タグ:性・ジェンダー ( 83 ) タグの人気記事

 

乙嫁語り7,8巻/森薫

時間の都合上1-3巻、7,8巻という微妙な感じで読んだ。
なにしろ百合を求めて……。

姉妹妻の契りを交わしてのち「私より親しいひと作っちゃ嫌よ」と独占欲発露するのは萌えました。
が、むしろ、ポリガミー的関係という点に着目した。

最初アニスが退屈な結婚生活で夫に縛られる窮屈さを感じて女友達を欲したのかと思って、そこからの解放としての百合、という見方をしてた。
けど夫もすごく良い人……。しかも愛妻家。
これで夫が取り残されるのはなあ→シーリーン家庭事情でめとることに→アニスも夫もシーリーンに嫉妬しない→この妻にしてこの夫あり……
の流れが!
この世にモノ規範があるからこそ面白い物語として成立するカウンターになっていて好き。
めちゃくちゃ平和なポリガミーだ……!
てか、百合において男は脅威だけども、男を支配的な嫌な奴として配置してそこから逃走する女二人――っていう百合は見たことないんだよなあ 。
レズビアン映画とかは範囲外だけど「男性作家はそういう構造を描くが女性作家は男も良い人として描く」という話はどっかで見た。


そして噂にたがわぬ画面の豪華さ。
繊細だあ……。
本当にこういう装飾好きで仕方ないんだろうなという作者の愛が伝わってくる。
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by jinloturu | 2016-03-22 20:37 | その他漫画 | Comments(0)  

アルテ4巻/大久保圭

うおー。
アルテ女だからという理由でほめられたらどうするんだろうと思ってたけど断りましたか……。
レオさんちょっと消極的じゃ?と思ったらちゃんとそこ回収された、よかった。
さびしかったのね。
しかしアルテが元の街離れるとは。家庭教師……ね。

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by jinloturu | 2016-03-06 05:55 | その他漫画 | Comments(0)  

弟の夫2巻/田亀源五郎

あ、2巻は1巻よりよかった。
友達もそのへんにすっごいいそうな女の子……。

アクエイキョウねえ……。
こう、ね、誰にも相談できないからゲイだと噂聞いたら見ず知らずの人にだって頼りたくなるよね。うん。

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by jinloturu | 2016-03-06 05:51 | その他漫画 | Comments(0)  

花まんま/朱川湊人

表題作すきだー!!いや前世ものだからなんですけど……。
娘の死を何年もずっと引きずってごはん食べれなくなった父のもとへ届く花まんま……泣いた。
だけれどもフミ子は前世の人格を引きずってはならない、そうはさせない!ということで未練の家族を駅で断ち切る兄。

あと『送りん婆』が好きだな。人殺し……。
庭で転げ回る病気の幼児とか、うわーって。
でも婆さんはその言霊では逝かなかったんだ。
ノスタルジー、と言われてもその時代知らんからそのへんはよくわからんかったけど、それでも楽しめるつくりだから大衆的であれると。
そしてその時代を「古きよき時代」にしてしまわない姿勢に好感。
きちんと、"差別"という言葉を用いて差別を描く。
『トカビの夜』好き。
ユキオが、同調圧力に負けてチェンホにリモコン戦車長く遊ばせたれって言えなかったの、「些細ないじめ」で済ませることだってできたのに。
唐辛子ぶらさがる家々……地獄だな。
そして差別した負い目があるからチェンホの霊を「復讐」としておびえる……人間心理を上手く描いたなあ。

『妖精生物』期待してたけどこれは偏見なぞっただけの話だったな……。よくある憎しみの連鎖。
どうしてこう女性差別描くのにエロの意味での「性」をお約束のように盛り込むんだ。

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by jinloturu | 2016-03-06 05:50 | 小説 | Comments(0)  

パレードへようこそ

私エンパシーないや……退屈だった……。
こう、資料として見た感じ。
文化と時代と実話。

なのであまり熱心に見てなかったからラスト泣いた……そうだね王道ならこう炭坑民駆けつけエンドだよね、でも想定してなかったんだ。
パレードの全肯定感と多幸感が大好きだ。改めて大好きだ。巻き込んで幸せになっていける。連帯していける。


新聞?に悪し様に書かれて「利用してやろうぜ!」はかっこよくてよかった。
しかし募金を受け取ってもらえないってそういうこと……。
「ホモから金もらうほど落ちぶれちゃいねえわ」ってこと……。「プライド」のあり方。

しかしね、カミングアウト主義とカップル主義にはうんざりよ。
これのない作品なら見たいわ。
「堂々としてろ」って、もう、抑圧。
いや、そうしないと生きてゆけないのは、わかるんだけども。

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by jinloturu | 2016-02-17 04:33 | その他 | Comments(0)  

俺たちのBL論/サンキュータツオ/春日太一

基本的には期待通り面白かった。
関係性のバリエーション、楽しみ方のバリエーション、余白の楽しみ、「かわいい」の考察。

「恋愛による醜さのCG回収がしたい」には膝を打った。
私はみじめったらしさをさらけ出す男が見たいからBLにそれを求めに行く。男女ではあまり見れない。

「リバ不可」は関係性が好きで「リバ可」は絆が好き、というのも得心。
ふたりがふたりであればそこに拘りはないという。
それでいうと私はリバに拘りがめちゃくちゃあるので私の「精神的不均衡を積極的にひっくり返すリバ」「受け×受け」嗜好は関係性萌えなんだよな。

「男は丈夫だから安心」理論、めちゃくちゃよくわかる。
言葉責めって萌えと萎えが紙一重で、お前何様だよって思うことがしょっちゅうあるんですけど、受けが男なら許せる範囲萌える範囲が広がる。
逆に女体化すると許せる範囲狭まる。
そのへん「二次元において「性」は属性」というポイントにも通ずるな。
それと同じ理論で私は女同士なら傷つけあっても安心だと思っていて、相手を絶望に突き落とす百合が好きなのもそのへんにあるんだろうな。

春日さんが『窮鼠』『俎上』を正しく理解していたのが嬉しかった。
そう!「川を易々越えた恭一が怖くなって線を引いた今ヶ瀬」が『窮鼠』シリーズの本質。最後の最後に川を渡りきるんではなく、川なんてないよって明示するのが恭一。

あと春日さんはアンセクシャルの概念を知ったらちょっと楽になるんじゃないですかね……。



そんでもやもやしたところ。

一番言っちゃいかんだろうと思ったのは「女性はこういうふうに攻められたい」って部分かな。「あくまで一部」ってことにしてはいたけど。
男性向けと比較してそういうのが絶対に全くないとは言わないがBLだって大概ファンタジーだよ。
もし作家さんの(ひいては女性の)「こうされたい」を反映しているのならフェラシーンとかどう見るんだよ……って話。
それを「男がBLを読む際のススメ」にするのはやめて。女性エロ作家が「あなたはこうされたいんですね」って言われることでどれほど消耗するとお思いか。


あと春日さんと百合観がまったく違うのでよし戦争しよ。
ガラスみたいな百合も百合の一側面ではあるけれどもすべてではないから直接的なエロがあってはダメとか断言しないでくれ~。
それと今そういう壊れてしまいそうな百合がメインストリームかと言われたら首を傾げるぞ。
あとよくある誤解の「百合は男性向け」っていうのもな。それAVの見すぎや。

そして「恋愛」といいがたい感情や関係に萌えを見いだすBL好きが沢山いるんだから(「恋愛」に限定されてしまうような気がして嫌だから「BL」という語句を使わない人も沢山いるんだから)「恋バナ好きはBL好きになれる」とまとめるのは雑でないかと思う。




タツオさんは無邪気に差別をする方ですけども、ホモフォビアはほとんどない。同性愛への偏見は極力なくそうとしてる。
それがたとえば「同性愛を非日常的なことだと思う読者」という行き届いた言葉づかいに表れる。同性愛は本来日常的であるけども、という。
あるのは女性への偏見なんですよね。「一般論です」という前置きをしていながらその実ステレオタイプを垂れ流す。

一番雑だと思った分析は「男はいろんな関係性がある」けど「女は好きか嫌いかの二分法で生きていかざるをえな」くて、だから腐女子は「友情って言われても私たちの感情にない」がゆえにわかりやすい「恋愛関係」に落とし込む、って話かな。

男女も女同士もいろんな関係性があります、女だって(一般論にしても)好きか嫌いかの単純な構造で生きてたりしません複雑な友情やらライバル関係やらを持ちます。
わからないからわかるものとして理解しているんじゃなくて、わかっていようといまいと恋愛にすると楽しい化学反応が得られるからしてるんだ本書でもそう分析されているじゃないか。
動画(39:11あたり)に照らし合わせてみてだいぶ編集で気配りしたんだな……とは思ったけど根本的なところがなんだかな。


BLが好きだって思ったのならそれは最終的に性別関係なく誰でも同じ感情を共有できるんだから「男と女とで解釈プロセスが違う」と思うほうが間違いなのよ。
確かに最初の障壁は違うかもしれないしその手助けとしての本書は有用だと思うけど、その後たとえ違う見方をしてもそれを無理やり「男だから」「女だから」に当てはめるからおかしなことになる。
自分が感じたことを拡張していく形で論を組み立てていけばいいのに型に当てはめた「女性」像から導いていこうとするからその偏見まみれの「女性」像に反発を食らうんでしょう。
「極力一般化しないことを心がけた」とタツオさんは言ったけど残念ながらその試みは失敗していると思う。


「腐女子」は本来、腐女子本人が使うべき用語であって、外部の人がその人をさして呼ぶべき言葉ではないような気がするのと同様、ここ数年、常に外部の者としての疎外感を感じながらも、自分なりの萌えを追求してきました。なぜ自分はBLややおいに萌えるのか。答えのでない問いでした。 サンキュータツオ2/12-16渋谷らくご (@39tatsuo)
https://twitter.com/39tatsuo/status/690201378434625536
しかしひとつハッキリしているのは、この疎外感というのは、ふた昔前は「オタク」総体が、一昔前は「腐女子」総体が経験していた、疎外感、そして後ろめたさだったということ。私はいわゆる「腐男子」なのかはわかりませんが、BLはコンプレックスと後ろめたさを忘れちゃいけないなと思ってます。 サンキュータツオ2/12-16渋谷らくご (@39tatsuo)
https://twitter.com/39tatsuo/status/690201881298112513

(このブログスキンtwitter埋め込みできないらしい)

「BLは後ろめたさとコンプレックスを忘れちゃいけない」発言、タツオさん本人が真意を説明しないので推測するしかないんだけど「自分は男でBL市場の主要層ではないからBLや腐女子と繊細に接さねばならない」でいいんですかね。
数年タツオさんのBLに対するスタンスを追ってきて本書も読んでみてやっとそう読み解けるけど、もしこれで合っているならやはり言葉の扱い方が雑としか言いようがない。

文脈を読んでと言われて読もうとしてもすごく読みづらい。
まず「BLは」が主語になっている時点で個人的なことには相成れず一般化するニュアンスにしかならない。
そのため既に存在する偏見を助長する発言になってるから駄目だって言ってる。
タツオさんはBLをよく知らない人に伝えることのできる立場にいる人だから、そういうふうに伝わってしまいたくない、そういう話。

そんでこの解釈で合ってるとしても、やはりそんな後ろめたさは忘れてくれていいと思う。ていうか忘れてくれ。
同じ趣味なのに変に「男と女の立場は違う」と思い込んでしまうと事を見誤る。
思い込んでないのに疎外感があるっていうならじゃあその垣根をはらっていきましょうね、という話でいい。



あ、あと、全編とおして敷居高くしてない??
クリエイティブさを極めてこそ腐女子として上級者であるみたいな論調。
今でこそ最後のケーススタディシートだってやってみれるけど昔妄想力低いことがささやかなコンプレックスで私は腐女子文化にコミットできないなと思ってたからちょっと危機感。
BLに目覚めたい男性に向かっているんだから敷居は低くしてこ。

あっケーススタディシートやってみて気づいたのは私今まで攻めには余裕を失ってほしい余裕ある攻め萌えないと思ってたけど受けも同様に余裕ないほどおいしいですね!!
包容力高いのは攻めも受けもあまり好きではないらしい。
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by jinloturu | 2016-02-08 23:20 | エッセイ・評論他 | Comments(0)  

ぼくらのへんたい9巻/ふみふみこ

パロウが笑ったー!!
女装セラピーだな……。
やっと前を見据えられる、ですか。
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by jinloturu | 2016-02-06 04:49 | その他漫画 | Comments(0)  

先生の白い嘘4巻/鳥飼茜

切れ味よすぎだろ……。
なんか抉られるというよりしっかり研がれたナイフですぱっと斬られてるような気がする。
切れ味、よすぎる。


自立してしっかりした綾がレイプされそうになって失禁とかなんなのよなんなのよこの展開……。
どれだけ強くても「女」というだけで簡単にひっくり返されてしまう……。

早藤いっそう得体が知れないけれどもレイプ魔がモテて子供まで作ってんだぜ……そして子供ができて吐くっつー……。
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by jinloturu | 2016-01-09 20:47 | その他漫画 | Comments(0)  

弟の夫1巻/田亀源五郎

あ~わかる。時代に必要な漫画。
田亀源五郎、ついったーではよく見かけるけど実際よく知らないのよね……。

差別よくないってわかっているけどつい偏見を持ってしまう人がそれを改めていく漫画。
だからまあつい偏見を持ってしまう人が読むのはいいかもしれない。
でもまあ私に必要な漫画ではない(こういう漫画があることで救われる時期でもない)ので別にいいかな……という感じ。
どこかのインタビューで言ってた、「男体の着替えやシャワーシーンを描くことで、普段女体の性的描写を何気なく受け入れている人たちに対して男体が客体になりうる衝撃を与えたかった」みたいな話は面白いな。
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by jinloturu | 2016-01-09 20:47 | その他漫画 | Comments(0)  

あの娘が海辺で踊ってる/監督:山戸結希

2014年初頭『5つ数えれば君の夢』でがつんとやられて、年末『おとぎ話みたい』追って見れて、しかしこれだけはどうにも見る機会がなかったんだけど、やっと見れた!
そして期待どおりの作品!!


なんつーか、ド直球に山戸結希。
取り繕うことがない分むき出しの思想という臓器が転がってる。
すり減らしたい。
消費されることですり減っていく。
思うけど山戸作品の少女たちって「見られること」の自意識爆発させているのが特徴だけど誰もこじらせてないんだよな。
誰に見られたいか誰に見られることになるかはっきりしてる。(唯一『5夢』の宇佐美は少しこじらせているかもしれない)

「依存で何が悪いの」
ここ最高すぎる。
「依存のほうが愛し合うよりもむしろ強く繋がる」
わかってないから依存でダメになる、わかっているならいいんだ。
それを確信している舞子好きだー。


うわって思ったのは舞子の悪評を聞いて、「まあ……」と返す菅原……。
穏便であること。仏であること。舞子と一緒にいること。
どうして決別しようとしたのだろう。
古野の三味線で踊り子するって言い出したのってあれ決別宣言同様だよね?
もはや自分の望みと舞子の望みが決裂してしまったから送り出すのがベターだと思ったのだろうか。


最後に「お前もやっと気づいたか、恋心に」がくる、あああれを恋愛として規定してしまうのか、と残念に思ったのだが、
「菅原は私の恋人だから」
「レズなの?」
「比喩も通じないの」
これがあることでこの「恋心」を「比喩」として解釈することを許される。
取り残される悲哀かー……。



もうねー、構造だけを見るなら百合の安穏閉塞世界を男の乱入によって破壊される失恋ものだからそのステレオタイプは本来いらっとするんだけどね。
そこに「見るも無惨な少女の消費」が絡んでくるともうぐさぐさですわ……。


しかしこの作品それ自体がどう消費されているかを想像すると憂鬱だな……まあ想像で語るのはよくないですけど「見られること」の自意識それ自体が痛々しいという見方はやだな。

舞子が象徴しているものが「処女性」だということで男性文化人が「セックスを拒みながらも望む」と評していてうっっわーーーやだーーー!!と思ったものです。
あれで舞子の本心は望んでいると!?

……山戸監督自身は各々の解釈に任せると言ってくれるし私は私の解釈で「セックスを渇望する処女」という見方を否定しよう……。(私の中で、ね。それが間違いだと言ってくつもりはない)


舞子は「女体は消費されるべきものだから美しい容姿を持った自分は正しく消費されなければならない」と考えている気がして。
そしてそれが自分をすり減らしていくことだと知ってるし消費されることは汚されていくことだと思ってる。
だから菅原が汚されるのが嫌だった。

でも菅原の躍りが古野に見られ「孕んで」しまって「流産」も失敗しもうあとは菅原がすり減らされていく一方で。(と舞子は思って)
だから一人で東京に。
菅原が消費しつくされていく絶望によって、ならば絶望の上塗りをと自傷するためのデビューなのだ……。



ってことだよね?!
エンディングめっちゃつらかったな?!?!

……タグ、「すき、印象的」をつくってよかったな。「すき」ではないもの。




追記。
あの娘新聞を読んだ。
監督、ミソジニーを内面化している人だ。やっとぼんやりしていたものが繋がった。
舞子は「消費されるべき」ではなく「消費されてしまうもの」という絶望と諦めを抱いているのか。
ミソジニーの内面化は本来苦しいだけだ。ほどかれるべきものだ。
しかしその苦しさがこんな芸術を産み出すのなら私はそれになんと言えばいいんだろう。
踊らずにはいられない。
セックスに自分の心が惹かれてしまうのではない。「カスタマイズ」されているのだ……。
と、考えてしまっているのだそしてそこでは女同士のホモソーシャルなどあまりにもろい。
そう確信してしまっているからこそ、ミソジニーを甘受しているからこそ、女同士の関係をもろいものにしておきたい男性層にもウケることができた、届くことができたのだ、と、邪推する。

友情以上恋愛未満の女同士の濃い関係、だなんて百合文化に浸かっている私からすれば日常であり王道なんだけど、そうとはしていない文化圏もあるんだなあ、と思った。

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by jinloturu | 2016-01-01 15:24 | その他 | Comments(0)