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銃座のウルナ1-3巻/伊図透

なんだこの胸苦しさは。
取り立てて奇抜なことをやってるわけではないのにぐいぐい読ませる。
面白い。

雪は閉塞をもたらす。
女部隊は辺境を表す。
トロップの平和さがそれらを引き立てる。
世界から隔絶された地でしかし閉塞感を打破するために戦うのではない。
だから胸苦しい。
その先にはなにもないから。
むなしさでもない。辺境までウルナは自分の足でやってきてカレットとふたりだけの楽園を築いた、流れるままに迎え入れられたから。
救済のための楽園ではなく、だから死守すべき花園にはならず、失うとは思ってなかった。ウルナがトロップを簡単に捨てられたのはそれを失うと思ってなかったからだ。

ヅード殲滅戦前夜、ここだけは、ここにだけは男が来ないでくれと願った。
男が乗り込んできた、辺境だった女の園が初めて男に踏み荒らされる、(構造として)世界の中心地になる。
乱交が、そのなかにレイプもあった、ウルナとカレットの秘密基地を浮き上がらせるための男女セックス。
翌日あっさり男に侵入されてしまうのもあの夜を際立たせることになる。幻のような淫靡。

そうなんだよなーカレットさんまじかーここで死ぬかー……。
犬とカレットさんを殺したヅードはラフトマの愛人……?
画的な衝撃を選ぶなら首をはねればよかった。
しかし肩なんだよな。肩で死ぬんだよな。
これはヅードの倫理観と覚悟の弱さを表現しているんだろうか。
世界の秘密を知り加担し秘密基地を失ったウルナは辺境の地でどこまで自己を保てるのだろうか。
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by jinloturu | 2017-08-27 16:41 | その他漫画 | Comments(0)  

君は夏のなか/古矢渚

ずーっと読んでる。
真骨頂だ。
夏と男子高校生相性よすぎでしょ。

相変わらず要素の調理がめちゃくちゃうまいんだよな~。
場面チョイスがドラマチックで素敵。
雨のバス停という王道であーだから好きになったんだなあいやそりゃ好きになるよ~っていう納得と気持ちは充分伝わってくるのにどこかでセーブかけてしまう
空気感、一描写一エピソードから伝える説得力が高いんだよな。
渉が佐伯を好きになってく過程も。

ナンパかーわい~。
受けのことが好きすぎるのに自分に自信がなくて自己完結しちゃうけど許されるならばいつでも受けに触れたいし気持ちを表現したい攻め大好きだよ……。
じっさいエロは見たい。二次創作では描いてるらしいんだよな~。
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by jinloturu | 2017-08-27 16:40 | BL漫画 | Comments(0)  

男の絆-明治の学生からボーイズ・ラブまで-/前川直哉

意外とジェンダー論初学者に向けて書かれてた。
セジウィックの論が難解だったからかな……。修論下敷きというのもあるだろうけど。


そうそうー!
「昔の日本は同性愛に寛容だった」論イラッとするんだよ。
ホモソ下位への搾取と対等な人間関係の区別がつかないのかと。
別に……いまの同性愛者がみな対等関係つくってると思ってるとか対等信仰したいとかじゃないんだが。

まああと教養のない頃は同性愛差別の原因はキリスト教の流入だと思っていて、次に性科学の流入だと思ってたけど、そうじゃないんだとわかってからは明治日本の流れを知りたかったのでようやっと読めた。


男同士の性行為が硬派学生のものから軟派学生のものへと変わっていった経緯とか、結局人間意味づけによって言動が抑制されるよなと。


あーあと近代家族観=伝統論もうざいよね。
いかに明治期女が家庭に押しやられていったかとか、高度経済成長の波によりそれまで少数だった外で男が働き女が内で子育てする家族が急増したとかわりと初めて知る知識だった。

これ書き足そうかな。
「外で社会を生きる男は友を想う気持ちが強いが内で家庭を生きる女はそれが薄い」とか百合オタ的には腸煮えくりかえるぞ。


それら偏見を破壊する著作と見ればたしかに初学者にこそ薦めるべきなのかもしれないな。


BL論的には物足りなさすぎるけどまあそれが主題でないし。
論に持ち出すのがグリーンウッド(のみ)っていうのはチョイスそこか~って感じだけど当時はそこまでのインパクトあったのかね。いや面白いけど


後輩が電車で女学生と話して笑っただけで「女子に歯を見せるとは何事か」といきなり鉄拳制裁する硬派学生、という例示にめっちゃ引いた。
あああの手の保守的価値観人間の自己と他者の同一視ってこういうことか(いやここまでじゃないけど)……おっさん価値観だと思ってたけどおっさんも若い頃があったんだよな……って妙に実感する。
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by jinloturu | 2017-08-27 16:39 | エッセイ・評論他 | Comments(0)  

マギ33-34巻/大高忍

おお……運命をドストレートに問いかけてきた……。
力ではなく役割分担することが運命への対峙法になるってどういう意味になるんだろう?
ソロモンのやったことも悪ではないか、にアラジンの運命観はどう答えるんだろう、エゴにしかならないのかな。

なんかね究極エゴにしか辿り着かないんだよなと。
シンドバッドにしろアラジンにしろアリババにしろ。
「俺がしたい」「俺が嫌だ」。
個の重要性を説くからエゴがいちばんの説得力になる。
これがいつまで新鮮さを保って欺瞞にならずにいられるかには興味ある。
実際わりとマギ的全体主義観は私の本心で欲するところに近いので(と言ってしまうのも語弊があるけど)それを否定したあとの構築は相応の納得を望んでしまうな。
いやモルジアナの個の喪失をてこにしたことはすごくよかった……。
「いっぺん死んでみてから生まれ直そう」的時代の社会批評誰かやって。

4人でシンドバッドに立ち向かう、思想とか気とか合わないかれらがかれらのままで共闘できるのはよかった。
大同団結の理想形というか。大同団結志向足りないよね……。
せっかくいい作品なので民主主義信仰をもう少し削ってほしいなー。
安易に「バカで煽動されやすい大衆」を出すのは信用できないけどこの作品なら真っ当なさじ加減でそのへん描けると思うんだよな。

不意打ちでシバがワンカット出てきて泣いてしまった。背負わざるをえなくてでも明らかに器でなくて倒れていったあの子の魂がそれでも生きてるんだよ。
シバが象徴するのは母性ではないところが本当に……周到というか……父的な描かれ方じゃん。そういえばアラジンは父を殺さないんだなー。
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by jinloturu | 2017-08-27 16:36 | 少年漫画 | Comments(0)  

AIの遺電子6巻/山田胡瓜

この作品のなにがいいって家族観だ。
「本物の母が三人いる」とか「洗脳しても努力なしに仲のいい夫婦にはなれない」とか「それが子供のためになるわけではない」
とか。
唯一2巻あたりの「いくらでも容姿のいいアイドルは作れるから差別化競争が激しくなる」には疑問を呈すけど(整形が忌まれるのと同じできっと「本物の人間であること」に価値が見いだされるはずなので)それ以外の価値観だいたい安心感が強い。
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by jinloturu | 2017-08-27 16:35 | ショート・ギャグ・短編集 | Comments(0)  

出口ゼロ14巻/瀬田ハルヒ

うーーーーーーーーーん。
お、おう?


ロマンス……ロマンス……。
ロマンスの敗北と読み取ることは可能ではあるんだよなあ。
咲良が最初に想定したほど物語の中核に存在しておらず結局は夕日とゆみかの話であったわけで。

だからキスしたんだよな、咲良が夕日に侵入するための唯一の見せ場なんだよな。
その程度に堕した男女の恋愛を、私は肯定できるか?

やーなんかわからん。
愛子ですらなくなったゆみかを前にして百合を……
いや百合ではあった……確実に。
しかしゆみかが想像以上に異次元すぎてな。
これまでとこれからにもっと描写がさかれればまた違うんだけど。

夕日に救われてほしいんだよなあ。

夕日は確実に私の大好きな大好きな少女漫画主人公でした。
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by jinloturu | 2017-08-27 16:34 | 少女漫画 | Comments(0)  

2DK、Gペン、目覚まし時計。2-5巻/大沢やよい

なんかどうしてもカプは固定で拝見したくなっちゃうので、あらゆる百合の可能性が広がっていた本作については意識的に奈々美とかえちゃんびいきにならないよう調節していた。
だから葵さんが奈々美にキスしたとき拳を振り上げWINNERRRR!!!と天を仰いだ。
固定にならなくてよかったー!

でも恋心を自覚した奈々美ちゃんがかわいくてかわいくて!
かえちゃんの憎めなさとかこの子はこういうキャラなんだろうな~ってキャラの立たせかたがうまい。
新キャラもすっと入ってくる。


だからなー、もう一声ほしい!
恋由姫ちゃんの過去エピソードとかめっちゃよかったんだよな~没入できた。
「オリジナルで投稿もせずにエロ同人描いて即物的に客集めてる劣等感」とかこのディティール……完全に同人文化でしか伝わらねえ笑
ほんと恋由姫ちゃんの太り方がリアルでそのへんの生々しさが没入をつくっていた。


つなぎさえ……つなぎさえよければ……!
ひとつひとつの点がすごくよいのでそれをつなぐ線をもう少し丁寧に描いてくれたら安心して萌えることができる。
恋由姫ちゃんとかあれマジ告白だったの?って驚くわ。
あと葵さんと奈々美の後輩ちゃんのフォローなくていいよ……奈々美とかえちゃんのてこ入れだけの存在にするにはもったいないなあ。
出てくるキャラがだいたいみんなレズなのは最高、もっとやって。
少女漫画が自然にやってきてBLが踏襲してきた道。
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by jinloturu | 2017-08-27 16:33 | 百合 | Comments(0)  

有頂天家族2

日々の癒しだった。
矢二郎推しなのでいろんな化け姿が見れて嬉しかったし旅立ちわりと本気でさびしかった。
鬼とか地獄とか将棋の駒とか虎とか将棋盤の虎歯形とか叡電とか次から次へと飽きないポップな画面。

ごりっごりの家父長制を特に疑うこともなくやってのけるのを素直に見れるのはごりっごりだからですね。
賛美ではなく清濁あわせもつ日常。
根底にあるその設定がしがらみを生み波乱を起こしそりのあわないたぬきとも血縁者だから切り離せないし逆に家族の連帯というしがらみで良い感じにまとまる。

偽右衛門の立会人を受け持つ天狗のメンツとか泣けるほどどうでもいい……どうでもいいのにそれが彼らの生きる術なんだ。


通行人から画面端の街角を通りすぎるバスにいたるまで細部のモブが動きすぎて狂気……一人一人が生きている……そしてもはやどうとも思えなくなる視聴者としての慣れもこわい。
人間が生きている世界と重なっているという説得力のためだけに、しかしそれがこの作品にとって重要な要素で、狸と天狗と人の違いはまったくあやふやでありながらこれが狸というものなのだと納得感が生まれる。
愛はエゴなのだ淀川さん好き。
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by jinloturu | 2017-08-21 22:41 | アニメ | Comments(0)  

ももたまい婚

結婚おめでとう!!!!!
BDみた。2016年9月4日。


いや……
とりあえず……とりあえず司会進行どうにかならなかったの。
飯塚さん……って思ったけどこういうときこそ山ちゃんでは!?めちゃくちゃ適任では!?
お忙しかったのか!?

殺されてたなー。せっかくかわいくてニヤニヤしちゃうももたまいなのに。

茶番なこと自体はいいしケーキカットとかペンライトサービスとか小ネタはすっごいよかったのにイベントの構成セットリストの作り方とかコンセプトのまとめ方とかが妙に退屈しきりで期待に応えてもらえない感がありパッケージ見たら演出川上さんとあり「ああ……しょうがないか……」と思った、思ったけどいつもの茶番とはわけが違うでしょ!!
関係者のメッセージボードスライド見てて違和感がピークというか確信に至った。
最初あーりんがくるからなんだ推され隊いつだと待っていてちょいちょい謎な内輪ウケ狙いのズームでイラッ、これでももたまいがウケてくれるならまだ見るものはあるが二人はお色直し退場中、飽きていたらあかりんがきて衝撃が走った、ら、坂崎さんで締める????
????しかも推され隊は????
謎すぎた。(後編があるなんて思わないし)
別に坂崎さんが悪いわけじゃなくてももクロヒストリーにとっての比重は明らかに坂崎さんよりあかりんのほうが重いのに芸能界的比重でトリを奪われたからだよ。
そこはこう順当に推され隊・あかりん締めでええやん……喜ぶよ……誰が作ったんだこのスライド、というかこれを川上さんは通したのか。
加えて司会者が場馴れしてなかったのでなんか……相当……あーりんが演出すればよかったのでは……。



ももたまい婚に関して私がこういう書き出しをするとは思わなかった。
とりあえず作り上げられたものに対してそのメッセージ性の是非に賛美したり吐棄したりするのだと思ってた。

だから『Ring The Bell』で「おじいちゃんとおばあちゃんになっても」ときたときも「うん……茶番だな……(悪い意味で)」としか思わなかった。



私がももたまい婚を見るに際していちばん懸念していたのはこのももたまい婚がいずれ来るかもしれない男とする公的結婚への前哨戦というかノフに耐性つけるための模擬挙式になってることだった。
ふたりのための結婚式のはずなのにヘテロ規範に回収されるべき未来が透けて見えやしないか。

結果ヘテロ規範じゃなくて商業的事情が透けて見えたのは斜め上だよ。
「ぜひ本当の式で使ってください」て。
いやヘテロ規範もばりばり透けてましたけどねこの曲。
本当の挙式が男女だけだとお思いか。

ここからは本来やろうとしてたメッセージ性に対しての検討です。

なんなの。
知ってるよ別に同性愛問題についてなにをか提起するイベントではないことなんて。
「新婦新婦」に笑いが起きる社会なのも知ってるよ。
でもさ。
これが茶番だってわかる要因として「ももたまいだから」「メンバー同士だから」なのは前提としても「女同士だから」って要素もあるんでしょ。
ももクロのライブでは性別を問わないカップルシート作ってご丁寧にメンバーからのカップルへのメッセージも性別に触れない書き方をしてたりするのに、これでしょ。
メンバーが結婚したら式で『Ring The Bell』歌うんでしょ、そこはやっぱり模擬挙式だ。


なんでノッチ呼んだのか。
単に茶番のためだと思ってたけどオバマが人権問題に取り組んで全州同性婚を可能にさせたときの大統領だってわかっててやってるのか。

なのにヘテロ主義な『Ring The Bell』だよ。
ふたりの曲のはずなのに根底には男女カップル様式が蔓延っている。
エンディングでは「おじいちゃんとおばあちゃんになっても」の歌詞が入らないよう構成させてるのが上乗せでムカつくわ。
最初から性別におわせないウェディングソングつくれよ。

別に茶番でいいよほっぺちゅーくらいしてよ昔は口にちゅっちゅしてたじゃーん。
こんな空気のなかは絶対恥ずかしいけどさ!!!ww照れるしおりんがいちばん見たい!!!




でも そういうヘテロ感基調感は想像の範囲内というか、同性愛への想像力の足りたなさにはまあこの社会に住む限り私は日常的に殴られているわけで、感性を鈍化せざるをえないところであり、そのうえでそれ以上に傷つくことはなかった。


オープニングは最高だった。
浜辺のハグやっばい……
なんか、夏菜子ちゃんとしおりんの間に恋愛があるというのは茶番であろうとも、なににも替えがたい偽らざる絆があるのだけは本物であり、たとえふたりがそれぞれ男と結ばれても恋愛よりも大事なものがここにあるシスターフッドを目の当たりにしているのはたがえない事実なんだな……って思った。
夏菜子ちゃん、スピリットには男に支配されることを拒絶する断固とした抵抗心が見えるし。
ももたまい婚と銘打つのは結婚の脱性愛化と見ることもできると思う。

あと新郎になりきったタキシードしおりん、「私もウェディングドレス着たい!!」でダブル新婦として登場~という流れもよい。
これも期せずしてヘテロ主義への懐疑になってる。
「婚姻は男女を模倣せねばならぬのか? 違うでしょ女同士のまま結婚できるよ!」と投げ掛け古いパラダイムを削ぎ落としてる。
大合格◎◎



この時点で涙ぼろぼろだったので「会場いかなくてよかった……(元々在宅だけど)」と思ってたけどMCによって結構泣いてた人がいたらしいと聞いてちょっと安心。
ももクロ百合スレの人とかいたんだろうな。いまこのスレあるか知らないけど。
同士よ。



いや泣きっぱなしだよ。。
恋愛ソング歌っても「君」とか観客にだけ向けてたらどうしようとか杞憂だった……
互いのことを……照れつつもちゃんとまっすぐ見つめあって歌っている……
そこに込めた想いだけは本物なんだよー!

もうね最後のソロとかふたりの関係が見えてこれだよこれだよももたまいに求めてるのはこれ。
求められているという意識もあるんだろうけどそれで大仰な嘘の気持ちは歌えないもの。

喧嘩もするけどずっと一緒にいようっていう夏菜子ちゃんの家族みたいな感情に、Storyの「私が君を守るから」を繰り返すしおりん。
夏菜子ちゃんの歌を聴いて真剣な表情をするしおりんはなにを思っていたのか気になる……。

ももクロがももクロとして活動する限り、ずっと一緒にいることができる。ソロ仕事が増えても。
ももクロが長くつづくアイドルを目標するのは、若さを至上価値とされてきた女の抑圧への破壊メッセージにもなりえるけど、シスターフッドが成立するんだという叫びにもなる。



愛の確かめクイズ企画最高♡♡♡
これでしょ期待したのは!!

間違えたら相手への愛を叫ぶ罰ゲーム、はぐらかしをいれるのかと思ったら夏菜子ちゃん一発「さりげなく支えてくれるところが好きー!」なものだからそれ泣くでしょ。
ガチ告白じゃん。
これだから読めないのよこの子は!大好き!
なんか本当茶番にかこつけて結局互いを想う気持ちが強化されるならそれだけでこれをみた価値はある。

怒ってイラついてがっかりして、泣いて拝んで拳を振り上げ感情が忙しいイベントだった……。
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by jinloturu | 2017-08-20 14:25 | その他 | Comments(0)