ズートピア

なんかこう……ディズニーは毎回「洒脱だなあ」という感想になる……。
面白いんだけど、すべての描写に余すところがなさすぎて、隙がなさすぎて、余剰と情感を愛する私は一歩引いてしまう。



いや、面白かった。
冒険譚はいつ見ても爽快。
ブルーベリーは最高だ。

あとアナ雪に対して「結局マイノリティはその特性を社会の役に立てることによってしか認められないのだ」とモヤっていたのでジュディが知恵や勇気によって夢を叶え事を成していく様はスカッとした、アップデートを怠らねえなあ。
まあこれも「役に立たねば認められない」と批判することはできるだろう。

公開当時から「差別反対者も無自覚に差別者になってすごい」くらいはネタバレがあり、このへんのネタバレは私にとって重大なので初見時の楽しみが充分に削がれてしまったため見てなかった。

のだけど、記者会見のシーン、泣いてしまった。

え、すごいと称賛していいのかこれ。
ネタバレなしで見てたら私も驚きと称賛をしていたかもしれない、でもこんなふうにジュディが責任を負わされてしまって、いいのかこれ。

大きな構造のもと、差別されつづけて、巨体動物に囲まれながら生活していて、あんなん慣れてなければ日常的に恐怖に脅かされているも同然なのに。(私は日本人女性の平均身長だけど、街中で幼子含む150cm以下の人を見るたびいつも怖くないのなら慣れだよなあと思う)
それでもニックにペンを渡して、そうだ信頼とは自らの一部を差し出す勇気からしか生まれないのだと感動したのに、構造に巻き込まれ、記者会見という圧力の場で草食動物たちに明らかな期待を発され、
清く正しくありたかったジュディさえもが大きな構造に負けてしまったがためにニックを傷つけることに泣いた。
「負けた」のだ、弱かったから「負けた」のだ。
その弱さはジュディが自分で引き受けなければいけない部分もあれば、そうでない社会や環境のせいもある。
だってあそこで力を誇示したニックを警戒しなかったら死ぬかもしれない世界にいるんだから。
そんな勇気のせいで死ぬのは弱い者だけじゃないか。ライオンなら怯えるわけがないのだ。
「負けた」ことを見ずに「ジュディも差別していた」描写をすごいと言えるのは欺瞞だ。

いや用意のない場では聞きかじった偏見をそのまま垂れ流してしまうという差別の再生産構造の描き方はうまいなと思った。

そして「生物学的に」!!!!きました!
これですよトラウマですよ得体の知れぬ生物学な。


しかしてっきりジュディも差別者だったというのは、より弱い動物を差別したのだと思っていた。強者差別か……。
差別というのは社会的構造からしか生まれないんだよ。
人種差別と見るなら「強者」ではないのかもしれないが1割の人種が残り9割を差別する歴史なんかそっくりそのままと考えると肉食動物差別は人種差別と重ならないよなあ。アメリカの人種構成の歴史はわかってないですが……。
マジョリティとマイノリティというのは数の多寡のみを原因とする言葉ではないし。食うことのできる強者性はどう考えてもひっくり返らないし。


しかし肉食動物なに食べてるんだろ。じゃぱりまんかな……(言いたかっただけ)
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# by jinloturu | 2018-06-19 01:37 | アニメ | Comments(0)  

あさがおと加瀬さん。(映画)

えーーーん。
泣いた。

原作は『あさがおと加瀬さん。』のみ既読。


ファンムービーだった。
どろっどろの甘い部分をこれでもかと凝縮する。
せめて「高校時代の一瞬」という軸を建てなおして不安を煽ってくれたらラストが引き立つのに!!
……と思ったけれどもうね、でもね、これでもいいのだ。ファンムービーで。
演出もわりとキラキラさせとけばいいだろ感あるけど、山田の頭から芽の漫画表現を映画に持ってくるのどうなのと思うけど、日なたと日影の対比すら有効活用してないけど(しなきゃいけないわけじゃないが)、いいのだ……。


あああー!
思春期一過性を描く作品じゃないことくらいわかってたけど!!
新幹線飛び乗りは!!!最高!す ぎ る!

どうしてもどうしても恋愛ものは温度差のある二者が最後に同じ想いを共有する展開に感動を覚えてしまいますねどうか共有してくれと願ってしまいますね……。
受動者が能動者になる瞬間を愛している。

山田のぽやぽや初恋が確固たる現実になった瞬間と考えるともう……加瀬さんの重たさがもう……
たかが高校生の恋だと、ましてやたかが思春期の女同士の恋だと、言ってくれるな。
よかった、山田がそういう呪いそういうクソみたいな現実に抑圧されないまま加瀬さんを選びとれて、加瀬さんを思い出にしないで、よかった……。
儚い恋を否定してからの固い絆だよあさがおえーーーーん。


あのねえ加瀬さんクッッッソ好み。
「ちょっと来て」とか手を引かれたすぎる家に招いたら押し倒されたすぎる山田その無防備なミニスカート部屋着はいかんでしょー!?
佐倉綾音さんの声まじでやばかったからこれ。迫られたいわ。

ボイ系ながら確実に女性寄りな見た目でおっぱい大きくて健康的な体つきで能動的でリードしてくれるけどLINEこなかったくらいでフられたと思う弱さがある女めちゃくちゃ恋愛対象なんですけど…………………………。

少女漫画の男の子にときめく女の子の気持ちが今やっとわかった……。別にヒロインの子とのカップリングを無視しているわけではないのだな……。

そして加瀬さんの性欲が大好きだよ。
なんか「加瀬さん完全に中身男子高校生(笑)」みたいな茶化し見てびっくりしたんだけど加瀬さんを男に回収すんじゃねえ。
性欲を男に回収すんじゃねえ。
好きな女を前にしてあらゆる期待をしてけしかける加瀬さんのなんとも愛らしいことか。
いけると思った瞬間を逃さない加瀬さんの。


あーー満腹、満腹です。
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# by jinloturu | 2018-06-19 01:36 | アニメ | Comments(0)  

リズと青い鳥

なんだかんだ京アニ好きだわ……山田さん……。

わたしねー!?
ひとりの人間を想う重てえ感情がどくどく描写されるの超絶弱いんですね!?
あー思ったけどもこういう方面の百合がほしいってずっとずっと思ってた。
相手への想いの重たさでつぶれてしまうような愛が百合でほしいって。
思春期特有のとかそういう言葉で埋もれないほどの、愛が、そして、報われる瞬間が。重たい愛が重たい愛で返される瞬間が。

同じ熱量で返される瞬間、というと、まだ私の願いは叶っていない。でもあんなにまで克明なみぞれの、誰にもわからない、いじましい、愛が。
大好きすぎる……………………




序盤からラストまで泣いていた。
アニメであった。映画であった。カメラの、色彩の、美術の、捉え方すべて。
つーか台詞最小限かつ画面でたっぷりの情緒を語る演出がめちゃくちゃ好きなんだよ????
だから日本アニメが好きなんだよ??????

希美のフルートが理科室のみぞれに反射するシーンよすぎるみぞれにとっては






……とここまで書いて二回目を見た。

傘木希美………………………………
傘木希美、傘木希美としか言えねえ。

ああもうすげえわかる。
こいつみぞれの愛を養分にしてやがる…………


あああ今わかったみぞれのオーボエが好きなのだけはほんとうのことだと思ってたあああああああ
あいつまじこの野郎だな!?!?養分!!!養分!!!
なんだろうなんだろうみぞれもいやあいやあさあ

あーーーーーーーーー

特別になりたい、特別になりたい、
麗奈は自分が特別になりたくて久美子も特別だった、
みぞれは希美だけが特別だった、
希美は自分が特別であることを確認するためにみぞれを利用し、しかしみぞれが自分よりも特別だと気づいたら閉じこめようとした。
この閉じこめようとした、のは、みぞれに追い越されたら自分が特別になれないから貶めようとしたのか?あなたはひとりで私はあなた以外にもいると主張することで。
みぞれには自分のことだけ見ていてほしいでないと自分が特別になれない他の子といないでほしいでないと自分が特別になれない。信じきれない。
音楽で追い抜かれているから、追いつこうとしても届かないってほんとうはわかってるから、せめてみぞれの視線を独占することでしか。
それも梨々花ちゃんの登場により揺るがされるこの行き場のねえというか二局同時に圧迫されることでしか籠の開け方を自分の欲望を知ることができなかった希美の頑なさよ。信じていられたのだこのときまでは。

あのね、オールオブミーの映画とオールオブユーの映画、という話が印象的なのですが、みぞれは完膚なきオールオブユーで、希美は8割方オールオブミーなわけですね。

いや二回め時点でほんとは10割だと思ってるんですけど希美が多少は他者としてのみぞれを希求していると思いたい気持ちもあり……。
というか、コミュニケーションが成立する以上は、100%自分あるいは100%相手というのはありえないし明確な切り分けはできなくて混ざりあっているものではある。
オールオブユーであってさえ、自分の全部が相手であっても相手の全部は見えない。

しかし個人的な昔の思い出で傘木希美(の一部)身に覚えがありすぎる…………ゆえにこいつにどんなに独占欲や不安が見えても全部自分のためにしか思えなくてつらい……。こういう見下し方やったよ……。
オーボエが好き、ほんとうの気持ちが1ミリもないまま言えることではないでしょう。
夕べに山登って「なぜ私に籠の開け方を教えたのですか」とは呟かないでしょう。

それでも籠を開けたのは希美ではないのだ。みぞれが自分で飛び立った。
他者としてのみぞれを愛して籠を開けることができるようになるためには90分では足りなかったのではないか。
オーボエが抜群に上手いというのはつまりみぞれは制御できない他者である、という諦めに似た発見だから。
中学生の頃から『リズと青い鳥』演るまで見ないようにしてきた間はまだ他者ではなかったと言える、と思う。

にしても希美は部活を離れてた間のみぞれの音に情感がなくなっていたことを知っているんだろうか……。
復帰してからそれとなく知って、自分でも気づかないうちに籠に押し込めるようにみぞれの愛を振り回すようになった。あなたにはわたししかいないけどわたしはあなただけでない、というメッセージを日々発信しつづけるようになった、と見る。
それがみぞれにとってつらいって知ってるくせにな……知ってるからこそな……。
「昔のこと」と殊更主張するのも自分は気にしてないアピールでその実すげえ気にしてるっていうあれか。


「『リズと青い鳥』ってさー私とみぞれみたいだよねー!」
(ふぐに餌やるみぞれに)「リズみたいだね!」
あああすげえ古傷いたい……超見下してるじゃんどういう意味か説明しなくていい圧倒的権力勾配のなかで自分の本音を織りまぜることができるわたしはあなたより上なのだとそのたび確認できる……たぶん昔そういうことやってた……。

理科室こそが鳥籠だったというね……気づけよ傘木希美……
でもラストの赤と青のように混ざりあっているんだろうな、ふたりともリズであり、青い鳥であると。





なんかサイコミステリーだった。
一見美しい純情な青春をくるんで圧倒させてくる映画かと思ったら徐々に明かされていく真実に寒気が呼び起こされしかもヒントはすでに埋め込んだ、探偵はきみだ、というような。

でもあんな希美のすべて(のガワ)が好きだというみぞれの感情感情および感情にはもう琴線大乱舞よあの初見の揺さぶられる感情の洪水だけでもこんなん好きに決まってる……。
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# by jinloturu | 2018-05-15 19:45 | アニメ | Comments(0)  

世田谷シンクロニシティ/本郷地下

目新しいな。目新しいね。
でも5chのバイスレのテンプレに載ってるんだなこれ。性欲と恋情の分離。
目新しさ抜きに面白いかといったらそんなにかな。

でも「本当はゲイだった」に回収せず「今まで好きになった子も本当に好きだった」はほっとした。
そうだよね。
そして『彼女とカメラと彼女の季節』しかり同性に感じるのは性欲である。異性愛と同性愛の等価性は同性にのみ性欲を覚えることで説得される。

女という記号、男という記号、自分の枠組み、なにを見て男と認識してるのか、そこを突いたのはよかった。
変わってもいいし、変わらなくてもいい、流動的であることを認めるあたたかさ。
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# by jinloturu | 2018-03-26 03:05 | BL漫画 | Comments(0)  

世界で一番、俺が○○4巻/水城せとな

めっちゃくちゃ面白えな!!!
最高!!

水城せとなは欲望と良心で身を滅ぼす恋愛関係描かせたら天下一品である。


「欲望」一点ではないんだ。
そんなに人間露悪的に生きられないんだ倫理社会に身を置く以上良心からは逃れられないんだ、水城作品にサイコパスは絶対出ない。
しかし醜い欲望も情けの良心も持ち合わせているからこそ弱点をあらわにして絡めとられて潰えていくという……
「痴情のもつれ」とか「昼ドラ展開」とかの中身はこれだ、見よ、人間の感情はかように絡み合うんだ。

いや~~最高ですね。
はっはー刃傷沙汰!どこまでがミスリードだ。
死んではない……と思うんですよね。
むしろその先にもっと不幸があるんじゃないかと……どうですかね……。
ていうかアッシュは自分の欲望のために動いてるんだろうかね……。
まあだから耐えきれず遠回しにたろに手の内さらしていったのかどうなのか。

ヤリチンミソジニーの言語化めっちゃ好きなんですよね。
女の自分勝手な欲望も。これこれ、『カカフカカ』もこれくらいやってくれ。
リカちゃんも好き。
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# by jinloturu | 2018-03-26 03:03 | その他漫画 | Comments(0)  

なぜ備さんはいつもいやらしいことばかり想定して危機管理しているの?1巻/まいたけ

はーーーーーーい!!!!!!!!
さいっっっっこう!!!!!
これ!!!わたしは!!!これ!!!


望んでたよこういうのを私は待ち焦がれていたよちょっぴりエッチな正統ラブコメ百合!!!!!!



うそごめんけっこうエッチなエロコメがいちばんの望みです……けど……。

『将来的に死んでくれ』も『世界で一番おっぱいが好き!』もね、好きなんですよねああいう下ネタとも言いがたいあけすけ性欲ギャグ……。

でも私はそこからセックスと恋愛感情に発展してほしいんだその一線を越えてほしいんだほだされてほしいんだそうBLのようにな。

この作品もそこまでいかないんだろうな~ギャグに留まるんだろうな~しゃーねーなでも好きだろうな~と思いながら買ってみたところの、あの、ハプニングキス!!!

百合川さん恋愛感情ナイナイと切り捨てたところに作品の意思を感じて残念がった矢先の意識!!
はーーーい約束された百合の道!!くっついてくれ!お願い!リアルセックスまでは望まないから!!

妄想内では裸で寝転がるだけみたいにごまかさずきちんとちゅーしてセックスしててそこだけでもかなりいただける話よ。
しかし「ガチレズ」は思ったより消費目線の単語でやだな。
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# by jinloturu | 2018-03-26 03:02 | 百合 | Comments(0)  

蒼穹のファフナーEXODUS

無印、ROL、HAE、EXODUS一気に見た、そのEXODUS分。
たぶん全部通しで一気見したのは二回め?かな?
時間の都合上ドラマCD・小説は今回はさらわず。

現時点のEXODUS感想。


・とりあえず最終話で剣司が「必ず帰るぞ、俺たちの島へ」って言ったとき無印2話の「これが俺たちの島かよ……?」の呆然を思い出してぶわっときた。一気見は中々できないけどこれがあるからやっておきたい。

・前回の一気見は一年前。なんとなく適度に機微を忘れているので無印から泣きどころ総涙。からから。

・「敵」。織姫ちゃんが芹ちゃん気遣って「敵」と呼ぶ。総士が「本当の敵」と断定するのは、ようやっと「敵」と呼べる存在ができたからなんだろうか?搭乗時は変性意識加わるとしても。ずっと戦いたかったしな。

・こないだファフナー初見の友人が「一騎より総士のほうが相手に対して愛を表現している」と言ったのがちょっと驚きだった。総士のほうが一人で煮詰めてると思ってたので。
でもサブテキストがないと一騎のこじらせ依存心って見えづらいんだな……特にEXODUSではそのへん昇華(受容)しちゃってるしな……って納得感。

・暉がウォルターさんを助けられなかったのは一騎とカノンの対比か。今回見てたらウォルターさんの死が唐突というか都合シナリオ通り感あるなあと思って。ビリーやエメリーのように死ぬために生まれたキャラだけど、主役級や主題に関わるわけではなくて暉のそして竜宮島のためのキャラだからかな。
自分で決めたから命令無視して人相手にした自爆を止めたカノン、自分で決めたから人相手にして自爆するウォルターさん。暉だって対話してたのに一騎にはなれなかった。まあウォルターさんの思考停止は1話で既に終了してるから……暉の関わる余地ないから……。
いや対話によって最期の場所を決めたたのだしむしろそのほうが暉にとっての残酷……。

・暉が、最期なのに、最期の最期だというのに、一騎の力なしでは海神島を守りきれなかったその非情さが好きで……。一度も一騎に勝てなかったし(剣司の勝負には乗ってた一騎も土俵に立たなかったし)、あそこでボロボロの体でしかも里奈なしで食い止められるような超人ではない。同化されなかったらリアリティラインが崩れてしまう。人類とフェストゥムがかつてなく混ざりあっていくEXODUSで、真矢ちゃんと同じように人類の限界を作品に刻んだのが暉だと思うのよね。スフィンクス型一体からも人を守れない無力感、好きな人を守るどころか逆に追い詰めて泣けなくさせてしまう、「総士が生きてる」にならない広登の死の拒絶。カノンのように凡人ながらも最前線で最大の希望を勝ち取ってくるわけでもなく、どこまでも裏返らない凡人の死。勝ちたいと思っていたのに9話でも来てくれてほっとしてしまうアンビバレントな感情で、最期にすら勝てなかった。勝負をさせなかった。それでも、それでも竜宮島ではなく、海神島を守っていなくなるっていう、人類愛に終わる暉の……。

・22話のボレアリオス参戦の絵面好きだな~~!相手がそこにいることを無視して人を殺しにきた人類と(「人類軍」というひとまとめのワードにはもうできない)、人類の戦法を学んで人の武器で人を守りにきたエウロス型の混戦!
HAEのエウロス型はフェストゥムがついにここまで人を理解したかという衝撃があったけど、もはや過去のこと。人とフェストゥムの境界線がごっちゃになったEXODUSの様相を表すよいシーン。

・ヘスターちゃんには真矢ちゃんに「一騎と世界どちらを選ぶの」的難題を突きつけてほしい、真矢ちゃんには世界を選んでほしい、もう選んでるけどきっちり本編で見せてほしい。私は「さよなら、一騎くん……」を決別だと思っているよ……(思いたいよ……)

・受容者である一騎が真矢ちゃんを理解してやらないのが納得いかなくなってきたんだよな。人類対フェストゥムが無印の一騎と総士なら、人類対人類がEXODUSの一騎と真矢ちゃんだ、っていうのは見当違いなのかな。そう見ちゃうから納得できないのかな。もはや一騎は人類と呼べるか怪しいのに。
一騎の、総士と親と珪素以外は庇護対象メンタルに否は突きつけられなくていいのか。
相互理解の作品でわかりあえなくていいと言ってくれたと思って感動したんだけど、一騎のスタンスで、「わかりあえない状態を認識してないなら理解も受容もしなくていい」っていうのは、いいのかね……いやいいって言うならいいんだそれもキャラクターの豊かさ作品の豊かさだと思って……。
ただ私はまだ一騎と真矢ちゃんの関係が変化する余地があるのが怖いだけなんだ。総士は真矢ちゃんとわかりあえずに死んでいったことを救いと思っている。

・やはりEXODUSは詰めこみすぎた。最終話の総駆け足感。が、過不足がない。ずるい。

・いらない登場人物がいない。それぞれのストーリーが要素ごとに進んでいくから、「最後ここに到達するために必要な要素を全体で割って逆算するとここに1エピソード入れるべし」的脚本の都合で話が展開するのが丸見えなのに、「それぞれが希望を信じ未来に辿り着こうとする」大筋がブレずに根幹としてあり、無印から積み上げて生きて成長してきたキャラクターのストーリーが大筋と奇跡の合致を果たしこうなるしかないという展開を迎えるので有無を言えない。

・EXODUS初見時はやっぱり感動の再会とか主要キャラの死の受容とか、そういうのをじっくり見たかったのよね。そしてどうしても一騎を軸に据えて見てたから。それでもそういう欲求の落とし所としての一騎と総士で締めるラストだから終わりよければなんとやら。

・真矢ちゃん、「誰かを助けるためにそれ以外の人たち全部を犠牲にできる人」、これ、未来の対話を守る決意をした『THE FOLLOWER2』以後も、守りたいものを守るエゴ時代と同じ台詞で通るんですね。だから読み取れなかったというかそこは本編では切り捨てられたのでしょうが。
自分が倫理に従ってると思ってたのに悖ることができてしまった、平和を捨てて人を殺せる人間だとわかってしまった。
特に対話と平和に信念を持っていた真矢ちゃんが、「遠見は僕らにとっての地平線だ」とまで承認してもらってた真矢ちゃんがね。行き場ねえんだよな~~~あいつら真矢ちゃんのこと日常象徴として見てる条件つき肯定しかしてないからな~~~~好き。だから全肯定の美羽なんだよ。
わかってしまったと言ったけど状況が異常なだけで別に普段真矢ちゃんが倫理的であることは否定されていない、平和と日常に戻れる選択だってまだあった、だけどもう、選んだのだ……。

・未だによくわからないんだけど先に竜宮島に戻ってこようとしたオルガさんたち、三機で戻ってきたよね?一機無人機か?カノンの「今日四人いなくなった、広登が……」の台詞と整合性がわからない。

・初見時16話冒頭はHAE劇伴『空上での選択』が流れた瞬間その壮大さのミスマッチ感に「あっオルガさんだめだ……」と察したのですがあまりそのへんの違和感を読み取れなくなってしまった。読み取れないからと言って死なないわけではなかった……。

・フェストゥムを「綺麗……」と言うのは定番化してますが、竜宮島を知ってしまった者が外に出て帰ってきて「綺麗」と呟くのは今回だからできたやつ……。楽園だよ。その深みがやっと感覚としてわかった気がする。

・なんか別にいいやと思ったこともあったけどやっぱ総士がまだ真矢ちゃんを好きなの納得いかねえからな!!!総士の人間らしさに恋愛感情を使うんじゃねえ恋愛感情を人間らしさと言うんじゃねえ!!!
「でもホモじゃないですよ」の目配せ予防線が私を殺す。21話の受容にどれだけ心を削ったか。

・竜宮島、ナレイン、ダスティン、ヘスター、グレゴリくん、それぞれの「希望」。無印10話は初見時あまり入りこめなかったけど見れば見るほどこんなに竜宮島を象徴するエピソードもない。広登が求めた希望と、そのずっとずっと前段階としての容子さんが放つ希望、「あなたたちが希望」と言ってしまうある意味非道な世界、希望の掘り下げがあった。それがさらに深まるEXODUSでありいやあ14話まじ非道だわ。

・やっぱりEXODUSは12話がいちばん好きだなあ。戦場の子供たち……梶さんの名演から、『人類が求めたもの』?が流れて竜宮島の子供たちへと繋がる流れが変わらず最高……。3話エメリーの「これで戦えるよ」がひっくり返る瞬間。

・初見無印24話でソロモンが応答したとき疲弊したんですね。あんなに奪われてまだ奪われるのかと。戦わねばならぬのかと。そしたらミョルニアと甲洋(スレイブ型)が戦ってくれたわけで心からほっとしたことを覚えている。
初見時のEXODUS15話の疲弊、種類が違う。奪い奪われ乱戦絶望やるせなさを20分見せられたのに、あると思っていた救いがなかった。ダッカ基地はダスティンに奪われていた。からの操ですよ。未来の希望にしか救いがないEXODUS。だから今を削るしかない。

・「たとえ苦しみに満ちた生でも、僕は存在を選ぶだろう もう一度お前と出逢うために」
「苦しみに満ちた生でも存在を選ぶ心 それが僕らを出逢わせる」
どう考えても見合うものではない苦しみと出会いを同等とする、っていうニュアンスが好きなんだと思う。お前に出会えたから苦しみ全部帳消し!チャラ!じゃない。苦しみを美化しない、苦しみは苦しみであり、正面切って迎えた上で、そこまで苦しんで存在を選ぶ価値はお前であると。
無印では二人称お前で、EXODUSでは僕がいてお前がいることを前提とした一人称「僕ら」への変化は言うまでもなく重要であるてか有り体に言えば最高。

・18話総士が一騎を守ったとこで号泣した……。読み取りうるかぎりの異性愛描写を拾いながら見てたからふいに「こいつすげえ一騎好きだな……」に出会ってしまうと泣く……。
ブックレット読み直したら総士普段人間の体とはっきり書かれてるからやっぱ死なないことを計算して身を挺したわけじゃなくてすべてをなげうって庇ったってことか。覚悟が違うぜミナシロ……。

・14話溝口さんの「こっちも家に帰るためさ」にナレインが押し黙った、そして「……進もう!」となるの、竜宮島と世界の差があらわになる。直後真矢ちゃんが「みんな帰る場所を探してる」と言う構成にぐっとくる。

・死期悟ったカノンの最期の日全般声がやばい

・ハイデガーの死への先駆的決意の話だよな。すると「EXODUS」とは豊かな響きである、誰も死からは逃れられない。一騎の存在への執着を散髪でさらっと断ち切ったの称賛するしかない。
英雄、あらゆるしがらみからのEXODUSとしての英雄だったのでしょう、死の恐怖からも逃れたのでしょう、でも総士は怖いと言ったんだというのを大事に先駆的決意を考えたい。

・一騎の心理描写を象徴性散りばめで押しきったの、尺の都合ではあろうが、視聴者全面信頼で大好き。まあその分わかってないこともあるんだろうなあとは思うんだけど。桔梗については消化したけど、この記事なんか読みづらいな……。

・放送当時見た感想で「最後に史彦が人を撃つなと言ったのがっかり人に襲われてるのに今さらそんな綺麗事かよ」というのを覚えている。怒りと焦燥で。冷笑主義はこういう人よねと。世界は綺麗でないからこそ綺麗事を言うことに価値があるのに。史彦が言う意味と深みを読み取れと言うのはもしかしたら難しいかもしれないし、人類から隠れてきたから竜宮島だから言えただけじゃんと人類軍が非難するならわかるけどね。

・総士のモノローグの響きが初見時と全然ちがって聞こえる。(ポエムと言うのもいまや憚られるけど二人称だからモノローグとも微妙にちがう、レコードボイスとかボイスメモとか……しっくりこない)戦々恐々ではない、決意と記録と穏やかな緊張感。
BEYONDではまた別の響きを与えられるのだろうな。歴史はつねに今によって評価される、総士が歴史になっていくというの、キャラクターが生きていて大好き。

・親というのは抑圧だな。『THE FOLLOWER2』がなくても思う。「もし君がこの機体と出会うなら、それが君の運命となる」、やばいだろ。運命全面受け入れ態勢のファフナーで運命に抗うこそうしは確定ぽいので期待大なんですが。(でも受け入れるんだろという安心感……と言っていいのか)

・12話冒頭で織姫が「それでも命すら守られない人々に比べれば希望に満ちている」、ああなんか、今ならわかる、そうだなって思った。
放送当時の恐怖は「また誰かがいなくなる」不穏さだったんだな。ゴルディアス結晶とエインヘリアルモデルの恩恵を受けた命は死守してくれた。

・ていうかエインヘリアルモデルのおかげでBEYONDで死を描くのは難しくなった……よね。いや核汚染世代とベテランパイロット勢すなわち視聴者の愛着あるキャラたちは依然として危ないんですが……。海神島に持ってきた竜宮島ミールの大気も長くはもたないと明言されてるしいよいよもって史彦が。
そしてザインとニヒトはコンバージョンできないわけで総士と美羽は…………。別に難しくなってねえな。

・って書いて思ったけど一騎生まれ変わってなおかつエインヘリアルモデル乗るならぜんぜん長生きするな……私は一貫してはよ祝福の彼方で会ってくれと願っているがやはり総士を看取りつづける運命なのか……。

・甲洋がほとんど「守るよ」しか台詞与えられなかったの残念だから空白の三日間の話ほしいなあ。平和企画進んでますのかね。

・「重要なのはパイロットたちの意思か」がやっと染み入る。今回所々やっと理解が進んで受け入れられてる気がする。

・カノンが消えた楽園で里奈が彗に「呼んでよ!」と言ったときハッとすがるように振り返る剣司と咲良がすげえいい、すげえつらい……

・生まれ変わる。総士を受容(理解)するため母胎から生まれ直した無印15話、命の使い道(を探すこと)を選んだEXO24話。一騎は二度変化した。んだなーと。ぼく地球最終話ではこれまでと180度違う思考・感性の自分になることを生まれ変わると表現したが、一騎はいつだって物理変化する。

・受け入れてからが本番のファフナーが好きだ。「生きる意味役割を受け入れた時こそが幾度幾度となく訪れるスタート」、よい。

・9話と21話の『その時、蒼穹へ』が全然違って聴こえるのすごいよな。通しで見るとEXODUS、戦闘BGMにangela使い倒しすぎでしょってなるけど、ここだけは……。同じ音源のはずなのに泣きが入ったような切なさがある。あと22話冒頭の『DEAD OR ALIVE』の入りもめちゃくちゃアガる~~~~~!!すき

・でも初見時の18話OPのテンションは二度と味わえないだろうなあ。「痛い 痛い 痛い 君と蒼穹へFly」の痛みももう思い出せない。

・でも「命をやり直すために」でゴルディアス結晶映したときはなるほどな?って感じだったけど、ふつうにそのままの意味でしたね……ゴルディアス結晶にならせねえぞ苦しみに満ちた生をやり直せよ……。

・旅のおわり、なんだ弓子寝るんかな?って思ったんだけど、ブックレットにはっきり「睡眠もせず」とあるから目とじてただけか。マスクなし。

・エメリーと美羽が輸送中ほんとにずっと離れてるからなんかかなしい。近くにいるときは「怖いよママ!」じゃなくてエメリーにすがるようになっていく過程が見える……まあどちらも失うけども……。

・やっぱり全26話でいちばん「小憎い」のは芹織ですよね……。織姫ちゃんは「いちばん希望に満ちた未来」以降は透視できなかったということでしょうか……。

・ついでに唐突にBEYONDのティザーとPVの話なんですけどやはり謎。一騎がアインに乗ってる時系列はどこ。
ティザー見た感じ「ザイン搭乗美羽→恐らくアイン搭乗一騎→ザイン搭乗一騎」なので一旦アイン乗ってザインに乗り換えるのかな?という印象も受けるけどザイン搭乗→ザイン引退、アイン搭乗へつながるほうが自然だし。

・順当に考えれば海神島にあるはずのニヒトにシナスー着た総士が対峙してるのも謎。なんかもう劇場版ならいいんですけどこれでまた2クールとかで奪還された総士が運命と出会ってまたフェストゥムに痛みを負わせに行くシーンだったらどうしよう。そうとしか見えない。

・ハア~~~~~21話以降異性愛になるまいか気が気でない一ヶ月にわたる消耗狼狽なんかもう経験したくねえんだよ~~~~~殺すなら劇場で一思いに殺せ。




はい。
久しぶりにファフナータグ使えたー。(コミカライズ6巻の感想書いてないので……)
ファフナー面白いな……。
ファフナー面白いね……。

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# by jinloturu | 2018-03-19 18:50 | アニメ | Comments(0)  

カカフカカ1-2巻/石田拓実

……累計100万部?!
書店で帯見てびっくりした。全然知らなかったぞ石田さんの最新作とか。
電子で何を1部と捉えるかにもよったりする?

そして意外と面白かった。なんだかんだこういう少女漫画好きなんですよね……。
数年ぶりの再会とか無口(堅物)だが愛だけは重くて積極的な攻めとかそういうBLによくある要素が……。

相変わらず下品さが下品だ。
そこまでくるならヤっちゃえよそのほうが潔くて上品な下品さになるよ……?
なにげに実践オープンリレーションシップ的なポリアモリー的なアセクシャル的なキャラが出てくるのもひっくるめて安定の作風。


キャラたちの関わりとか絶妙に微妙な心理描写キャラの提示とか今回そういうのが上手くハマってて面白い。
長谷さんとあかりさんのキャラ紹介に進む流れとか気持ちよかったよね。
ふたりとも本行に深いかかわりがあってそこをとっかかりに本行を中心として紹介され、展開もそこに絡めて持ってくる感じ。
4人ともキャラが掴みやすいのに型どおりでもなく機械的ないやらしさがない。
これはでかい、読める。
展開読めるけどでもなぜスムーズに進まないかの理由が、嫌というほど繰り返される亜希の自尊心の低さのかかわり。
丸々2巻、主人公が自分から動くこといっこもないびっくりするほど受け身も受け身でイライラしてくるが、そこにプラス捻りというか一深掘りしてるからつい読んじゃうんだよね……。
色々とかなり自覚的だからその処理が気になる一心で。
「判断丸投げ!?」じゃねえわこの状況許したのはおまえだおまえ、自分の責任ちゃんと見ろ、自分で判断しなくてどうする。
と糾弾したいところだが、受け身なまま自分の望む方向へ連れていってくれる甘美さね……。
突きつけられるよね。痛いところを。
気持ちよく甘美でいさせてくれる作品じゃないと思うので楽しみなのだ。

いや、でも結局主人公受け身なまま終わる可能性もあるから油断はならんな……。
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# by jinloturu | 2018-02-20 21:20 | 少女漫画 | Comments(0)  

女子的生活

しおりんかわいい~~~
私は!しおりんのお姉さんメイクが大好きなんだ!!
OL役最高。ボールペンかちかちってやるとこ(杏果談)かわいい、バインダー取り損ねるとこかわいい、合コンでの「チャオ!」的ジェスチャー!!かわいい!!


言うほどパス度高くなくない?ふつうにバレるのでは?
と思ったんだけどほどよいさじ加減難しいのか……埋没してるでもなく全然パスできないでもないみたいな役者さん……。


涙のカミングアウトとか偏見に負けず立ち向かうトランスジェンダーとか手垢ついたパターンを絶対やらねえ姿勢はドラマとして新しかったし、アイデンティティが確立していて好戦的で世渡り上手なキャラ設定もよかったし、思ったよりさらっとMtFレズビアンだと説明されてそのまま進んでいくのもよかった。
けど、父親の「女に手をあげるんじゃない」でまとめられるとか、「女子よりも"女子力"高い」みたいな古典的キャラ像とか、うーん???
しかしどうやら原作はもうすこし繊細らしいんだよな。
トランスジェンダーを自認しながら「自分は女だ」じゃなくて「女子になりたい」で終始進むのも違和感だったけどここらへんも繊細らしいんだよな。

1話の「初回特典ってことで、」まわりのあの感じ、すげーーーああいうセクマイいるわーーーー

こっぱずかしさがある、丁寧に説明しても理解されないし同じ話何度も繰り返すのに飽き飽きしてるから端から説明放棄、でも理解されないことにすこし選民意識もある、会話の主導権を握れる優越感、内輪意識。
わかるーーーーーー

聞く前に自分で調べろ、に誘導してるのはよかった。

あんまり人間ドラマはなくて、無理解な差別者を言い負かしたりするパターンはわりと飽きるな。
意外とパターン化されてはない展開だしじみにキャラ設定つくりこんではあるけど、だからなんなんだ、という。
でも「こういうの、向こうでは許されるんですね」みたいなじわーっといやーな偏見に日常的に出くわすのだと伝える手段だと思えば。なんというか、そうか……そうよね……。


しかし鬱への偏見とか"オーガニック"女子への蔑視とかひどくない?
ミニーさんは結果的にはそうでなかったかもしれないにせよ。
なんかこう、別にみきが戦闘モードで見下しが入るのはいいんだけどだからって物語がそれを許しちゃうのはな~。
いや、安易に後藤と恋に落ちなくてよかった。

「くっそうめえ~~~」とか、"つい素の男言葉が出てしまう"って感じじゃなくて、女以上にジェンダー規範に沿おうとするようなMtF像にならない、囚われているのではなく選択している小川みき、っていう表現はけっこう伝わってきてこのへんドラマとしてもよかったな。
街中ちゅーは不覚にもきゅんとしたぞ。

はーしかししおりんかわいかった。
もっとしたたかなキャラでもいけるぞ。

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# by jinloturu | 2018-02-11 10:34 | その他 | Comments(0)  

逃げるは恥だが役に立つ(ドラマ)

見る見る言っててやーっと見ましたよ!
面白かった。原作既読。



流行った当時は、「私のような者たちが読むものが、ついに世間のメインストリームに乗るように……」といううすら感動があったのですが、なるほどこれはうまい。
言語でまくしたてあう理屈っぽいくどくどしたコミュニケーション部分をばっさりやって、ラブコメ全開。
しかし根底はぶれることなく、「それは好きの搾取です!」でその姿を露呈させる!
最終話の会議で原作『逃げ恥』らしい言語コミュニケーション炸裂、でもそれはドラマ版にとって唐突というわけでもない。
うまいなあ。



あのね、あのね、原作でいちばん気にくわなかったのはゲイの描きかたでして。最後のほうはそこそこ見れるようにはなったけど男をみんな性的に見ている男好き、的なオチ担当っていう。
「俺が風見さんに手を出さないか心配だったんでしょ」
って台詞、これは別にいい。つづくドラマオリジナル台詞、
「男だからって誰彼かまわず取って食うわけじゃないのにね」
これも、いい。
BLでもよく見るようになった世間反発。偏見打破。

でだ、それだけならいくらでもできるわけ、偏見に辟易してる側はそれで胸がすくかもしれない、でも、素直に受け取れない偏見持ち側からすれば鼻につく描きかたになる可能性をはらんでいる。
別に偏見持ち側への過剰な配慮をしてほしいわけじゃなくて、私がそういう教科書的な説明台詞はあまり肌にあわないので。
こういうのにかぎらず説明台詞はできるだけ省いてほしいので「いや、もう、それ、言われなくても知ってるし」って気まずさを受けとりたくなくて。

だけどこの作品は、そこに留まらなかった。
「僕はこれまでも知らないうちに人を傷つけているんだろう」
傷つきたくなくて閉じこもるあまり独りよがりになって弱さとコンプレックスと思い込みで人を傷つける平匡キャラの説明を盛り込んできた!
そうそのプラスアルファがほしかった!
説明台詞がほっぽりだされず本筋にさらっと合流する気持ちよさ~~!
これぞ創意工夫~~~~!!


っていうね、工夫があちらこちらに見えて楽しかったですね。
全然原作と展開ちがうのに「全然ちがう!」感がなかった。
脚本も演出もキャストもぜんぶ噛み合ってたね。


ガッキーかわいすぎるでしょ。ガッキーかわいすぎるでしょ。
「うそです!」って後ろから抱きつかれたすぎる。朝まで一緒に寝ていいか聞いたらちいさく頷かれたすぎる。
ガッキーがあまりにかわいすぎるから理屈っぽさ削ぎおとすと「かわいくて完璧に家事してくれて優しくていつも笑顔なみくり」像が如実になり。
するとけっきょく高学歴高収入男が若くて綺麗な都合のいい女をつかまえたに過ぎないじゃねえかと思いそうにもなるんだけどそこに「それは好きの搾取です!」をぶつける構成がめちゃくちゃよかった。
都合の悪い女になっていこうな。それが大事な自分なんだ。
いやそういう話でもないんだけども。

まあでも異性愛ですね。青空市のハグにみんな注目過剰演出、つらい。異性愛が祝福される、つらい。
真逆のことを言いたい最終回なのはわかるけどね。作籍婚を濁してあらゆる未来を示唆したのはよかったけどね。とても。あんしん。
でもなんかあー異性愛なんだな~と気づかされる感じでしたねあれは。私の呪いは解けないし解きたくないですね。
ゲイ同士の(とってつけたような)出会いにすこし救われ涙を流す。
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# by jinloturu | 2018-02-09 23:30 | その他 | Comments(0)