王とサーカス/米澤穂信

衰えない鋭さ……。
山場は殺しの謎解きシーンじゃない。そのあとだ。そのあとが米澤穂信だ……。
荷車、荷車ね……。
憎しみ。報道への、記者への、憎しみ。そして矜持。
『真実から10メートル手前』の万智よりもずいぶん精神が幼い。報道に対する姿勢。匙加減うまいなあ。
『さよなら妖精』まんまと読み返したくなる。

キーワードのちりばめがそのまま伏線の伏線になってるの面白いな。
キーワードで物事を繋いで、「あっこのワード前にも出てきた、なんだっけ」の想起を繰り返させる。
太刀洗、の意味も。
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# by jinloturu | 2016-11-21 18:13 | 小説 | Comments(0)  

ちはやふる33巻/末次由紀

気づいてしまったんだけどわたし……既にちはしの手遅れなところまできてるかもしれない……今さらだけど……。
す、すごい……好き……。

だってこれ救いでしょう。千早はいつもいつも気づかないところで詩暢ちゃんを救っている……。
潔癖の詩暢ちゃんはいつでもかるたが一番ではない人が嫌いで、千早にも新にも失望して、でも、実は自分が間違っているのではないかと不安をもたげた今回で、これだよ……。
かるたが一番だって、一般的な「青春」よりも「恋愛」よりも大事だって、言ってくれたんだよ千早……!!!
しかも新も同じようなことを言ってくれたはずなのに「下から来るかるたバカ」って千早のことしか意識してない……!!!!
ちはしの……だめだ……これ……ていうか、たった今書いてて気づいたけど、これ「異性を踏み台にして同性の絆を深めるカップリング」の類型ですね……私が好むはずだわ……。
いや少女漫画の百合は、むしろ、男とくっつくとわかりきっていてその根底があるからこそ安心して女同士の絆を見ていられるみたいなところあるんだけど……。


いやでもまじでここ抜かりないな毎度ながら。
『ちはやふる』稀に見るお花展開恋愛展開大放出かよ~~ちょっと着いていけない『ちはやふる』はかるたバカのはずだろ~~~
と思いかけたところに、主人公が、ひっくり返してびしっと決める。匙加減ばっちり……。
それでいてあらちは派にも美味しい感じの甘味を残して……。
「千早にも 周防さんにも 負けたくない」
ここね、太一にも、ってモノローグ落とさないところが本当好きです。
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# by jinloturu | 2016-11-21 18:08 | 少女漫画 | Comments(0)  

進撃の巨人20巻/諫山創

うそでしょアルミン……。
ちょっとうそでしょ……?

いや、はや、なんなんだよこの切望と痛みは。
なんなんだこの生き様は。無念は。
あまりに小さい、一人ひとりが成した、死ぬことで成した、功績はあまりに小さい。だけど大きい。それがなければ一筋の希望さえ潰えるという意味で大きい。

え、うそでしょアルミン……。
エルヴィンも死んだの?あんな無様に?
陽動て。ふたりとも陽動だよ。ただの。はー……。わかってたけど。わかってたけどさ~~進撃がこういう話だとはさーだからこそ魅力的だけれどもさあ……。
なにを背負って前に進めるというんだよ。
この絶望からの活路見いだし逆転劇からの代償の描き方めっちゃ上手いな……。
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# by jinloturu | 2016-11-21 18:06 | 少年漫画 | Comments(0)  

千と万3巻/関谷あさみ

やっと3巻出たと思ったら中途半端なところで完結……雑誌の動向なんて気にしてなかった。ちょっと悲しい。

この生活感が『千と万』のよさですね。
蛍光灯のサイズが合わなくてひっそりと買い直す、かわいい。そしてこの感覚めっちゃわかる。
一大事だ。この中学生のリアル感、なかなか描けないよなあ。
やっぱもったいないなあ。
お疲れさまでした。
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# by jinloturu | 2016-11-21 18:05 | ショート・ギャグ・短編集 | Comments(0)  

しまなみ誰そ彼2巻/鎌谷悠希

加害者……被害者も加害者……。
美空さん、あそこでちゃんと怒れるんだなって思った。でも、最初はなにが起こったのかわからないのも。
つーかそもそも痴漢を、冤罪ネタとしてでも、性的な表現方法でも、男や女に醜悪なステレオタイプを押し付けるでもなく人災的恐怖として描ける漫画自体稀少だよな……。

椿くんのお父さんの無邪気なアウティングにもぞっとした。一橋の事件のこと忘れられない。(あれは完全に「無邪気な」ではなかったけど!!)
もうね、たすくの、「何故椿くんが自分を知っているのか」で瞬間的に自身のトラウマシーン甦るのがね。
あんな些細な一幕でしかないのに。ないのにたすくにとっては人生をも左右するっていう……。
でも椿くんもそのときのこと覚えてるというか噂話は聞いてたのかな?
意味深なラストである。金魚救うときの美空の叫びはあとから思い出して印象的だったとかなら笑うな。
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# by jinloturu | 2016-11-21 18:04 | その他漫画 | Comments(0)  

ごちそうは黄昏の帰り道2巻/志村志保子

はーーしみじみいい。しみじみ良いよね。良いんだ。
の意志を尊重してくれた大家さんにじんわりして、母親の子育て振り返りに妙なリアリティーを痛々しさを感じ、これこそ志村さんや……安定感……。

昔の読みきりは素材はいいんだけどキレが弱いところがあり、惜しい。
こういう話を描くのにも技術がいるんだなあ。
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# by jinloturu | 2016-11-19 23:36 | 少女漫画 | Comments(0)  

ゼーガペイン 喪失の扉

前から持ってたんだけど、前作『忘却の女王』がつまらなかったのもあるし、表紙のキャラがルーシェンに見えなくて何故か別の人「マオ」が主人公だと思ってたから愛着湧かないし、つまらなかったし、断念してしまっていた。
ADPにより久々に取り出してきた……。

前半:あっ記憶にあるよりか面白いな
中盤:ルーシェンの過去だー! 資料的に面白いなー!!
後半:結局オリジナルキャラにかけらも愛着湧かなかった……つまらない……

でした……。ルーシェンの過去とゼーガの詳細設定は資料的に面白かったですよ。
ADPでも出てきた地球地下工場の設定は『忘却』のほうなんだっけ?

ルーシェンの設定盛りすぎて笑った。主人公だー。
アニメ版はあっさりシンに格闘で倒されててちょっと可哀想で笑ったのに大活躍じゃーん。ていうかセレブアイコン色々できるんだな……。
ルーシェンは世界を統べるばかりか完全に責任の一端を背負っていたわけね……。ナーガがオルムウィスル撒こうと着想得たのだって。
こういう世界の重役である人間が幻体化して1パイロットやってるだけでルーシェンの熱さがわかるよね。まあカノウトオルもやってたくらいだしパイロット不足なのはそうだろうけど。
ていうかルーシェンがキョウに惹かれた理由もわかるというもの。こいつ頭よくて腹に一物なくて純粋で自分にない発想持つ男が好みなんだな。

あとサーバーに入った幻体がその記憶を失ってる理由が一番の衝撃でしたね……。
考えてみればそうなのだけど……。
AIと幻体の差を作ってないザミン・ウドサーバー、テーマ的にわくわくするけどそのへんは完全無慈悲でしたね。
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# by jinloturu | 2016-11-19 23:33 | 小説 | Comments(0)  

蒼穹のファフナー5巻/XEBEC/松下朋未

ローンドッグ野郎いただきましたーー!!!


ごめん……翔子よりも先にインパクトが……ローンドッグ野郎いただきました……待ちわびていたよ……。

だってしばらくは、、模擬訓練時まででさえ、態度普通に見えたじゃん。
普通ではなかったけどアニメ版に沿っていたじゃん。
あれっこのままなのかな?小説版甲洋スルーかな??
……と思いきや。思いきやの。
模擬訓練を挟むことで毒親強調し追い詰められ度増している。
甲洋の心理描写くそ丁寧だなあ……最高と呼ぼう……。
甲洋の優しさがね。どの媒体より随一優しさ増し増しだった甲洋がね……この蔑みの目めちゃくちゃ興奮するな!!!?
待ってました。


墓の一騎の「俺は平気だ」も満点だと思いますね……そして総士もそれに突っ込めないっていう……いいなあ14歳。そこに立ち戻る。
海辺でも決壊しない、まだオチない、平気だって言い続ける。

バーンツヴェック稼働確認で甲洋が翔子から目を離すとか、リンドブルム調整中だから一騎が追い付かなかったとか、毎度ながら地味な繋ぎの説得力感心ばかりだ。

ちゃんとジークフリードシステムからのアクセス不能も新型フェストゥムも強調してるし、保さんの「大人をなめるんじゃない」を食って確固たる意志を見せる総士とか調整中のリンドブルムの性能を越えてまで追い付こうとするから翼爆発してしまう一騎の切実さの表現とかさあ……。
約束!! 一騎の約束……。
「これがやりたかったんですよね?!」感がすごい。
この、準備の整わないなかで誰もが精一杯対応してそのぎりぎりでの戦いで選択を貫いた者が完遂し翔んだ翔子に結実する。
このね、真矢ちゃんがこぼす言葉が「やだよぉ……」なのまじで真矢ちゃんのキャラが立っていて好き。
アニメはそもそも戦争の現実感がなかった子供たちの呆然が描かれたけど、そうだね、現実が迫りつつ受け止めきれない真矢ちゃんの心情は、「やだよぉ」だよ……あの顔で……。


あとさ浜に落ちてた部品、この場合マークゼクス確定になるよね? 他に破壊された機体もないし?
いやエルフの可能性もあるんだっけ?
暗夜航路ね。暗夜航路だ、一騎の一人落ちた海の安息。
泣くことさえまだできない一騎が決壊する瞬間がまた楽しみですね……。
甲洋のことが一騎を孤独に追いやり翔子のことが重たい枷になる描写を全面にやってくれると、期待してます。
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# by jinloturu | 2016-11-19 23:30 | 少年漫画 | Comments(0)  

溺れるナイフ/監督:山戸結希

ついに少女が死んだ!!


ずっとずっと少女の遺作を撮ってきた。儚い少女のゆらめく一瞬を切り取ってきた。
儚かった少女はついにその身を滅ぼした。
いや、自動詞ではない。受け身だ。滅ぼされた。少女は殺された。
殺された。「正しい男」に殺された。その正しさに殺された。



感想よりも先に作家論を書きたかった。
書きたくて書いたら作品読解になった。↓

感想を漁ると、いつもの様子とは違った。いつもよく見るのはサブカル層が山戸結希に感化されてポエムを並べ立てる姿だ。
私もその一人だった。だけど私はサブカルじゃなくてオタクなので作品分析をした……。
今回は「よくわからなかった」という感想を散見。「よくわからない」層に届くような映画なんだなって新鮮だった。
と同時に、これを見てなにもわからないの!? なにも伝わらないの!? とも思った。既に山戸信者だな私。
よくわからなくても、山戸結希の末恐ろしさは伝わっている人も多く、それは安心した。よかった、わかるんだね。



末恐ろしかった。
私は見る前から期待値上げすぎていたことはわかっていたから、序盤、展開の早さ夏芽とコウのやりとりの雑さに不安を覚えてた。このまま終わってしまう映画だったらどうしよう。
油断したね。助かるんだろうと、間に合うんだろうとどこかで思ってたよ。
少女の処女性を描いてきたから、少女が本当に今ここで死ぬなんて、思ってなかった。
死んだよ。殺されたよ。
あのレイプ犯はけして歪んだ男ではない。山戸映画においては、正しすぎるほど正しい男だ。

見たか。山戸映画の処女たちよ。
外に出た、閉塞を抜けた舞子が、しほが、りこが、どうやって死んでいくか、見えてしまった。死なないならそれでいい。だって彼らは受け入れていた、消費されることを知っていた。
……違うよごめん。死ぬことを受け入れていたね。


そこからはずっと苦しくて、服や体を掴みながら耐えて、滂沱にあふれる涙をやり過ごしていたんだけど、わかんない、どこだったかな、ラストのほう体の痙攣が止まらなくて恥ずかしかった。
とりあえず二回見たけど二回目も二度目の火祭りで痙攣した……。

そしてさっきたまたまネットでこの記事(美人ってどんな気分?美人に人生観を聞いた!)を読んだら、体が震えてきて、「あ、『溺れるナイフ』で体験した震えとまったく一緒だ」と納得した。
正しい男。女が男に消費される存在であることを一切疑問に思わず、女が性的に消費されてすり減らされるものを一切想像にのぼらせず、まさに今目の前の女の心を削ってるなんて思いもよらずただ「褒め言葉」を撒き散らす正しい男。
そうだね私たちのいる社会はそういうところよ。だから山戸映画が響くんだよ。
処女を殺された私たちの。



映画を見た直後に未読だった原作全巻読んだ。
原作の根底を成している魅力さえ引き出せれば別メディア化が成功、してなければ失敗、だなんて嘘だ。
映画『溺れるナイフ』は原作の一番の魅力を間違いなく損ねてる。
彼らが生きようともがく姿。子供時代の殻を抜け、ただひとりの人間に成ろうと矜持を捨てない姿。それは、映画、ないよね。

がむしゃらな少女少年たちの切なる精一杯とか荒々しくて止められない純情とかそういうものはある。何を措いても輝かしい生命力もある。原作の持つ痛々しさを越えようとする気概もある。
しかしその痛々しさは完全にヤマトライズされてた笑

原作ファンの不満に「コウの背景が見えない、理由付けが弱い」というのがあった。
なるほど原作読んだらコウちゃんひとりの少年だった。母を求めて母(血)の呪縛に縛られ夏芽の子宮に回帰しそして葬りたがるただの少年だった。
そしてふたりはやっと人間に成る。

映画のコウはひたすら夏芽のファム・ファタルだ。
加えて言うなら私はこのコウを夏芽の処女性の具現化だって解釈する。それは上の考察で書いた。
理由付けなんかいらない。ふたりはただひとつだった。甘くて柔い蜜月を過ごしたひとつのものだった。
充分だよ。


エンドロールで大友役の子がジャニーズって知ってちょっとびっくり。めっちゃ上手いなあ、素が。
夏芽の眉毛を見ようと前髪に触れるときの少しのためらい、緊張感の手の演技が好きだな。

主演4人ほんと凄い。
面白く生きてみせるから!!あいつの呪いにかかったままなんだな!!
はーー。
構成が洗練されてたのは脚本の力なのかなあ。(脚本の人、山戸映画批評で「正しい男」的無神経発言をするからあんまり好きではないのだが、だからこそ山戸監督がこの人に惹かれるのもわかる気がするからなんとも……)
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# by jinloturu | 2016-11-08 19:39 | その他 | Comments(0)  

ゼーガペインADP(初見感想)

※初見の感想。噛み砕いたあとの感想は→こちら
なんで2つも記事upしたかというと、こっちをADP見ようか迷ってる人に読まれて「ああつまらないのか」と勘違いされて人知れず断念されたら嫌だったからです。
面白いんです噛み砕きさえすれば。初見はちょっと固すぎて大盛りすぎて顎が動かなかった。
上映終了後なのでup。ネタバレ前提。






ずっっっずるい……!!!!!!
それは!!!ずるいぞ!!!!



もうねラストがずるい。という話を先にしたかったけど落ち着けてからにしよう。



とりあえず、初見感想。疲れた。これに尽きる。
事前監督インタビューで、「詰め込みすぎた」「場のダレがない」「森羅万象ということで」って話が強調されていたけど、ここまでとは思わなかった。……思わないでしょ!?
本当に疲れた、脳みそ飽和したわ。
初見は頭からっぽにしていたかったけどここまで謎が謎を呼んでいるとフル回転で考えるしかないでしょ……。
世界観時空間時系列がわからなければキャラの掘り下げ関係性をどう描きたいのかもわからないしADP新キャラをどう処理するのかもTVシリーズ本編との設定齟齬をどう解決するのかもそもそもどの程度齟齬を入れたのかもどの立ち位置から見ればいいのかも落としどころをどこにするかもなにが伏線になるのかも何もかも、わからない!!!
その上で本当にシーンやエピソードや事件が断続的にまじで隙間なく入るし「うわーこのカットこの台詞こう再解釈されたか!」っていうのもどんどんくるしもうしんどい………………。
あまりにエピソードが断片的すぎて途中から「これは単なるファンムービーでは?」と思ってたけど、一旦落ち着いてみると、むしろファンこそ初見楽しめないムービーでは???
考えすぎて疲れるので……。なにかな、私が余計に考えてしまうタイプだからかな。ここのところまたTVシリーズ見返してたからっていうのもある。



それでね、それで、そこへきてこのラストはずるい!!!!
この、疲労に麻痺した脳にドラッグ流し込まれる感覚!!!
念願のシズノルートだったのかよADP!!!知らなかったよ次はシズノルートとして見ます!!
私は今年のサンフェスで初めてADP本予告を見たとき、最後のシズノの悲痛の叫びに大衝撃を受けてぐらっぐら煮えてたんだ……それが……予告の仕掛けが……こうね……。
からの『羽よ背中に』はいっそうずるい……。
私は新居昭乃狂いとしてSBGのサプライズゲストライブでリアルに手を小刻みに震わせながら『羽よ背中に』を受け止めたし『リトルピアノ・プラス』聴きまくっていたしそれで一本評論書いたよ今度新居昭乃同人誌を出す予定だよ。
なんだろう興奮が湧き出てシズノの叫びに溶け合ってけれども感情が同期しなくてこのADPが私のなかでシズノに引っ張られないで、キョウの一人称と読み取れるのにADPという物語の全景を俯瞰したことにただ気持ちが浄化されていった。
パンフの昭乃さんの「絵を意識した」という言葉にあるようにADPは風景画あるいは宗教画だったのだとおもう……情報過多な……。
ごめんこの感情をぴたりと言い表す表現力が私にない……。
でも劇場出たらシズノのことと『羽よ背中に』のことが交互に思い出されてそれぞれに涙が出てきていた。



無駄に言葉を連ねてしまった。
なにに一番混乱したって、リブート前のキョウのキャラだよ……。ADP、途中で「なるほど!」ってなる構成、らしいんだけど、私はずっと混乱していた。
薄々わかっていたものの落ち着き払ったインテリキョウちゃんじゃなかったことがちょっと残念だった……。
いや、再解釈と言われたからには、全然本編と別軸として受け止める心の準備はしていたよ。あるいは、キョウリブート前の話ではないかと予想もしていた。
でもそれが合体するとは思わなかった~~。
私は、転送障害によってウェットダメージを負ってインテリ全開になる前の、ドラマCD最後の一日からしばらくして一回セレブラントとして目覚めたであろうキョウちゃんのことが非常に気になっていたんだよな。
だから見ながらそこのブランクを埋めてくれる話かなと期待したんだ。いつか大人キョウ化するんじゃないかと。
まさかあの大人キョウが完全になかったことにされてしまうとは……うん……いやだから何から何まで別軸なら受け止められたけど「過去編です」って言われてしまうとちょっと……しばらく時間がかかるかしらね……。

あと本当に伏線かと思ったら伏線じゃなかったの多いの負担すぎたね。
ミズキの「復活」発言から「ん?みんな自覚してるサーバー世界なの??」とかコハクラ先輩の回収はいつなのかとかコブラルが月にいるってことは未来か??とかカノウトオルが撮ってる街は現実なのか?とか無駄に考えすぎた。
(後日追記。月にコブラルがいたのはあの時点で月も最前線だったからだ……)
あっ、ミサキちゃんの「駅まで送ってって」発言から「あれ、サーバー内じゃない?現実か?」と勘違いしたけどこれはミスリードかと気づいて……でもこれでミスリード入れられるとさらに混乱する。いやだから初見頭からっぽにしていたかったけどちょっと無理でしたね。。
でもあれなんだね、ここ凄いね、劇場出てから気づいたけどミスリードをもっかい反転してるんだね。
記憶体だから現実世界ではミサキちゃんは舞浜外の私立中学に通っていた可能性がある……舞南受験予定だが。
(後日追記。あっ舞南受験発言したのルーパか!!目うろんだったのも伏線か~~)


ここな……このシーンの衝撃もすごかったね……。なるほどキョウちゃんの見たい風景……というかTV版最終話もそういうことだったのか。
あとはフナベリとカノウトオル(とツムラサチコ)があっさりロストするところと、クラゲが記憶を消してくれと頼むところが次いでかなり衝撃。
あとアークの目にダメージ受けてないカット不意打ちで涙が……。

まさかループを主題に持ってきてしかも転生もの感を獲得するとはね。
ループの疲労感がこう手触りを以て描かれるとは。
ただここでもちょっと期待したんだよね、「果てしなく繰り返す世界 疲れた」に接続するキョウをね。
違いました、「前向きに自滅」しなければならなかった、違いました。うんだから見方はわかったので次回はしんどくならない。(BD買ったけどうちのBDプレイヤー壊れてるので家でみれない)



……ここまでとりあえず見た直後に書いて、QL切れを起こして寝落ちしました。まじで頭煮えた。こっから翌日。


改めて。
うーーーーーーーん……。
大満足!!でも、これが見たかった!でもないんだよなあ……。
これが見たかった、なら本編軸に沿った過去編がよかったしなあ。
メイウーメイイェンの上海サーバー救出→サルベージもないしシマからキョウへの信頼も描かれないし、だけどルーシェンからキョウへの過去編らしき信頼とかミナトの不器用設定は採用されるし、どのラインだと考えればいいのか大混乱。(いやもうこれも見方がわかってないやつなんだよな、ドラマCD や小説版やパチスロ版も随所のみ取り入れたと考えれば納得がいくんだ)

いやそんな些末な不満ではなくて。
確かに、確かにこの映画はゼーガペインだからこそできたことだし、このSF設定を余すところなく生かした点では完璧だった。
だけど、私の好きなゼーガペインらしさが、そっくりない。
最近ゼーガの心理描写と人間関係描写について考えてたんです。
「俺たちは生きてるって言えんのか?」という根幹のSFテーマ。この心理描写はストレートにモノローグで明示される。
そしてそれを補完し奥行きを広げるために、人間関係描写が暗示によって表されるのが、ゼーガペインの魅力なわけですよ。シズノの「アークは私のただ一人の友達よ」とか、ルーシェンの「待たせすぎだ」とかね。
過去を匂わす描写も、戦闘シーンと日常シーンを重ねることで重層感を成す描写も、暗示ですべてが絡み合っていた。
そういうの本当に……これ初見だけど……なかったよね……??
うーん。
実際私の好む暗示的心理描写はだいたい桶谷脚本のことが多かったんだけど別に損なわれる心配はしてなかったのよ。関島さんならって。SBGの朗読劇なんか「これぞゼーガだ!!」ってどんぴしゃだったからね。
だから、そういうゼーガの魅力は、あえて切り捨てられたんだなあ……と思えて悲しかったかな。
劇伴で『消されるな、この想い』が一度も流れなかったのが答えかな……。

いや戦闘シーンは完全に期待通りでしたね!!
本当に、ああこの光装甲の透明感を絵にしたかったんだなあ、と感慨深いし、まじでVR感あったよね!?
なんだろう迫り来る立体感。
オケアノス360度眺める回転とかさー。
かっこよくて美しいからこそ、月でのアルティール最期のずたぼろさがまた映えるったら。QLが切れてひとつずつ光が蝕まれていくのが。

それでねーシズノルートね……。
予告の叫びと本編ラストの囁きも本当にずるいんですけど「俺もさ、イェル」もなかなかの衝撃。
い、イェル呼び……!!!
これあれですよね、「ミサキ」「シズノ」の意味と自分の深層心理に"気づいてしまった"からってことですよね。
あれ、ミサキちゃんのこと本編で呼んだっけ、いやないよね。
そういう仕掛けをしてくるの本当にずるい……。
ここは完全にADPならではだもんね。家族が幻影であると気づいたキョウちゃんが、最期に選んだ呼び掛けが、シズノではなくイェルなんだ……。
シズノシズノと何度も呼んでいたから出た効果でもある。

(後日追記。シズノの名すら忘れたから、か。「記憶」がテーマのADPだから)


で、ですよ、それはそっか、暗示ですね。読解言語化厨の私の好きな。
さすがに2時間で3人たらしこむのはキョウちゃん気が多すぎない……!?
シズノルートだと気づいたの最後の最後だよ……なんだよ……。
コハクラ先輩も悲願のねじこみだったんだろうけど観客的には唐突すぎて意味わかんないし回収されないしおまけに未来のカミナギルート入れるかよ……!!!
爆笑のてんこ盛りだ……。
ていうか劇場特報『Silent Snow』時点でてっきりカミナギルートだと思い込んでたよ大混乱~~。
シズノとあまり心通わせる描写ないしキスも唐突だしシズノ派として素直に喜べない……愛してる、に「俺もさ」って言われてもいやお前の愛他2名にもばらまいてたよね?ってなる……悲しい……。
TV版の気の揺れ方は絶妙バランスだったんだ。。

それにしても浅沼さんほんと凄いな。演じ分け多彩すぎる。
パンフにあった「TV版のキョウと最後全部思い出したキョウを足した感じ」めちゃくちゃよく出てた。わかる……。
コハクラ先輩に対する態度も全然カミナギやシズノへのそれと違って、二人の関係性とドラマが見える。演技たったひとつで。「コハクラせんぱーい!」と笑う声ひとつで。凄すぎる。

あとカミナギの「ぶー」が10年前の「ぶー」だ!!!すげえ笑
舞浜南放送局ネタ……w
でも2006年時点で「変くない……?」あたりの若者言葉もちょっと古いのではと思ったけど「厨二……?」もなんかずれてるというか使い古された感じがあるな。
ていうか「なんかエロいな」「ありがと」がキョウとカミナギ固有の関係性描写じゃなくて「今時の若い女の子なら同世代の男からの性的評価は嬉しいのでは」っていうの初めて知ったよずれてない!?!?


あーーまあいいカノウトオル……。
CV柿原さんだったのは言語的な意味でかなーと思ってたら一言だけだったな、なんて言ってたんだ、何語だったんだドイツ語か……。
副司令のポジションが「ミナト」なのかシマ的に座りがいいのがミナトなのか……このへん謎多い。どっかになんか設定あったっけ。
でもポストシマだったんだな……ほんと一盛り上がりあって散るのかと思いきやあんなにあっさり……そうだオスカー作戦だ……。
ていうかそうだな、カミナギとかなり接点あったのね。考えてみればそうだけど、つまり「いても会えない人」とかではなく完全にまるごと記憶削除されたわけか。怖いな。
何かを為す大物だったろうになー……あんな小さな箱のなかで、フナベリもクラゲも、為す術なく。怖いよね。セレブラントほんとよくやるよな。
ツムラサチコはなんかハヤセの彼女としてすごいしっくりくる。お似合い……!!わかるーハヤセはちょうどよくずかずか入ってくる人好みそうーキョウのことも好きだったんだろうな。

ていうかフナベリがロストしたときの淡々さ怖いなって思ってたら最後のシマの30億データぶちこみ作戦ときた……。
いや正直最後らへんは情報摂取過多で朦朧としてたからちゃんと理解できてないんだけどそれでもこれはシマの冷徹さからくる作戦、だったのか。
冷徹というかねえ合理優先で感情を殺す人だけれども……。

最近TVシリーズを見返してたので、ADP見てひっさびさに(強調します)カミナギの声に違和感持ったけど本当それは表層的なことなんだよねえ。「変わらない」んだよカミナギは、花澤さんの愛着は。
序盤なんかシズノやシマちょっと違和感あったかな?くらい。
ミズキはTVシリーズとそんなに台詞変わらなかったからミズキ別解釈って感じで面白かった。

あと新規カット意外と少なかったな。確かにほんとじみなつなぎのカットばかりで。「期待していいんだな!」
舞浜サーバーのループ感には気持ちいいほどちょうどよくハマっていた。
でもサーバー外のカットはループでは説明できないわけで、「総集編である」というメタ意識を再度導入しなきゃいけないから、そこでもじみに疲れた。ちぐはぐ感。

あと見てて思い入れのあるカットってそんなにないんだなーと今思った……。
「このカットはこういうシーンで描かれたのだからこの意味でなきゃ嫌だ!」という過激派感情は起こらず。
いやまあ全部ばらばらの面白さが上回ったのかな。終盤で3話や1話のカットがきたり、クリスのウィザードでだったはずが確かにカットだけ抜き出せばキョウの後ろでも問題なかったり。
ああそういえばラストシーン(『羽よ背中に』の間奏が本当に雰囲気よくて最高だった……最高だったよ昭乃さん保刈さん……!!)の廃墟の花に触れるキョウ、台詞的にも状況的にも月爆発~サルベージ前って感じだけどそう捉えていいのかな?
シズノと出撃後一人で降り立ったところのシーンがぶつ切れで浮いてるので実はあそこのつづきなのかしらとか思ったんだけど。
ていうか月最後バニッシュしてもキョウのデータロストしないんだね?転送障害あるとわかりながらアウトした、わけでもなさそうだよね。台詞を見ると。なんなんだろうね。いや、転送したのかな一応。あの状況でできるかわかんないけど。


とにかくはい、とりあえずの消化はできました。今日朝起きた瞬間に「いややっぱシズノルートならもうちょっとどうにかしてほしかったよね!?わりと期待はずれだったよね!?」って不安が襲ってきたんですけど、やっと落ち着いて参りました。
今から二回目です。(10/16より)
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# by jinloturu | 2016-10-31 14:35 | アニメ | Comments(0)