのもよかった、赤面しない。そいえばなんだかんだ鮫島さんと付き合うことになりましたエンドじゃなくてよかったな……ほんとに……。



しかしねえ。なんだか今ひとつ刺さらない。
なんだろうと思ったら、切望と努力がないからだ。
たしかに報瀬ちゃんでそれは描かれるけども、基本的には大して乗り越えることもなく苦労した末の報酬が与えられるわけでもない。
そういうアニメではないから。
期待してたものからズレが生じて、求めた期待が実らず宙ぶらりんになってしまった。
少々涙腺刺激されるシーンはあったのに「なんか違うな……」感が最後までぬぐえなかった。かなしい。琴線に触れなかった……。
よりもいよりぜんぜん評価されてないし実際総合的な出来も数段劣るけどわたしはアニメ版『こみっくがーるず』のほうがバシバシ刺さったのですよね……女子高生が集ってなんかやる深夜アニメとして比較すると。

普段女子高生がなんかやるアニメのあまりの善人ぶりに多少なり違和感を抱く側ではある。
人間的な嫌な感情やエゴがあふれてくるがそれでも善性を選ぼうとする高潔さが描かれる作品が好き。なのに、まさにそれを描くよりもいが響かない自分に戸惑った。
でもね、あのね、思ったけど、好きだからこそもっとじっくりねっとり炙り出してほしかったんだ、エゴ……。めぐっちゃん……。



だから正直主役たちにあんまり関心がない。大人組の話のほうが断然気になる。
資金繰りとか夢と挫折とか死のにおいとかリベンジとか訓練とかスポンサー集めとか旅程とか子供を連れてく親心とか見たいな~。
大人百合~~~~~~!
「吟と貴子の娘には敵わない」、「あやっぱそういう世界? 父出てないもんな」と思った程度には百合脳なのでほかの解釈がありうるというの検索するまでわからなかった。

報瀬ちゃんが最後にパソコンを吟に渡すシーン最高。
「私には必要ありません」、つまり、吟にはまだ必要なんだよ……! 後悔と執着と。報瀬ちゃんは母の死から解放され前を向く。でも吟は主役じゃないので完全に晴れることはない。
そう、前を向いた娘に球打たれてさえ!! 「ざまあみろ」に救われてさえ!!

何度もリフレインする貴子を呼ぶ叫び声にそのたび胸を打たれた。「きれい……」無線のシーンがいちばん好きですね。。
何度自責したろう。どんな覚悟で隊長に。貴子の娘を連れてく緊張と不安がもっと見たかった。




一気見する仕様じゃないな。一週間ごとに見るから余韻に浸れるんだろうな。
「ざまあみろ」とか12話ラストのメールボックスとかうるうるしたけど、毎回起承転結あってほぼ毎回泣き所つくるから正直乗りづらかったですね。

結月ちゃんについてですが、個人的に勝手に推しを重ねてしまう。
仕事に忙殺されて満足に友達と遊べなかったタレント。つらい。
……でも、私の推しは、人懐こくて誰にでも愛想よくて学校でもすぐ友達できるんだ……人付き合いがうまくいかず有名人ステータスとしてしかすりよられないステレオタイプやだなあ。高校中退キャラを作るなんてハズしやって好感だったのにな、と思ってしまって自分のなかのリアリティーラインが整合できなかった。
そうそう、作品自体には性的視線がなくて心地いいのに、作中では女子高生の性的価値を当然に前提としていて本人たちも内面化してて、あまつさえ大人ポジションの吟までそういうこと言ってて倒錯がすごい……。
保奈美さんとかあの媚び媚びの色気で「恋愛に興味ない」とかさ! やってるのにさ!
そういう微妙に一貫しない作品でしたね……そう考えると南極行き切符獲得エピのありえなさも「地に足ついてるのにやっぱりそこちぐはぐじゃない?」と思えてくる。


ここじゃないどこかはどこにもない、夢見たどこかはただ現実の地続きだった。
辿り着いてしまえば幻想は霧散する。
「南極に来たら泣くんじゃないかって思ってた」って聞いたとき、えっそこまで言及するの? すごくない? って思った。
幻想の崩壊、現実は現実でしかないことを突きつけたのかと思ったから。が、ちがったな。

by jinloturu | 2019-01-30 13:38 | アニメ | Comments(2)  

少女☆歌劇 レヴュースタァライト

はい負けました!
えーん!
まだまだ新鮮なきらめきを持つのだよ、「女の子が女の子を愛するということ」の神話は。

求めて、求めて、たとえ困難な道でも光を信じて女の子を求めすがる女の子の姿。
たとえすべての物語が語り尽くされようとも渇望の再演はぜんぜん足りない。もっともっともっとちょうだい。
女の子よ女の子を求めて。私にその星を観劇させて。

癒される。失った私の心が癒されていく。女の子が女の子を愛するということの神話でしか救えない。
なぜいま百合を描いただけで喜ばれるかわかりますか?
観客が望んでいるからに決まってるだろ!!わかります!!!
飢えてるんだよまだまだ足りないんだよ語り尽くされてないんだよ女が女を求める物語はよ!!
古来どこにでも現れる男女の物語。BL・少年愛登場以前からずっと紡がれてきた男と男の物語。比較するまでもない。


過去の作品から少しずつ変わったところの最大の証は間違いなくキリンでしょうね。
物語に干渉しない他者としての男性表象はそれこそ『ユリ熊嵐』でもあった。
あの熊は無意味にさえ思われるカットで女熊同士の保健室いちゃらぶを遠目から欲望丸出しで「観察」していた。
『やがて君になる』の槙くんも。まんまキリンの相似ですね。
このキリンは最終話でそれを極限まで高めたと言っていい。
津田健次郎がすげえという話だ。


さっき「スタァライトの舞台はウテナの社会的役割メタファーのような強固な壁を描いておらず切迫感がない」みたいな批判を読んだけどこれは批判として隙がある。
「男がどうしても女と女を支配してくる」世界からの脱却をウテナが描いたからこそ、スタァライトの「男は存在してさえ百合に関わらない」コンセンサスまで辿り着いたのだから。
(それなのに今の世の中においてさえウテナが古いとは言い切れないのが悲しい話はさておき。)
他者が他者のまま据え置かれる安心感をこそ本作は描いている。それにしても他者としての男性表象は動物に変換されやすいというのは毒気抜きなのか……。(『ピンク・ラッシュ』とかも)



というわけで百合系譜としてはもうたまらなく最高でしたよと。

しかしその上でトータルこのアニメ好きではない。
初めからわかりきっている結末、予定調和。
それだけなら別にいい。予定調和だって演出次第でいくらでも盛り上がるし、実際その点では成功していると思う。
でもだからこそ、キリンの興奮やばななの絶望に同調できない。
ふたりが「誰にも予測できない運命の舞台」とつぶやくと同時に、容易に予測しうる予定調和な結末がちらつく。
視聴者を巻き込んだメタフィクションをやっておきながら、ひかりの登場や華恋の飛び入りそして化学反応を「予想外」と置く。視聴者はそれさえも予定調和だと知っているのに。
なんというか、中途半端感。
「再演にも一回性のきらめきがある」というテーマは、舞台ならぴったりだろうけど、オリジナルアニメでやるにはちょっと無謀すぎたんじゃないのか。
やるんなら同じ筋書きで一から作り直すくらいの挑戦が見えなきゃ。アニメがまさしく舞台版の再演として機能している、という話にはできるかもしれないけど。
物語は予定調和から逃れられない。「必ず予想外に出会う物語」としてばななの「こんなの初めて」を聞いてもなんの感慨も湧かない。


……とかなんとか言ったけど結局私は純粋ヒーロー無神経主人公が嫌いなだけ説が多分にある。
まひるに依存されてるのがわかってるくせに丸無視、邪険にもしないがフォローも言えないなぜならひかりちゃんで頭がいっぱいだから、でもヒーローなので一言声かければまひるを救ってしまう──イライラする!
依存心が強いキャラに肩入れしてしまうのだ。
あとはお寒いギャグ的うすいエピソード挿話が嫌いなので序盤で全然入れ込めなかった。
まあそれらも為すすべなく最終話で負けましたよ、完敗です、ええ。

そんなわけでCPとして好きなのはふたかおですね。
えっ大好きじゃん……お互い……大好きすぎるじゃん……相手にふさわしくなるよう背負うきらめき……。

by jinloturu | 2018-11-05 21:59 | アニメ | Comments(0)  

ズートピア

なんかこう……ディズニーは毎回「洒脱だなあ」という感想になる……。
面白いんだけど、すべての描写に余すところがなさすぎて、隙がなさすぎて、余剰と情感を愛する私は一歩引いてしまう。



いや、面白かった。
冒険譚はいつ見ても爽快。
ブルーベリーは最高だ。

あとアナ雪に対して「結局マイノリティはその特性を社会の役に立てることによってしか認められないのだ」とモヤっていたのでジュディが知恵や勇気によって夢を叶え事を成していく様はスカッとした、アップデートを怠らねえなあ。
まあこれも「役に立たねば認められない」と批判することはできるだろう。

公開当時から「差別反対者も無自覚に差別者になってすごい」くらいはネタバレがあり、このへんのネタバレは私にとって重大なので初見時の楽しみが充分に削がれてしまったため見てなかった。

のだけど、記者会見のシーン、泣いてしまった。

え、すごいと称賛していいのかこれ。
ネタバレなしで見てたら私も驚きと称賛をしていたかもしれない、でもこんなふうにジュディが責任を負わされてしまって、いいのかこれ。

大きな構造のもと、差別されつづけて、巨体動物に囲まれながら生活していて、あんなん慣れてなければ日常的に恐怖に脅かされているも同然なのに。(私は日本人女性の平均身長だけど、街中で幼子含む150cm以下の人を見るたびいつも怖くないのなら慣れだよなあと思う)
それでもニックにペンを渡して、そうだ信頼とは自らの一部を差し出す勇気からしか生まれないのだと感動したのに、構造に巻き込まれ、記者会見という圧力の場で草食動物たちに明らかな期待を発され、
清く正しくありたかったジュディさえもが大きな構造に負けてしまったがためにニックを傷つけることに泣いた。
「負けた」のだ、弱かったから「負けた」のだ。
その弱さはジュディが自分で引き受けなければいけない部分もあれば、そうでない社会や環境のせいもある。
だってあそこで力を誇示したニックを警戒しなかったら死ぬかもしれない世界にいるんだから。
そんな勇気のせいで死ぬのは弱い者だけじゃないか。ライオンなら怯えるわけがないのだ。
「負けた」ことを見ずに「ジュディも差別していた」描写をすごいと言えるのは欺瞞だ。

いや用意のない場では聞きかじった偏見をそのまま垂れ流してしまうという差別の再生産構造の描き方はうまいなと思った。

そして「生物学的に」!!!!きました!
これですよトラウマですよ得体の知れぬ生物学な。


しかしてっきりジュディも差別者だったというのは、より弱い動物を差別したのだと思っていた。強者差別か……。
差別というのは社会的構造からしか生まれないんだよ。
人種差別と見るなら「強者」ではないのかもしれないが1割の人種が残り9割を差別する歴史なんかそっくりそのままと考えると肉食動物差別は人種差別と重ならないよなあ。アメリカの人種構成の歴史はわかってないですが……。
マジョリティとマイノリティというのは数の多寡のみを原因とする言葉ではないし。食うことのできる強者性はどう考えてもひっくり返らないし。


しかし肉食動物なに食べてるんだろ。じゃぱりまんかな……(言いたかっただけ)

by jinloturu | 2018-06-19 01:37 | アニメ | Comments(0)  

あさがおと加瀬さん。(映画)

えーーーん。
泣いた。

原作は『あさがおと加瀬さん。』のみ既読。


ファンムービーだった。
どろっどろの甘い部分をこれでもかと凝縮する。
せめて「高校時代の一瞬」という軸を建てなおして不安を煽ってくれたらラストが引き立つのに!!
……と思ったけれどもうね、でもね、これでもいいのだ。ファンムービーで。
演出もわりとキラキラさせとけばいいだろ感あるけど、山田の頭から芽の漫画表現を映画に持ってくるのどうなのと思うけど、日なたと日影の対比すら有効活用してないけど(しなきゃいけないわけじゃないが)、いいのだ……。


あああー!
思春期一過性を描く作品じゃないことくらいわかってたけど!!
新幹線飛び乗りは!!!最高!す ぎ る!

どうしてもどうしても恋愛ものは温度差のある二者が最後に同じ想いを共有する展開に感動を覚えてしまいますねどうか共有してくれと願ってしまいますね……。
受動者が能動者になる瞬間を愛している。

山田のぽやぽや初恋が確固たる現実になった瞬間と考えるともう……加瀬さんの重たさがもう……
たかが高校生の恋だと、ましてやたかが思春期の女同士の恋だと、言ってくれるな。
よかった、山田がそういう呪いそういうクソみたいな現実に抑圧されないまま加瀬さんを選びとれて、加瀬さんを思い出にしないで、よかった……。
儚い恋を否定してからの固い絆だよあさがおえーーーーん。


あのねえ加瀬さんクッッッソ好み。
「ちょっと来て」とか手を引かれたすぎる家に招いたら押し倒されたすぎる山田その無防備なミニスカート部屋着はいかんでしょー!?
佐倉綾音さんの声まじでやばかったからこれ。迫られたいわ。

ボイ系ながら確実に女性寄りな見た目でおっぱい大きくて健康的な体つきで能動的でリードしてくれるけどLINEこなかったくらいでフられたと思う弱さがある女めちゃくちゃ恋愛対象なんですけど…………………………。

少女漫画の男の子にときめく女の子の気持ちが今やっとわかった……。別にヒロインの子とのカップリングを無視しているわけではないのだな……。

そして加瀬さんの性欲が大好きだよ。
なんか「加瀬さん完全に中身男子高校生(笑)」みたいな茶化し見てびっくりしたんだけど加瀬さんを男に回収すんじゃねえ。
性欲を男に回収すんじゃねえ。
好きな女を前にしてあらゆる期待をしてけしかける加瀬さんのなんとも愛らしいことか。
いけると思った瞬間を逃さない加瀬さんの。


あーー満腹、満腹です。

by jinloturu | 2018-06-19 01:36 | アニメ | Comments(0)  

リズと青い鳥

なんだかんだ京アニ好きだわ……山田さん……。

わたしねー!?
ひとりの人間を想う重てえ感情がどくどく描写されるの超絶弱いんですね!?
あー思ったけどもこういう方面の百合がほしいってずっとずっと思ってた。
相手への想いの重たさでつぶれてしまうような愛が百合でほしいって。
思春期特有のとかそういう言葉で埋もれないほどの、愛が、そして、報われる瞬間が。重たい愛が重たい愛で返される瞬間が。

同じ熱量で返される瞬間、というと、まだ私の願いは叶っていない。でもあんなにまで克明なみぞれの、誰にもわからない、いじましい、愛が。
大好きすぎる……………………




序盤からラストまで泣いていた。
アニメであった。映画であった。カメラの、色彩の、美術の、捉え方すべて。
つーか台詞最小限かつ画面でたっぷりの情緒を語る演出がめちゃくちゃ好きなんだよ????
だから日本アニメが好きなんだよ??????

希美のフルートが理科室のみぞれに反射するシーンよすぎるみぞれにとっては






……とここまで書いて二回目を見た。

傘木希美………………………………
傘木希美、傘木希美としか言えねえ。

ああもうすげえわかる。
こいつみぞれの愛を養分にしてやがる…………


あああ今わかったみぞれのオーボエが好きなのだけはほんとうのことだと思ってたあああああああ
あいつまじこの野郎だな!?!?養分!!!養分!!!
なんだろうなんだろうみぞれもいやあいやあさあ

あーーーーーーーーー

特別になりたい、特別になりたい、
麗奈は自分が特別になりたくて久美子も特別だった、
みぞれは希美だけが特別だった、
希美は自分が特別であることを確認するためにみぞれを利用し、しかしみぞれが自分よりも特別だと気づいたら閉じこめようとした。
この閉じこめようとした、のは、みぞれに追い越されたら自分が特別になれないから貶めようとしたのか?あなたはひとりで私はあなた以外にもいると主張することで。
みぞれには自分のことだけ見ていてほしいでないと自分が特別になれない他の子といないでほしいでないと自分が特別になれない。信じきれない。
音楽で追い抜かれているから、追いつこうとしても届かないってほんとうはわかってるから、せめてみぞれの視線を独占することでしか。
それも梨々花ちゃんの登場により揺るがされるこの行き場のねえというか二局同時に圧迫されることでしか籠の開け方を自分の欲望を知ることができなかった希美の頑なさよ。信じていられたのだこのときまでは。

あのね、オールオブミーの映画とオールオブユーの映画、という話が印象的なのですが、みぞれは完膚なきオールオブユーで、希美は8割方オールオブミーなわけですね。

いや二回め時点でほんとは10割だと思ってるんですけど希美が多少は他者としてのみぞれを希求していると思いたい気持ちもあり……。
というか、コミュニケーションが成立する以上は、100%自分あるいは100%相手というのはありえないし明確な切り分けはできなくて混ざりあっているものではある。
オールオブユーであってさえ、自分の全部が相手であっても相手の全部は見えない。

しかし個人的な昔の思い出で傘木希美(の一部)身に覚えがありすぎる…………ゆえにこいつにどんなに独占欲や不安が見えても全部自分のためにしか思えなくてつらい……。こういう見下し方やったよ……。
オーボエが好き、ほんとうの気持ちが1ミリもないまま言えることではないでしょう。
夕べに山登って「なぜ私に籠の開け方を教えたのですか」とは呟かないでしょう。

それでも籠を開けたのは希美ではないのだ。みぞれが自分で飛び立った。
他者としてのみぞれを愛して籠を開けることができるようになるためには90分では足りなかったのではないか。
オーボエが抜群に上手いというのはつまりみぞれは制御できない他者である、という諦めに似た発見だから。
中学生の頃から『リズと青い鳥』演るまで見ないようにしてきた間はまだ他者ではなかったと言える、と思う。

にしても希美は部活を離れてた間のみぞれの音に情感がなくなっていたことを知っているんだろうか……。
復帰してからそれとなく知って、自分でも気づかないうちに籠に押し込めるようにみぞれの愛を振り回すようになった。あなたにはわたししかいないけどわたしはあなただけでない、というメッセージを日々発信しつづけるようになった、と見る。
それがみぞれにとってつらいって知ってるくせにな……知ってるからこそな……。
「昔のこと」と殊更主張するのも自分は気にしてないアピールでその実すげえ気にしてるっていうあれか。


「『リズと青い鳥』ってさー私とみぞれみたいだよねー!」
(ふぐに餌やるみぞれに)「リズみたいだね!」
あああすげえ古傷いたい……超見下してるじゃんどういう意味か説明しなくていい圧倒的権力勾配のなかで自分の本音を織りまぜることができるわたしはあなたより上なのだとそのたび確認できる……たぶん昔そういうことやってた……。

理科室こそが鳥籠だったというね……気づけよ傘木希美……
でもラストの赤と青のように混ざりあっているんだろうな、ふたりともリズであり、青い鳥であると。





なんかサイコミステリーだった。
一見美しい純情な青春をくるんで圧倒させてくる映画かと思ったら徐々に明かされていく真実に寒気が呼び起こされしかもヒントはすでに埋め込んだ、探偵はきみだ、というような。

でもあんな希美のすべて(のガワ)が好きだというみぞれの感情感情および感情にはもう琴線大乱舞よあの初見の揺さぶられる感情の洪水だけでもこんなん好きに決まってる……。

by jinloturu | 2018-05-15 19:45 | アニメ | Comments(0)  

蒼穹のファフナーEXODUS

無印、ROL、HAE、EXODUS一気に見た、そのEXODUS分。
たぶん全部通しで一気見したのは二回め?かな?
時間の都合上ドラマCD・小説は今回はさらわず。

現時点のEXODUS感想。


・とりあえず最終話で剣司が「必ず帰るぞ、俺たちの島へ」って言ったとき無印2話の「これが俺たちの島かよ……?」の呆然を思い出してぶわっときた。一気見は中々できないけどこれがあるからやっておきたい。

・前回の一気見は一年前。なんとなく適度に機微を忘れているので無印から泣きどころ総涙。からから。

・「敵」。織姫ちゃんが芹ちゃん気遣って「敵」と呼ぶ。総士が「本当の敵」と断定するのは、ようやっと「敵」と呼べる存在ができたからなんだろうか?搭乗時は変性意識加わるとしても。ずっと戦いたかったしな。

・こないだファフナー初見の友人が「一騎より総士のほうが相手に対して愛を表現している」と言ったのがちょっと驚きだった。総士のほうが一人で煮詰めてると思ってたので。
でもサブテキストがないと一騎のこじらせ依存心って見えづらいんだな……特にEXODUSではそのへん昇華(受容)しちゃってるしな……って納得感。

・暉がウォルターさんを助けられなかったのは一騎とカノンの対比か。今回見てたらウォルターさんの死が唐突というか都合シナリオ通り感あるなあと思って。ビリーやエメリーのように死ぬために生まれたキャラだけど、主役級や主題に関わるわけではなくて暉のそして竜宮島のためのキャラだからかな。
自分で決めたから命令無視して人相手にした自爆を止めたカノン、自分で決めたから人相手にして自爆するウォルターさん。暉だって対話してたのに一騎にはなれなかった。まあウォルターさんの思考停止は1話で既に終了してるから……暉の関わる余地ないから……。
いや対話によって最期の場所を決めたたのだしむしろそのほうが暉にとっての残酷……。

・暉が、最期なのに、最期の最期だというのに、一騎の力なしでは海神島を守りきれなかったその非情さが好きで……。一度も一騎に勝てなかったし(剣司の勝負には乗ってた一騎も土俵に立たなかったし)、あそこでボロボロの体でしかも里奈なしで食い止められるような超人ではない。同化されなかったらリアリティラインが崩れてしまう。人類とフェストゥムがかつてなく混ざりあっていくEXODUSで、真矢ちゃんと同じように人類の限界を作品に刻んだのが暉だと思うのよね。スフィンクス型一体からも人を守れない無力感、好きな人を守るどころか逆に追い詰めて泣けなくさせてしまう、「総士が生きてる」にならない広登の死の拒絶。カノンのように凡人ながらも最前線で最大の希望を勝ち取ってくるわけでもなく、どこまでも裏返らない凡人の死。勝ちたいと思っていたのに9話でも来てくれてほっとしてしまうアンビバレントな感情で、最期にすら勝てなかった。勝負をさせなかった。それでも、それでも竜宮島ではなく、海神島を守っていなくなるっていう、人類愛に終わる暉の……。

・22話のボレアリオス参戦の絵面好きだな~~!相手がそこにいることを無視して人を殺しにきた人類と(「人類軍」というひとまとめのワードにはもうできない)、人類の戦法を学んで人の武器で人を守りにきたエウロス型の混戦!
HAEのエウロス型はフェストゥムがついにここまで人を理解したかという衝撃があったけど、もはや過去のこと。人とフェストゥムの境界線がごっちゃになったEXODUSの様相を表すよいシーン。

・ヘスターちゃんには真矢ちゃんに「一騎と世界どちらを選ぶの」的難題を突きつけてほしい、真矢ちゃんには世界を選んでほしい、もう選んでるけどきっちり本編で見せてほしい。私は「さよなら、一騎くん……」を決別だと思っているよ……(思いたいよ……)

・受容者である一騎が真矢ちゃんを理解してやらないのが納得いかなくなってきたんだよな。人類対フェストゥムが無印の一騎と総士なら、人類対人類がEXODUSの一騎と真矢ちゃんだ、っていうのは見当違いなのかな。そう見ちゃうから納得できないのかな。もはや一騎は人類と呼べるか怪しいのに。
一騎の、総士と親と珪素以外は庇護対象メンタルに否は突きつけられなくていいのか。
相互理解の作品でわかりあえなくていいと言ってくれたと思って感動したんだけど、一騎のスタンスで、「わかりあえない状態を認識してないなら理解も受容もしなくていい」っていうのは、いいのかね……いやいいって言うならいいんだそれもキャラクターの豊かさ作品の豊かさだと思って……。
ただ私はまだ一騎と真矢ちゃんの関係が変化する余地があるのが怖いだけなんだ。総士は真矢ちゃんとわかりあえずに死んでいったことを救いと思っている。

・やはりEXODUSは詰めこみすぎた。最終話の総駆け足感。が、過不足がない。ずるい。

・いらない登場人物がいない。それぞれのストーリーが要素ごとに進んでいくから、「最後ここに到達するために必要な要素を全体で割って逆算するとここに1エピソード入れるべし」的脚本の都合で話が展開するのが丸見えなのに、「それぞれが希望を信じ未来に辿り着こうとする」大筋がブレずに根幹としてあり、無印から積み上げて生きて成長してきたキャラクターのストーリーが大筋と奇跡の合致を果たしこうなるしかないという展開を迎えるので有無を言えない。

・EXODUS初見時はやっぱり感動の再会とか主要キャラの死の受容とか、そういうのをじっくり見たかったのよね。そしてどうしても一騎を軸に据えて見てたから。それでもそういう欲求の落とし所としての一騎と総士で締めるラストだから終わりよければなんとやら。

・真矢ちゃん、「誰かを助けるためにそれ以外の人たち全部を犠牲にできる人」、これ、未来の対話を守る決意をした『THE FOLLOWER2』以後も、守りたいものを守るエゴ時代と同じ台詞で通るんですね。だから読み取れなかったというかそこは本編では切り捨てられたのでしょうが。
自分が倫理に従ってると思ってたのに悖ることができてしまった、平和を捨てて人を殺せる人間だとわかってしまった。
特に対話と平和に信念を持っていた真矢ちゃんが、「遠見は僕らにとっての地平線だ」とまで承認してもらってた真矢ちゃんがね。行き場ねえんだよな~~~あいつら真矢ちゃんのこと日常象徴として見てる条件つき肯定しかしてないからな~~~~好き。だから全肯定の美羽なんだよ。
わかってしまったと言ったけど状況が異常なだけで別に普段真矢ちゃんが倫理的であることは否定されていない、平和と日常に戻れる選択だってまだあった、だけどもう、選んだのだ……。

・未だによくわからないんだけど先に竜宮島に戻ってこようとしたオルガさんたち、三機で戻ってきたよね?一機無人機か?カノンの「今日四人いなくなった、広登が……」の台詞と整合性がわからない。

・初見時16話冒頭はHAE劇伴『空上での選択』が流れた瞬間その壮大さのミスマッチ感に「あっオルガさんだめだ……」と察したのですがあまりそのへんの違和感を読み取れなくなってしまった。読み取れないからと言って死なないわけではなかった……。

・フェストゥムを「綺麗……」と言うのは定番化してますが、竜宮島を知ってしまった者が外に出て帰ってきて「綺麗」と呟くのは今回だからできたやつ……。楽園だよ。その深みがやっと感覚としてわかった気がする。

・なんか別にいいやと思ったこともあったけどやっぱ総士がまだ真矢ちゃんを好きなの納得いかねえからな!!!総士の人間らしさに恋愛感情を使うんじゃねえ恋愛感情を人間らしさと言うんじゃねえ!!!
「でもホモじゃないですよ」の目配せ予防線が私を殺す。21話の受容にどれだけ心を削ったか。

・竜宮島、ナレイン、ダスティン、ヘスター、グレゴリくん、それぞれの「希望」。無印10話は初見時あまり入りこめなかったけど見れば見るほどこんなに竜宮島を象徴するエピソードもない。広登が求めた希望と、そのずっとずっと前段階としての容子さんが放つ希望、「あなたたちが希望」と言ってしまうある意味非道な世界、希望の掘り下げがあった。それがさらに深まるEXODUSでありいやあ14話まじ非道だわ。

・やっぱりEXODUSは12話がいちばん好きだなあ。戦場の子供たち……梶さんの名演から、『人類が求めたもの』?が流れて竜宮島の子供たちへと繋がる流れが変わらず最高……。3話エメリーの「これで戦えるよ」がひっくり返る瞬間。

・初見無印24話でソロモンが応答したとき疲弊したんですね。あんなに奪われてまだ奪われるのかと。戦わねばならぬのかと。そしたらミョルニアと甲洋(スレイブ型)が戦ってくれたわけで心からほっとしたことを覚えている。
初見時のEXODUS15話の疲弊、種類が違う。奪い奪われ乱戦絶望やるせなさを20分見せられたのに、あると思っていた救いがなかった。ダッカ基地はダスティンに奪われていた。からの操ですよ。未来の希望にしか救いがないEXODUS。だから今を削るしかない。

・「たとえ苦しみに満ちた生でも、僕は存在を選ぶだろう もう一度お前と出逢うために」
「苦しみに満ちた生でも存在を選ぶ心 それが僕らを出逢わせる」
どう考えても見合うものではない苦しみと出会いを同等とする、っていうニュアンスが好きなんだと思う。お前に出会えたから苦しみ全部帳消し!チャラ!じゃない。苦しみを美化しない、苦しみは苦しみであり、正面切って迎えた上で、そこまで苦しんで存在を選ぶ価値はお前であると。
無印では二人称お前で、EXODUSでは僕がいてお前がいることを前提とした一人称「僕ら」への変化は言うまでもなく重要であるてか有り体に言えば最高。

・18話総士が一騎を守ったとこで号泣した……。読み取りうるかぎりの異性愛描写を拾いながら見てたからふいに「こいつすげえ一騎好きだな……」に出会ってしまうと泣く……。
ブックレット読み直したら総士普段人間の体とはっきり書かれてるからやっぱ死なないことを計算して身を挺したわけじゃなくてすべてをなげうって庇ったってことか。覚悟が違うぜミナシロ……。

・14話溝口さんの「こっちも家に帰るためさ」にナレインが押し黙った、そして「……進もう!」となるの、竜宮島と世界の差があらわになる。直後真矢ちゃんが「みんな帰る場所を探してる」と言う構成にぐっとくる。

・死期悟ったカノンの最期の日全般声がやばい

・ハイデガーの死への先駆的決意の話だよな。すると「EXODUS」とは豊かな響きである、誰も死からは逃れられない。一騎の存在への執着を散髪でさらっと断ち切ったの称賛するしかない。
英雄、あらゆるしがらみからのEXODUSとしての英雄だったのでしょう、死の恐怖からも逃れたのでしょう、でも総士は怖いと言ったんだというのを大事に先駆的決意を考えたい。

・一騎の心理描写を象徴性散りばめで押しきったの、尺の都合ではあろうが、視聴者全面信頼で大好き。まあその分わかってないこともあるんだろうなあとは思うんだけど。桔梗については消化したけど、この記事なんか読みづらいな……。

・放送当時見た感想で「最後に史彦が人を撃つなと言ったのがっかり人に襲われてるのに今さらそんな綺麗事かよ」というのを覚えている。怒りと焦燥で。冷笑主義はこういう人よねと。世界は綺麗でないからこそ綺麗事を言うことに価値があるのに。史彦が言う意味と深みを読み取れと言うのはもしかしたら難しいかもしれないし、人類から隠れてきたから竜宮島だから言えただけじゃんと人類軍が非難するならわかるけどね。

・総士のモノローグの響きが初見時と全然ちがって聞こえる。(ポエムと言うのもいまや憚られるけど二人称だからモノローグとも微妙にちがう、レコードボイスとかボイスメモとか……しっくりこない)戦々恐々ではない、決意と記録と穏やかな緊張感。
BEYONDではまた別の響きを与えられるのだろうな。歴史はつねに今によって評価される、総士が歴史になっていくというの、キャラクターが生きていて大好き。

・親というのは抑圧だな。『THE FOLLOWER2』がなくても思う。「もし君がこの機体と出会うなら、それが君の運命となる」、やばいだろ。運命全面受け入れ態勢のファフナーで運命に抗うこそうしは確定ぽいので期待大なんですが。(でも受け入れるんだろという安心感……と言っていいのか)

・12話冒頭で織姫が「それでも命すら守られない人々に比べれば希望に満ちている」、ああなんか、今ならわかる、そうだなって思った。
放送当時の恐怖は「また誰かがいなくなる」不穏さだったんだな。ゴルディアス結晶とエインヘリアルモデルの恩恵を受けた命は死守してくれた。

・ていうかエインヘリアルモデルのおかげでBEYONDで死を描くのは難しくなった……よね。いや核汚染世代とベテランパイロット勢すなわち視聴者の愛着あるキャラたちは依然として危ないんですが……。海神島に持ってきた竜宮島ミールの大気も長くはもたないと明言されてるしいよいよもって史彦が。
そしてザインとニヒトはコンバージョンできないわけで総士と美羽は…………。別に難しくなってねえな。

・って書いて思ったけど一騎生まれ変わってなおかつエインヘリアルモデル乗るならぜんぜん長生きするな……私は一貫してはよ祝福の彼方で会ってくれと願っているがやはり総士を看取りつづける運命なのか……。

・甲洋がほとんど「守るよ」しか台詞与えられなかったの残念だから空白の三日間の話ほしいなあ。平和企画進んでますのかね。

・「重要なのはパイロットたちの意思か」がやっと染み入る。今回所々やっと理解が進んで受け入れられてる気がする。

・カノンが消えた楽園で里奈が彗に「呼んでよ!」と言ったときハッとすがるように振り返る剣司と咲良がすげえいい、すげえつらい……

・生まれ変わる。総士を受容(理解)するため母胎から生まれ直した無印15話、命の使い道(を探すこと)を選んだEXO24話。一騎は二度変化した。んだなーと。ぼく地球最終話ではこれまでと180度違う思考・感性の自分になることを生まれ変わると表現したが、一騎はいつだって物理変化する。

・受け入れてからが本番のファフナーが好きだ。「生きる意味役割を受け入れた時こそが幾度幾度となく訪れるスタート」、よい。

・9話と21話の『その時、蒼穹へ』が全然違って聴こえるのすごいよな。通しで見るとEXODUS、戦闘BGMにangela使い倒しすぎでしょってなるけど、ここだけは……。同じ音源のはずなのに泣きが入ったような切なさがある。あと22話冒頭の『DEAD OR ALIVE』の入りもめちゃくちゃアガる~~~~~!!すき

・でも初見時の18話OPのテンションは二度と味わえないだろうなあ。「痛い 痛い 痛い 君と蒼穹へFly」の痛みももう思い出せない。

・でも「命をやり直すために」でゴルディアス結晶映したときはなるほどな?って感じだったけど、ふつうにそのままの意味でしたね……ゴルディアス結晶にならせねえぞ苦しみに満ちた生をやり直せよ……。

・旅のおわり、なんだ弓子寝るんかな?って思ったんだけど、ブックレットにはっきり「睡眠もせず」とあるから目とじてただけか。マスクなし。

・エメリーと美羽が輸送中ほんとにずっと離れてるからなんかかなしい。近くにいるときは「怖いよママ!」じゃなくてエメリーにすがるようになっていく過程が見える……まあどちらも失うけども……。

・やっぱり全26話でいちばん「小憎い」のは芹織ですよね……。織姫ちゃんは「いちばん希望に満ちた未来」以降は透視できなかったということでしょうか……。

・ついでに唐突にBEYONDのティザーとPVの話なんですけどやはり謎。一騎がアインに乗ってる時系列はどこ。
ティザー見た感じ「ザイン搭乗美羽→恐らくアイン搭乗一騎→ザイン搭乗一騎」なので一旦アイン乗ってザインに乗り換えるのかな?という印象も受けるけどザイン搭乗→ザイン引退、アイン搭乗へつながるほうが自然だし。

・順当に考えれば海神島にあるはずのニヒトにシナスー着た総士が対峙してるのも謎。なんかもう劇場版ならいいんですけどこれでまた2クールとかで奪還された総士が運命と出会ってまたフェストゥムに痛みを負わせに行くシーンだったらどうしよう。そうとしか見えない。

・ハア~~~~~21話以降異性愛になるまいか気が気でない一ヶ月にわたる消耗狼狽なんかもう経験したくねえんだよ~~~~~殺すなら劇場で一思いに殺せ。




はい。
久しぶりにファフナータグ使えたー。(コミカライズ6巻の感想書いてないので……)
ファフナー面白いな……。
ファフナー面白いね……。

by jinloturu | 2018-03-19 18:50 | アニメ | Comments(0)  

プリティーリズム・レインボーライブ

51話完走できるくらいには面白かった~!
1年ものという長尺作品で、常時誰かしらのなにかしらの物語が同時進行していて、飽きさせないアニメでした。
子供向けに平易な展開を重ねながら描かれるテーマは大人が退屈するものでもなく、バランスよく開かれた作品という印象。
なにより編集がうまい!
後半にいくほど感覚がつかめてきたのか「これくらい詰めこんでも大丈夫」といったぐあいに平気で5つくらいの物語が進行する。
3、4台詞やりとりしてすぐ場面転換、みたいなの多用して混乱させない手腕がすげえよ。
主人公が7人という触れ込みもだてではない。


キャラ紹介と掘り下げが一通り終わる1クールめ終了時、おとはちゃんのべる様信仰と強い信念にすこし心が揺らいだくらいであとは特に惹かれる子もいなかったので誰に肩入れすることもないかなあ~と思ってたけど気がついたらわかなちゃんのことずっと気にしてた。これは恋。
ままあることですが最初にドン引きした子に結局いちばんハマっちゃうのよね~。
初登場時は「えっこの子メインになる子?サブキャラでなく?やだな……」と思った。

のに!
自身が失敗の許されない家庭で育ち完璧主義者でありながらべるちゃんを助けるために存在価値でもあったろう頭のよさを下げる場を設けてまでべるママに自分のテストの点数を晒し……わざとお嬢様感を消すためかわいかったおろしてた髪を結いあげるというべるちゃんへの愛を惜しまず……
父親がショーに来てくれると知ったときのご機嫌がかわいかった……
それでラストだよ!!7連続ジャンプに挑戦だよ!!!
泣くでしょ……失敗を怖がって2連続が跳べなかったわかなちゃんが……!
いちばん驚いたしいちばん感動したシーンでした。。
言い訳をしないんだよなあ気遣いができすぎてるから損な役回りなんだよなあ。
あんちゃんだって気づけないわかなちゃんの愛に、ほんとに、べる様が気づいてよかった……。
べる様の「愛してる」は最高だった。



しかし家族問題これはどうなんだろうか。
涼野家神浜家のいざこざ、なるほどほどよい重さできたなと思ったんだけどこれほど物語的に解決しやすい問題でこんな微妙な気持ちになるとは思わなかったぞ……。
子供の人生、子供自身の固有性が大事だってもっと強調してよ……親に振り回された子供が親の人生・言動と重なると知って子が感動って意味がわからないよ……親も苦悩の胸のうち子に明かしちゃだめでしょこらえろよ押しつけになるんだよ……。
わかパパべるママが子を愛してたからってなんだというんだちゃらにはなんねえよ、「子供を愛してない母親がいますか」、いるんだよ。
森園家の力関係もこれで解決しちゃだめでしょ。
それぞれ子供の個を蔑ろにする問題が提示されているのに全然個が大事だと対抗されてない。

ここに関しては「子供向けだから」で許しはしないぞ。まさにいまこの手の問題に直面している子供が見るかもしれないんだ。


あと神浜コウジに勝手な怨念を感じる。
長髪で甘めのルックスでCV.柿原徹也でギタリストで困ってる女の子に素で手助けしてマメに連絡とってくれてそれでいて「え?俺のこと好きなの?」とかすっとぼけそうで料理ができて日中ふらふらしててなにやってるか不明で暗い過去がいくつか翳ってる男、絶対ヤリチンじゃん……(偏見)
トラウマちらつかせて好意搾取しつつヒモやってそうなのに純情ぶってて、ちょっと背伸びしたいうぶな中学生いとちゃんを釣ってる感が許せねえ(勝手)
この二人のロマンスの経緯が謎すぎて「えっなんでくっついた??」となるからよけい憎しみだけ募りそれで愛の障害を乗り越えてもな。


りんねちゃんとなるのランデブーと別れ、これは女児の性癖の土台をつくるやつでは?
これやってもいいんだ~と。
りんねちゃんのこともっと知りたかったな。
ジュネ様すげえ声になじみがあってかわいいなと思ったらおんぷちゃんの人だった!
このふたりのバトルもっと掘り下げて見たかったな~~!!
別々の愛を知り愛に生きる対比をおいてほしかった。
様々な愛を描こうとする挑戦は認めるがいまひとつ力不足の感。

ヒロはだいぶ愛らしかった。

プリズムショーの曲はわりとどれも好き。
おとはちゃんソロとハッピーレインの曲が好きかな。べるちゃんの低音ボイスが他の子と混ざるときの調和ぐあいもいい。(というかべるちゃんの長髪ビジュアル・キャラで低音の声優さんあててくれたことはだいぶ信頼できる)
ヒロとかカヅキがショーやると異次元感炸裂するくせに女の子のプリズムショーそれほどはっちゃけてなくて、なんで??女はおしとやかにってか??とちょっとフラストレーションあったけどどんどん皮がむけていって安心した。ラスト数話の炸裂はよかった。

by jinloturu | 2017-10-04 17:16 | アニメ | Comments(0)  

KING OF PRISM -PRIDE the HERO

人に誘われて応援上映初体験してみた!
きっと私の好みにリーチしない気がするけど異文化勉強流行のキャッチ友達の好みの理解、食わず嫌いはよくないな~と思ってせっかくの機会なのでのった。
まあ最悪つまんなくてもあらゆるユニットや舞台の観客の嗜み方相違に興味があるのでそこは楽しめるだろうな~と思ってた。


結果想像どおりに想像どおりの感想を得る体験でしたね。


えっなんなん場面転換に着いていけない叙情がなさすぎるこれ考えて見ちゃだめなやつかな? あっやっぱ脳をからっぽにして楽しむやつなんだな あっでも無理私そういう楽しみ方できない 考えさせてほしい でもわかんなくていいやつだ どうしよう 事前知識がほぼないけど万端にするほどの労力を割くほどの興味もなかったけど予想どおりこのざまである 叙情がなさすぎるのになんでこれを何十回もリピートする人がいるの?(あとで冷静になったけどリピーターの有無に叙情の有無は関係ないな) えーん男性アイドルに全くときめけないよー

とりあえずわかる範囲で場面の理解をしようとしたら全然色替えに意識回す余裕がない。
まあ通常上映見たところでわからないのは同じだからいいけど。


これでも頑張ってときめくポイントを探そうとしたんだけどそもそも男性のダンスのどこに魅力があるのかわからない……そこまでは言いすぎだけど……。
唯一シンくんのときはちょっとかわいくてよかった。
あとルヰくんみたいなキャラは嫌いじゃないわりと好き。

パフォーマンスがインフレしている。
いかにぶっとぶことができるかレースみたいになっててちょっと冷めてしまった。
なんかもうちょっとキャラのバトルやライバルへの想いとか心情に寄せてそこから湧き出るパワーを表現するのかと思いきや乖離してるんだな~。



応援は面白かった!
ある種のコードがあってテンプレがあって時おり変化球があって適度になごんで各々好きなように応援していて、映画館というそこそこ声が通る密室で上がる観客の声の張り加減が好きだわ~。
あとで聞けばわりとよい雰囲気の上映回だったとのこと。
ペンラ芸とか「あるよね~!」ってテンションが上がった。
あとうしろの席の人がうちわ持ってて、『修羅場』うちわのシーンで扇ぐものだから涼しくて笑った。


あとこれ驚いたんだけど応援上映前提の作品なのにコール曲が!!ない!!!
コールできない!してない!
私は特に声を出さずにキンブレ振ってただけだったけど一応アイドル現場ではコールmix多少はするのでわかりやすいコール曲があれば参加したかったかな~。
まあ新曲とかじゃなくて既存曲に物語があるらしいので仕方ないか。


とりあえずこれまでプリティーリズムを見てきた人にとっては情報がふんだんにあるらしいしプレゼンにも惹かれるところがあったのでレインボーライブを見てみる。
異文化を体感できてよかった!

by jinloturu | 2017-10-04 17:14 | アニメ | Comments(0)  

蛍火の杜へ

だめだって私こういうのめちゃくちゃ弱い……!!

アニメをみる。
ひっさしぶりに「少女漫画っていいなあ!」と思った。
こういうのだよね。
恋愛ものってこういうのだよ。私が求めてる恋愛描写ってこういうのだよ。

なんか今も書きながらずっと泣いてるんだけどなんでこんなに……弱い……。

ギンが消えることは最初から予想がつく。
変な小細工もなく、おじいちゃんへの説明どうしてたんだとかにも突っ込まず、話をむりに膨らませることなく、蛍の日常描写すら最小限に、ただふたりで過ごす夏を丁寧に叙述した。
それだけのことの上手さときたら。


序盤の攻防。
触らないでね。
夏のマフラー。
同級生の男の子。
あと3年。
人混みをかきわけて。
本望だ。

こういう些細なひとつひとつを描写というんだ!
祭りとかさりげない伏線が生き生きしてる。

お互いどれほど触れたかっただろうとか、きっとギンは毎年蛍に忘れられることを怖れながら待ってたんじゃないかとか、あらゆる一切を省くからこそ些細な描写から想像をかきたてられる。
うっまいなあ……。

蛍の同級生の男の子がきっちり必要程度の役割しか果たさなかったのがよくて。
例えば蛍が女友達の話をギンにしてて、ちらとその男の子の姿を思い浮かべるんだけどなぜか後ろ暗くて隠して、察したギンが「男は?」と聞いたりして微妙な空気が生まれるとか、凡な作品ならそうしてる。
会えない、流れる時間が違う、触れられない、ふたりの間にあるのはそれだけなんだよ。
物理的な遠距離すら装置に過ぎない。遠いことそのものは問題にされてない。(だからこそ、遠さに馳せる想像が膨らむ)
ふたりにあるものは「恋愛」かもしれないけど、「恋愛」を意識させると、この作品のシンプルさゆえの哀切がぼやけて壊れてしまう。
それだけ繊細なんだ。

大好きな作品になった……。

by jinloturu | 2017-09-16 19:00 | アニメ | Comments(0)