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蛍火の杜へ

だめだって私こういうのめちゃくちゃ弱い……!!

アニメをみる。
ひっさしぶりに「少女漫画っていいなあ!」と思った。
こういうのだよね。
恋愛ものってこういうのだよ。私が求めてる恋愛描写ってこういうのだよ。

なんか今も書きながらずっと泣いてるんだけどなんでこんなに……弱い……。

ギンが消えることは最初から予想がつく。
変な小細工もなく、おじいちゃんへの説明どうしてたんだとかにも突っ込まず、話をむりに膨らませることなく、蛍の日常描写すら最小限に、ただふたりで過ごす夏を丁寧に叙述した。
それだけのことの上手さときたら。


序盤の攻防。
触らないでね。
夏のマフラー。
同級生の男の子。
あと3年。
人混みをかきわけて。
本望だ。

こういう些細なひとつひとつを描写というんだ!
祭りとかさりげない伏線が生き生きしてる。

お互いどれほど触れたかっただろうとか、きっとギンは毎年蛍に忘れられることを怖れながら待ってたんじゃないかとか、あらゆる一切を省くからこそ些細な描写から想像をかきたてられる。
うっまいなあ……。

蛍の同級生の男の子がきっちり必要程度の役割しか果たさなかったのがよくて。
例えば蛍が女友達の話をギンにしてて、ちらとその男の子の姿を思い浮かべるんだけどなぜか後ろ暗くて隠して、察したギンが「男は?」と聞いたりして微妙な空気が生まれるとか、凡な作品ならそうしてる。
会えない、流れる時間が違う、触れられない、ふたりの間にあるのはそれだけなんだよ。
物理的な遠距離すら装置に過ぎない。遠いことそのものは問題にされてない。(だからこそ、遠さに馳せる想像が膨らむ)
ふたりにあるものは「恋愛」かもしれないけど、「恋愛」を意識させると、この作品のシンプルさゆえの哀切がぼやけて壊れてしまう。
それだけ繊細なんだ。

大好きな作品になった……。
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by jinloturu | 2017-09-16 19:00 | アニメ | Comments(0)  

結城友奈は勇者である

なんで誰もこれを私に薦めてくれなかったんだ!!
戦う女の子……
泣いてわめいて打ちのめされて、どうしようもなくって泣きながら立ち上がり咆哮する女の子を、私に!


夏凜ちゃんの雄叫び……
怖くて震えてもそれを押さえつけての雄叫び、勇者部五箇条を振りかざした彼女が、もうね、すき……。
あと風ちゃんがすき……。
なにもかも背負い込んでしまう、まだ中学3年生なのに「樹さんの保護者」をなんの抵抗もなく聞き入れてしまうから感情の堰が切れた涙が光る。


切れなかったんだよな友奈ちゃん。
なんでもポジティブに捉える友奈ちゃんはつらくもあるけど救いにもなる。だから簡単には戻れなかったんだけど。


まどマギフォロワーでありながらまどマギを求めると肩透かしを食らうみたいな情報はおぼろげに知っていたので気をつけてたのですが、あまり気負うことなく楽しめた。
日常回がたんまりあるのってありがたいじゃないか……一粒の緊張感をまぶした日常回って見ていたいじゃない。
まどマギの残像が重ならないほどの月日が経っているしね……TVシリーズ5年以上前なんだな。


最初車椅子に乗るキャラが特に説明されることも気にされることもなく自然に手助けされてバリアフリーに生活している!すげえ!と思って。
東郷さんが「変身時のみ立てるようになる」だったら嫌だな立てなくなっても動けることを証明してほしいと思ったら脚で立たないデザインですげえ!!!と思って。
だから車椅子であることに意味付けをしてほしくないと思ってたのよね、8話はラストまで乃木園子が東郷さんと関わりがあったなんて気づけなかった。
8話の衝撃な……忘れている記憶への思い。さびしさ。
と思ったらタイムリーに秋から鷲尾須美は勇者である放送するんかーい見なきゃ。
「食事が豪華だったのは労いじゃなくて供物」とかこっええわ……。

まあ「身体機能の欠損」はどうしても「絶望」の道具として扱われるんだ、とは思ったが。「完治すべし」なんだなとか。


樹ちゃんの「勇者部に入らなかったら歌いたい夢も持てなかった」という肯定はなんか……そうだよなあ……と。
東郷さんの絶望だって深いでしょう……友奈ちゃんの勇者力に救われてしまったけれど。
システムを変える力などない。
女の子が犠牲になりつづけるシステムが存続するのはやはりどうかと思う。
ていうか、今後またバーテックスが現れるとしたら、どう考えても後輩じゃなくてまた勇者部の面々に白羽の矢が当たると思うんだけど。機能を失ったまま。
来期には記憶を取り戻したわっしーと乃木ちゃんの再会が見れるのか。
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by jinloturu | 2017-09-16 18:57 | アニメ | Comments(0)  

銃座のウルナ1-3巻/伊図透

なんだこの胸苦しさは。
取り立てて奇抜なことをやってるわけではないのにぐいぐい読ませる。
面白い。

雪は閉塞をもたらす。
女部隊は辺境を表す。
トロップの平和さがそれらを引き立てる。
世界から隔絶された地でしかし閉塞感を打破するために戦うのではない。
だから胸苦しい。
その先にはなにもないから。
むなしさでもない。辺境までウルナは自分の足でやってきてカレットとふたりだけの楽園を築いた、流れるままに迎え入れられたから。
救済のための楽園ではなく、だから死守すべき花園にはならず、失うとは思ってなかった。ウルナがトロップを簡単に捨てられたのはそれを失うと思ってなかったからだ。

ヅード殲滅戦前夜、ここだけは、ここにだけは男が来ないでくれと願った。
男が乗り込んできた、辺境だった女の園が初めて男に踏み荒らされる、(構造として)世界の中心地になる。
乱交が、そのなかにレイプもあった、ウルナとカレットの秘密基地を浮き上がらせるための男女セックス。
翌日あっさり男に侵入されてしまうのもあの夜を際立たせることになる。幻のような淫靡。

そうなんだよなーカレットさんまじかーここで死ぬかー……。
犬とカレットさんを殺したヅードはラフトマの愛人……?
画的な衝撃を選ぶなら首をはねればよかった。
しかし肩なんだよな。肩で死ぬんだよな。
これはヅードの倫理観と覚悟の弱さを表現しているんだろうか。
世界の秘密を知り加担し秘密基地を失ったウルナは辺境の地でどこまで自己を保てるのだろうか。
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by jinloturu | 2017-08-27 16:41 | その他漫画 | Comments(0)  

君は夏のなか/古矢渚

ずーっと読んでる。
真骨頂だ。
夏と男子高校生相性よすぎでしょ。

相変わらず要素の調理がめちゃくちゃうまいんだよな~。
場面チョイスがドラマチックで素敵。
雨のバス停という王道であーだから好きになったんだなあいやそりゃ好きになるよ~っていう納得と気持ちは充分伝わってくるのにどこかでセーブかけてしまう
空気感、一描写一エピソードから伝える説得力が高いんだよな。
渉が佐伯を好きになってく過程も。

ナンパかーわい~。
受けのことが好きすぎるのに自分に自信がなくて自己完結しちゃうけど許されるならばいつでも受けに触れたいし気持ちを表現したい攻め大好きだよ……。
じっさいエロは見たい。二次創作では描いてるらしいんだよな~。
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by jinloturu | 2017-08-27 16:40 | BL漫画 | Comments(0)  

男の絆-明治の学生からボーイズ・ラブまで-/前川直哉

意外とジェンダー論初学者に向けて書かれてた。
セジウィックの論が難解だったからかな……。修論下敷きというのもあるだろうけど。


そうそうー!
「昔の日本は同性愛に寛容だった」論イラッとするんだよ。
ホモソ下位への搾取と対等な人間関係の区別がつかないのかと。
別に……いまの同性愛者がみな対等関係つくってると思ってるとか対等信仰したいとかじゃないんだが。

まああと教養のない頃は同性愛差別の原因はキリスト教の流入だと思っていて、次に性科学の流入だと思ってたけど、そうじゃないんだとわかってからは明治日本の流れを知りたかったのでようやっと読めた。


男同士の性行為が硬派学生のものから軟派学生のものへと変わっていった経緯とか、結局人間意味づけによって言動が抑制されるよなと。


あーあと近代家族観=伝統論もうざいよね。
いかに明治期女が家庭に押しやられていったかとか、高度経済成長の波によりそれまで少数だった外で男が働き女が内で子育てする家族が急増したとかわりと初めて知る知識だった。

これ書き足そうかな。
「外で社会を生きる男は友を想う気持ちが強いが内で家庭を生きる女はそれが薄い」とか百合オタ的には腸煮えくりかえるぞ。


それら偏見を破壊する著作と見ればたしかに初学者にこそ薦めるべきなのかもしれないな。


BL論的には物足りなさすぎるけどまあそれが主題でないし。
論に持ち出すのがグリーンウッド(のみ)っていうのはチョイスそこか~って感じだけど当時はそこまでのインパクトあったのかね。いや面白いけど


後輩が電車で女学生と話して笑っただけで「女子に歯を見せるとは何事か」といきなり鉄拳制裁する硬派学生、という例示にめっちゃ引いた。
あああの手の保守的価値観人間の自己と他者の同一視ってこういうことか(いやここまでじゃないけど)……おっさん価値観だと思ってたけどおっさんも若い頃があったんだよな……って妙に実感する。
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by jinloturu | 2017-08-27 16:39 | エッセイ・評論他 | Comments(0)  

AIの遺電子6巻/山田胡瓜

この作品のなにがいいって家族観だ。
「本物の母が三人いる」とか「洗脳しても努力なしに仲のいい夫婦にはなれない」とか「それが子供のためになるわけではない」
とか。
唯一2巻あたりの「いくらでも容姿のいいアイドルは作れるから差別化競争が激しくなる」には疑問を呈すけど(整形が忌まれるのと同じできっと「本物の人間であること」に価値が見いだされるはずなので)それ以外の価値観だいたい安心感が強い。
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by jinloturu | 2017-08-27 16:35 | ショート・ギャグ・短編集 | Comments(0)  

有頂天家族2

日々の癒しだった。
矢二郎推しなのでいろんな化け姿が見れて嬉しかったし旅立ちわりと本気でさびしかった。
鬼とか地獄とか将棋の駒とか虎とか将棋盤の虎歯形とか叡電とか次から次へと飽きないポップな画面。

ごりっごりの家父長制を特に疑うこともなくやってのけるのを素直に見れるのはごりっごりだからですね。
賛美ではなく清濁あわせもつ日常。
根底にあるその設定がしがらみを生み波乱を起こしそりのあわないたぬきとも血縁者だから切り離せないし逆に家族の連帯というしがらみで良い感じにまとまる。

偽右衛門の立会人を受け持つ天狗のメンツとか泣けるほどどうでもいい……どうでもいいのにそれが彼らの生きる術なんだ。


通行人から画面端の街角を通りすぎるバスにいたるまで細部のモブが動きすぎて狂気……一人一人が生きている……そしてもはやどうとも思えなくなる視聴者としての慣れもこわい。
人間が生きている世界と重なっているという説得力のためだけに、しかしそれがこの作品にとって重要な要素で、狸と天狗と人の違いはまったくあやふやでありながらこれが狸というものなのだと納得感が生まれる。
愛はエゴなのだ淀川さん好き。
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by jinloturu | 2017-08-21 22:41 | アニメ | Comments(0)  

相対的伊勢田くん/会川フゥ

好き……癒し……
最近繰り返し読んでる。
こういうカプに弱いんだ!ひっそりと愛してる!
潤の愛情と欲がまみえる瞬間も伊勢田くんが「潤にフラれたら俺からなくなるものが多すぎる」と泣くのもその培ってきた情の大きさが私の主食です。
描写に物足りなさがあって何度も読むけどそのうちやっと「ああ~好きなんだな~」と実感し萌えてきた。
会川さんの軽快なノリ好き。

さりげなくセクシャリティを描くにあたっての気遣いが見えるのも好きです!!
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by jinloturu | 2017-06-11 23:29 | BL漫画 | Comments(0)  

先生の白い嘘7巻/鳥飼茜

美奈子が……!!
いちばんの衝撃だった。
美奈子がついに気づいた、ホテルへ向かった、美鈴先生の前に現れた。
美鈴は諦めたんじゃないのかと想像した。美奈子を認識した瞬間、この状態でいてもなお美奈子から責められるのだろうことを諦めたんじゃないかと。

ああー……
「私たちはそんなに遠くないはずだから」。
見下し見下され知らずいがみあうよう仕向けられた女たちの連帯を。

ひとりでいなきゃ強くなれないと新妻くんを手放すのもすごく……好き。
男の手なんか。
でも先生は先生なんだよな。権力なんだよな。
今度はミサカナちゃん救われないかな……年を経ないと周りに連帯できる女の子が現れないものなの……。
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by jinloturu | 2017-06-11 23:25 | その他漫画 | Comments(0)  

ファイアパンチ1~4巻/藤本タツキ

え……まって……すごい……すごい面白い……………………

1話が話題になって面白くて出落ちかと思いきや本物だったっていう……。


エロスとタナトスと宗教倫理そして文明。
どこか進撃に似ているけれども決定的な違いはエロスとタナトスだ。進撃は未分化だがこちらは性のにおいがすごい。しかもいやらしいわけではなく。

途中で突然同性カップルが現れて「僕らも常識から逃れてきた」とか言い出したので、「え……うん、作中倫理を疑い揺るがすのに手っ取り早く"使える"のが同性愛だったのかな?まあ現代的だな?」と思ったんですが、ちがう、それだけの意味じゃなかった、それだけの意味じゃないことに泣いた……。
根幹はエロスとタナトスだ。性という生と死だ。

生き延びるための食人、世代を継ぐための若い兄妹姦(未遂)、それらを忌避する倫理観とそうもいってられない切羽詰まった世界、葬式という儀式、「死んではならない」「生きて」という宗教観、生の苦痛から死へ向かう衝動と死に抗う動機づけ。
1話に全部詰まってる。

セックスがある。強姦が日常的に行われている。子供を産ませることが正義だと正当づけられて。下品なトガタ。
愛がない。性と愛が結びつけられていない。ただ強者の快楽と子をつくるためのセックスがある。
そして4巻ラストだ。
次世代につなぐ大局的アポトーシス!!!

急に飛ぶんじゃないのだ。セックスから急に死へ飛ぶんじゃない。
不死身の肉体再生。
「年よりよりも若い者を守る」。
兄妹姦の倫理。
同性愛と常識。
生があまりに過酷ゆえ子を残すことに懐疑がうまれる。
死にたい。
負けたくない。
トガタの性別の謎。
すべて次世代につなぐための力点をセックスに置かないための。

そしてそのためにセックスがある。タナトスへ向かうために。アポトーシスが現実味を帯びるために。

なんか感動して泣いてた……。




読みながら感情が同期してしまって、そして現実を投影してしまって、そうだよこの世はディストピアだよと思って、私がタナトスを感じて、安寧のための死を想って、いた。しんどい。
そしたらさあーー、、この世界に、負けたくなかった。
この世界に負けたくなかった。
泣き崩れるわ!!

そうして正義が生まれる。掘り下げばっちりだな……。


死のために宗教がある。神が要る。
宗教、倫理ときてスターウォーズの新作のための破壊!!!文明!!!!文明だ!!!!
映画!漫画でメタやって読者を現実に引き戻してリアリズムやって地球を捨てた人類SFそしてスターウォーズにつなぐ!
はあああ……



しかし近親相姦に同性愛にクローンに、そこから見いだされる生命とつながる命と生命倫理、って、やっと時代が90年代の少女漫画に追いついたかなって感じ。
破壊と再生だよ。まんま少女漫画じゃん。そしてその先だ。
あー少女漫画と少年漫画が混ざってくれるの嬉しいなほんと。
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by jinloturu | 2017-05-31 14:20 | 少年漫画 | Comments(0)