タグ:性・ジェンダー ( 83 ) タグの人気記事

 

しまなみ誰そ彼2巻/鎌谷悠希

加害者……被害者も加害者……。
美空さん、あそこでちゃんと怒れるんだなって思った。でも、最初はなにが起こったのかわからないのも。
つーかそもそも痴漢を、冤罪ネタとしてでも、性的な表現方法でも、男や女に醜悪なステレオタイプを押し付けるでもなく人災的恐怖として描ける漫画自体稀少だよな……。

椿くんのお父さんの無邪気なアウティングにもぞっとした。一橋の事件のこと忘れられない。(あれは完全に「無邪気な」ではなかったけど!!)
もうね、たすくの、「何故椿くんが自分を知っているのか」で瞬間的に自身のトラウマシーン甦るのがね。
あんな些細な一幕でしかないのに。ないのにたすくにとっては人生をも左右するっていう……。
でも椿くんもそのときのこと覚えてるというか噂話は聞いてたのかな?
意味深なラストである。金魚救うときの美空の叫びはあとから思い出して印象的だったとかなら笑うな。
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by jinloturu | 2016-11-21 18:04 | その他漫画 | Comments(0)  

溺れるナイフ/監督:山戸結希

ついに少女が死んだ!!


ずっとずっと少女の遺作を撮ってきた。儚い少女のゆらめく一瞬を切り取ってきた。
儚かった少女はついにその身を滅ぼした。
いや、自動詞ではない。受け身だ。滅ぼされた。少女は殺された。
殺された。「正しい男」に殺された。その正しさに殺された。



感想よりも先に作家論を書きたかった。
書きたくて書いたら作品読解になった。↓

感想を漁ると、いつもの様子とは違った。いつもよく見るのはサブカル層が山戸結希に感化されてポエムを並べ立てる姿だ。
私もその一人だった。だけど私はサブカルじゃなくてオタクなので作品分析をした……。
今回は「よくわからなかった」という感想を散見。「よくわからない」層に届くような映画なんだなって新鮮だった。
と同時に、これを見てなにもわからないの!? なにも伝わらないの!? とも思った。既に山戸信者だな私。
よくわからなくても、山戸結希の末恐ろしさは伝わっている人も多く、それは安心した。よかった、わかるんだね。



末恐ろしかった。
私は見る前から期待値上げすぎていたことはわかっていたから、序盤、展開の早さ夏芽とコウのやりとりの雑さに不安を覚えてた。このまま終わってしまう映画だったらどうしよう。
油断したね。助かるんだろうと、間に合うんだろうとどこかで思ってたよ。
少女の処女性を描いてきたから、少女が本当に今ここで死ぬなんて、思ってなかった。
死んだよ。殺されたよ。
あのレイプ犯はけして歪んだ男ではない。山戸映画においては、正しすぎるほど正しい男だ。

見たか。山戸映画の処女たちよ。
外に出た、閉塞を抜けた舞子が、しほが、りこが、どうやって死んでいくか、見えてしまった。死なないならそれでいい。だって彼らは受け入れていた、消費されることを知っていた。
……違うよごめん。死ぬことを受け入れていたね。


そこからはずっと苦しくて、服や体を掴みながら耐えて、滂沱にあふれる涙をやり過ごしていたんだけど、わかんない、どこだったかな、ラストのほう体の痙攣が止まらなくて恥ずかしかった。
とりあえず二回見たけど二回目も二度目の火祭りで痙攣した……。

そしてさっきたまたまネットでこの記事(美人ってどんな気分?美人に人生観を聞いた!)を読んだら、体が震えてきて、「あ、『溺れるナイフ』で体験した震えとまったく一緒だ」と納得した。
正しい男。女が男に消費される存在であることを一切疑問に思わず、女が性的に消費されてすり減らされるものを一切想像にのぼらせず、まさに今目の前の女の心を削ってるなんて思いもよらずただ「褒め言葉」を撒き散らす正しい男。
そうだね私たちのいる社会はそういうところよ。だから山戸映画が響くんだよ。
処女を殺された私たちの。



映画を見た直後に未読だった原作全巻読んだ。
原作の根底を成している魅力さえ引き出せれば別メディア化が成功、してなければ失敗、だなんて嘘だ。
映画『溺れるナイフ』は原作の一番の魅力を間違いなく損ねてる。
彼らが生きようともがく姿。子供時代の殻を抜け、ただひとりの人間に成ろうと矜持を捨てない姿。それは、映画、ないよね。

がむしゃらな少女少年たちの切なる精一杯とか荒々しくて止められない純情とかそういうものはある。何を措いても輝かしい生命力もある。原作の持つ痛々しさを越えようとする気概もある。
しかしその痛々しさは完全にヤマトナイズされてた笑

原作ファンの不満に「コウの背景が見えない、理由付けが弱い」というのがあった。
なるほど原作読んだらコウちゃんひとりの少年だった。母を求めて母(血)の呪縛に縛られ夏芽の子宮に回帰しそして葬りたがるただの少年だった。
そしてふたりはやっと人間に成る。

映画のコウはひたすら夏芽のファム・ファタルだ。
加えて言うなら私はこのコウを夏芽の処女性の具現化だって解釈する。それは上の考察で書いた。
理由付けなんかいらない。ふたりはただひとつだった。甘くて柔い蜜月を過ごしたひとつのものだった。
充分だよ。


エンドロールで大友役の子がジャニーズって知ってちょっとびっくり。めっちゃ上手いなあ、素が。
夏芽の眉毛を見ようと前髪に触れるときの少しのためらい、緊張感の手の演技が好きだな。

主演4人ほんと凄い。
面白く生きてみせるから!!あいつの呪いにかかったままなんだな!!
はーー。
構成が洗練されてたのは脚本の力なのかなあ。(脚本の人、山戸映画批評で「正しい男」的無神経発言をするからあんまり好きではないのだが、だからこそ山戸監督がこの人に惹かれるのもわかる気がするからなんとも……)
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by jinloturu | 2016-11-08 19:39 | その他 | Comments(0)  

とある結婚/熊鹿るり

いま百合漫画をがんがん読んでいるのでその中の一冊としてDLした。
そしたらうっかりセクマイ問題色の強い漫画を手に取ってしまったようだ。


……つらくて泣きじゃくった……。
セクマイ漫画としての切り口はありがちではある。
よくある差別描写に、よくある心情描写。
だけど今そのありがちな棘に滅入るほど弱ってるから……。
去年ヘテロセクシズムのトラウマを掘り起こされてからずっとその恐怖に向き合いつづけていて、一橋の事件やらなんやらでいっそう駄目になって、いちいち縮み上がる心臓を宥めていたところに、これを読んだのだ。
同性愛ってなんでこんな目に遭わなきゃいけないんだろう異性とならすんなり許されることがなんでできないんだろう自分すら保てなくなるんだろう自分を責めなきゃいけないんだろう。

もうたくさんだ。

そうだね。
せめてもの慰めとしてのラストページふたりのキスは、幸せだなあと思った。
幸せだなあ。

あとコニーのキャラがいることによる展開はわりと好きだ。
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by jinloturu | 2016-09-30 21:54 | 百合 | Comments(0)  

かぐや姫の物語

おおう……こんな、そっか……。
もう公開からかなり経ってネタバレは出尽くす限り受けてしまったのですけどまあそもそも竹取物語とのネタバレとはだけど。
いや……捨丸のところね。ぞっとしたわ。
えっそんな描き方ある?!っていう。
プロットとしてまあ青い鳥的な形で捨丸と感動の再会を果たしました踊りましたけれども月にさらわれてしまいましたの安い恋愛ドラマだって可能性としてはありだったでしょう。
しかし端からそれを蹴飛ばすテーマであって……。
「男と結ばれる不幸」をひとつずつ潰していくそして最後に捨丸のその場限りの盛り上がりと無責任さ。ご丁寧に妻子持ち。
翁も完全善意なのがまたね。

かぐや姫の声すごい意志が通って凛としていて好き。死にます。の揺らがなさ。
線は平安和風をイメージしてるのに絵柄全体で見るとかなり洗練された現代的になるのふしぎだなあと思った。
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by jinloturu | 2016-09-16 10:12 | その他 | Comments(0)  

先生の白い嘘5巻/鳥飼茜

早藤くんうわあ……!!
そこかあ……狂気かよ……理不尽すぎる狂気……むなしさ……。
どこまで貶めても、貶めるからこそ下手に出ようとする女の処世術への狂気。
やめてくれ……。
しかしあとは、そ……そうかよ……みたいな。玄関先でヤってるとこ撮られたの?
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by jinloturu | 2016-07-27 12:34 | その他漫画 | Comments(0)  

愛しのニコール/凪良ゆう

面白かった。好き。
けど!あともう一歩足りない……かなあ。
もうちょっと冷めてしまったニコの想いの再燃をじっくりやってほしかったかな。
冷めた展開に今後どうするのかわくわくしたから、そんなすぐに顔赤くなったりできるものであってほしくなかった。

うん……凪良さんの作品は一番好きな『美しい彼』ですらなんだかそういう物足りなさがあったからそういうものなんだろう……。
ただニコ視点だとかっこよかった榮に視点が移って急に器が割れて人間くささが露呈する構成とそれが絶妙に噛み合うキャラ造形はほんと上手いよなー。
「カード全部見せ」の榮くんめっちゃかわいーーーー。
こんな初々しいまでのゲイ自認×ゲイ自認BLあんま見たことないかもなあ。
ゲイ×ゲイってどうしても一山越えてきて多少の余裕が生まれた恋愛ものになりやすいから。いっぱいいっぱいの子たちが好きです。
いやめっちゃかわいかった。
濡れ場も長年のゲイと知れながら友達やってたふたりの初夜の空気感が出ていて。
惜しむらくは語彙があまりに貧困なことかなあ。ライトノベルにそういうこと言うまいとは思ってたけど……。
まあそれが榮のかわいさを演出していたりもするから一概にダメとは言えないんだけど。



しかし商業BL作家ならセクマイ勉強していてほしいよね!さすがに仕事にするならね!
凪良さんはちゃんと盛り込んでくれるから好き。「ノーマル」呼ばわり指摘してくれてありがとな。これ読者に向けた啓蒙よな。
だからこそこの「オネエ擬態が処世術」設定が書けたんだろう……つらい。
ホゲることこそ「本当の自分」扱いなー!好きな人が行きすぎたネタに乗っかるショックもその後怒ってくれるのもうんうん一喜一憂ジェットコースターな……疲れそう……。
このへんの設定があとに引いてくることをちょっと期待してたけどなかったな。
そしてこういう設定だからこそ「バーのママがオネエのアドバイザーでここぞというときドスを効かせる」ステロタイプにちょっとずっこけた。うーん。
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by jinloturu | 2016-07-13 02:23 | BL小説 | Comments(0)  

逃げるは恥だが役に立つ7巻/海野つなみ

うわーいなんかぐいぐい読み進むな。
わかる、ふんわりと、恋愛をすることもあるでしょうというのはわかる、けど、みんな恋愛関係に陥ると結局恋愛イデオロギーに回収されてしまわないか……?と思ってなんかもやもやする。
なにしろこのイデオロギーは多大に強力だからさ……。
百合ちゃんが「若い子を安心させたい」と言うならそれは肯定されてほしい。
いや作品的に肯定してはいるんだろうよだけどなにしろ強力だからさ……!!

あとがきの「結婚してもお金ほしいなんてがめつい」って読者の感想に心底びっくりした。
えっえっ?!……えええ!!?
……な、なるほど、恋愛ものとして見たらそうなるの……か?うーん??
「そういう」漫画なのはわかるけど。
あとやっっっとゲイの描き方がまともになっていてほっとしました。
だが心底これが好きになれるかと言ったらそうでもないな。
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by jinloturu | 2016-06-22 03:15 | 少女漫画 | Comments(0)  

やがて君になる2巻/仲谷鳰

すごい反響だなあ……。
やはりアセク成分を上手く取り混ぜると王道から逸れて面白くなるのよ。

だから侑に好きが訪れないでくれ頼むー!って感じ。
好きになってみたいんだなあ……それがなくてもいいって思えるエンドになったら素敵なのに。
そして人を好きにならないからこそ侑を好きになれる先輩もなかなかのもの。ぞくぞくする。
侑が先輩を好きになった瞬間から静かに冷めていったら本当拍手したい、超見たい。
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by jinloturu | 2016-05-03 08:08 | 百合 | Comments(0)  

恋する暴君10巻/高永ひなこ

「本編後の平和な日常」をこう長々と見ていられるのって幸せだよな。
しかもそんなに蛇足とは感じさせない。
なにしろキャラが立ってるからなー。
「ケジメのないのがヤ」って説明してくれる兄さん……感動。
筋が通ってるもの。
キャラの言動が過去のいざこざ(解決済)のわだかまった結果だと見せてくれるのが好き。
森永の自信のなさなんかもだけど、手を振り払うところとか「自己完結か謎解釈か」とかね……宗一あそこで森永を否定してしまったと思ってたのか。


はてさて現在同性パートナー持ち元ホモフォーブの宗一と国博が森永両親にどう掛け合うか気になる。
そのへんの描き方は信頼できる作家さんだから。わざわざ宗仁さんの対応を指して「ふつう」を「平均」と言ってくれる細やかさが好き。
海外婚と養子縁組をやったので次はパートナーシップ制度使おう……日本で同性婚法制化されるまで連載続けよう……。
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by jinloturu | 2016-04-23 16:36 | BL漫画 | Comments(0)  

地獄のガールフレンド2巻/鳥飼茜

ああ……母親やめたいとこぼすことの後ろめたさ……。
共感できるわけじゃないし、子供育てたいというわけでもないけど、知っていたほうがいい感情だと思う……。
しんどくて、そのしんどさは社会のせいでもあって、でもとりあえずそういう中で生きている人たちの日常な。
そうして恋愛をするにも一歩引いてしまう。

エスコートを期待するのもされるのもしんどいよな。
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by jinloturu | 2016-04-23 16:35 | 少女漫画 | Comments(0)