<   2016年 05月 ( 14 )   > この月の画像一覧

 

楽しいムーミン一家 ムーミン谷の彗星

ムーミンこんな話だったのか!!
シュールでかわいくて楽しかった。
冷徹だけど愛があり、愛はあるけど簡潔で。

もう本当に「わたしのどこを見ているの」「君の前髪だよ」がツボで仕方ない。
最終的にくっつくカップルの愛の芽生えが「前髪」でいいのか?!
どこのギャグシーンも一応大体ギャグとしてまとめてくれてるのにここだけ特に視聴者に受容させる秒数を取らずにさらっと流されてしまったところも本当にツボ。

あとなんかもうちょっとスナフキンてさすらいのニヒリストみたいなイメージを持ってたんだけど人食い草にあらんかぎりの悪口をぶつけるとか意外で笑う。
しかも人食い草をズタぼろにやっつける意味が特にない。


いやでも、話があっちこっちに飛ぶのにちゃんと「彗星がやってくるらしいので確認のため旅に出る→もうすぐ衝突してしまうと知る→早く家に帰る」という軸が明確だから安心する。
あちこちに飛ぶ話をちゃんと楽しめる。

基本みんなどこか変てこで、それに対して多少戸惑ったりもするのだけど排除されずに自然に共存していられるこのホーム感が好きだなあ。
ああ、特になんの前触れも必然性もなく変てこな新キャラが次々登場するという構成もこの印象に一役買ってるな。

原作者が反戦家みたいなことはうっすら聞いていたけど「彗星は原爆の暗喩、みんな変だけど共存できる理想郷を描きたかった」という話を聞いてなるほどなと思った。
危機にさらされてものんきにしかし防衛はした上でやり過ごす彼らの強さ。
[PR]

by jinloturu | 2016-05-25 00:03 | アニメ | Comments(0)  

機動戦士ガンダムSEED

……選択必修として見た?HDリマスター版。
なかなか面白かった。まあ、全話完走できる程度には、なかなか。
要所要所の見せ場は引き込まれた。
特に23話『二人だけの戦争』はお気に入り。敵同士の一夜。キラを殺したと思ったあとのアスランとカガリの憔悴感も好き……。

それだけにその後あっさりと「和解」して「俺が守る」に回収されてしまうのは……その台詞チョイスはカガリが女だからでしかないよね思考停止だね……この二人はもっと別のところで繋がってられるだろう。

なんか、そういう、見せ場はエンタメで美しくだからこそ面白く見れたのだけどその後の処理やぶつぎり流され感に疑問が生じることが多くて……そのへん合わなかった。
群像劇がなんか上手くないな、っていう。けして下手でもないのだけど。
ニコルが死んでついに本気でキラとアスランが敵対する展開めっちゃ熱くて盛り上がったけどトールの死は完全に展開上の要請でしかなく萎えたてか笑った。

キラと仲間との交流がもっとほしかったんだよな……。
人を殺すストレスを「誰もわかってくれなかった」と言ってしまうくらいには心通わせるような交流が薄かったからなんか色々の説得力が今一つで。
コーディネーターとかキラの特別性と両親やカガリとの関係とかクルーゼとフラガの因縁とか、詰め込んだ要素が単に設定展開への補完という役割しか果たしてなかったのも残念。


信念を持ってキラにフリーダムを託せるラクスとか、コーディネーターでありながらコーディネーターと敵対するキラの立ち位置がそのままこの戦争の情勢と意義への問いを表しているとか、ミリアリアのディアッカへの憎しみとその処理とか、アークエンジェルの危機に新機体で間一髪駆けつける主人公とか、色々経て戦争への疑問を抱き一時は殺そうとしたアスランがついにキラを守る展開とか、そのへんは熱くて好きだ。

やたらとBLBL言われてる作品だからどんなもんかと思ったけどそうでもなくね……?私が敵同士BLに萌えないからか……?
と思って見てたら、マリューとナタルの敵対展開で「あっはい!言いたいことはわかりました!!!」と理解した。
これは素晴らしい。所詮私は百合ヲタだった。でもふじょしでもない層がやたら過敏なのはどうせいつものホモフォビアだな。
マリュナタ、最後マリューは憎しみとやるせなさとわかりあえなさと無念と悲しみともどかしさと絶望を抱えているのにナタル的にはマリューへの信頼感と共に信念を持って死んでいくそして誤解を解く機会が永遠に失われるのが本当に……最高すぎないか……?!
ナタルは最後まで冷静な軍人でしかし最後の最後は熱い心を受け継いでマリューのことを考えてしまう、、

それにしても恋愛展開多すぎて不快。
所詮恋愛ものでない作品の恋愛展開なんて質的にはほぼ同じだからキスシーンばっかで飽きるしその二人もカップル化させてしまうのかよという残念感。
あとフレイというキャラが謎すぎた。
他のキャラはわりと単純な思考回路してるけどフレイだけ比較的複雑で、汚れ役要素全振りしておきながら特に好感度上げるエピソードもなく良い話に帰結してしまうのかよ。

あと回想シーンが多すぎるけど尺埋め?説明過剰になっていた。
「回想シーンは主観が入るはずなので以前のカット使い回しばかりではいけない」という富野由悠季の言葉を思い出す。この作品のことを指してたのか?

しかし「この戦争は無意味、無駄に人を殺さない」のはひとつのテーマだったと思うけど最後は「わかりあえないなら(物語がキャラを)殺す」と物理解決する方向で終結してしまい軸がぼやけてる感。
テーマと展開を符合させられなかった結果か。
続編は見ないかな、、縁があれば、か。

そういえば玉置成実の『Believe』ってSEEDの曲だったんだー!
歌詞の意味がわかると全然別の印象になるな。
OPが終わると自動的に杏果のラップが脳内再生される。
[PR]

by jinloturu | 2016-05-25 00:02 | アニメ | Comments(0)  

輪るピングドラム

そうそう見たかったんだよな~と思って何気なく見ていたら11話でうわーーーーーー!!!!ってなりました。
事件!テロ!地下鉄!丸ノ内線!16年前!95!!!!
私が見るべきアニメでした……。
慌てて3話見直してだめ押しの「3月20日」に戦慄する。

いやなんかどこかでうっすらそういう話を聞いたことはあったけど繋がってなくて忘れてたんだよなー。

でもモデルに留まっていたのは少しがっかり。
うーんそこをそっくり描いて喜ぶ(というのは語弊があるけど)視聴者なんて私くらいだと思うけどさー確かにそんな描写されてもって感じだけどさー。
でも例えばB29とか特攻とかモチーフに出すのにその史実の背景を完全に否定する作品になってたら文句のひとつも言いたくなる人はいると思うんだよ。
私はそれだよ。
オウムは大それた大義名分のもとにサリンを撒いたわけではない。
理由はそんな単純明快なものではない。
オウムが人を殺し始めたのは不幸な事故で麻原が人の死を救えなかったのがきっかけだし、武装化は社会の是正ではない、むしろ復讐といったほうがまだ正しい上に、人殺しは入力足りずに察しろと圧力をかけるグルと過剰な忖度をするサマナの共犯関係でサリンもそう。(ついでに単純に「強制捜査を避けるための撹乱」という表面だけ見ても意味はない)だからそもそも決起会みたいなものが成立しない。
大義名分による政治的テロ、という構図を採用するなら安直にオウムを引用してほしくないわ。オウムはオウムで社会の歪みを一身に引き受けた存在だったわけだし。

日記の「指示」を完璧に遂行しようと奮闘する苹果は、全体像は見えないけれどとにかく上からの指示に忠実な(一部である自分が失敗したら全体が完成しないと躍起になる)サマナでは?と思ったりもしたけどそこまで重ね合わせても得られるものはないかな。
ああ、でも、オウムと家族の問題は切っても切れない関係にあるわけでそのへんはまあ何かしら読み取ってもいいのかしら。オウムの出家は縁も財も何もかも捨てる形式だからこじれにこじれた家庭が続出したしそもそも麻原の家庭が機能不全だった。


愛と家族と運命の物語。
泣くことはないかなと思っていたけどラストにやられてしまった……愛による死を選択した者へのご褒美なんだよ!(うろ覚え)
一気見してよかったな、伏線とその回収を拾える。
愛を与えられなかった子供たちが戦って、「生存戦略」して、どうにかして生き延びようとする話……そんなん弱いに決まってる。
『ROCK OVER JAPAN』が凄く好きなので音源買おうかな。ももクロちゃんがカバーしたというのもわかる。
ピングドラムってマクガフィンだと思ってたけど、まあマクガフィンみたいなものだったけど、それよりはもう少し必然性のあるものだったのかな?
「ピングドラム」という名に必然性があったかはわからんけど。
[PR]

by jinloturu | 2016-05-22 06:51 | アニメ | Comments(0)  

僕だけがいない街8巻/三部けい

そうかー、そうかー。
という感じかな……。まとまるところにまとまった。
"僕だけがいない街"、カバー下がいつも怖かったけれど、僕だけがいなかったからこそ救えたものがある。
世界は救わない。手元の大切な人を救うはなし。
八代のサイコ感もうちょっと生かされていてほしかったかな。
[PR]

by jinloturu | 2016-05-22 06:50 | その他漫画 | Comments(0)  

合法百合夫婦本/伊藤ハチ

かわいいなあ~。
私がこういうふわっふわのザ・百合みたいな百合に初めて萌えて楽しみ方がぐっと拡大したのがこの作品なんだよね。
……と思ったら2014年とかだったか……それまで魅力がわからなかったのか。

いや、まあまとまったこれ読んで正直、かなり物足りないな~やっぱりここは私の主戦場ではないな~~と思ってしまったのだけど。
でも一般的に「百合」っていったらこういうのじゃん、私はそれまでこういう百合文化にコミットできない疎外感があったんですよ……ていうか今その疎外感を思い出して落ち込んでいる。
いやいいんだけど、百合は懐深く広いのでいいんだけど。
[PR]

by jinloturu | 2016-05-22 06:49 | 百合 | Comments(0)  

THE FOLLOWER2

『蒼穹のファフナーEXODUS』11巻特典CDドラマ。
なんかもったいなくて聴けなかった……。
しかしキャストだけ確認していたので恐らくそういう話だろう、とは、予感していた。そういう話だった。


うーわー……なんかもう当たり前のように享受しているけれども凄いなあ、破壊と構築にも従来のファフナー観を一微たりともブレさせず、そつなくセルフオマージュというか旧来のものと対比させ、メタ的にも驚きを散りばめた上で、本編の隙間を埋めるだけでなく新しいものを提示する。

ちょっとこれは一度聴いただけでは理解しきれなかったので何度も聴いてからブログの記事としてはupするけど……。


とりあえず一騎総士真矢についてそれぞれ驚いたこと。
一騎、まだ「戦いたくない」という気持ちはあったんだ?!
……と思って聴き直したら「戦いを忘れて穏やかな気持ちでいなくなれれば」(と思ってた)だったから、違うわああ一騎だわ……と思った。
あと「調和に成功してもいずれお前の心はもとのままではいられなくなる」って情報!!そっか!!
一騎どうなるの……既に二年経った最終話の一騎の心もなにかしら変容していたの?

総士、このときになるまで心象の海はガラスの向こうだったんだ?!
それが父に与えられた島を守る思想を捨てきれなかった証ということなのか……だから26話でやっとジークフリード剣司に預けて一戦士として戦えるのが気分よいって言えたのかしら。

真矢ちゃん、未来を選択していたんだ?!
守りたいものを守るエゴを突き詰めていったというのが私の真矢ちゃん観だったよ……それを否定してからアルゴス小隊壊滅させたのかよ……待って見返さなきゃ。


とりあえずなあ、私は終わりを迎えた物語に対して「潔さ」を求めたがる傾向にあるし特にファフナーに関しては色々感情渦巻くのでEXODUSの続篇いらない派なんですけど、これを聴いて、見たいような、やっぱり見たくないような、複雑な気分にさせられた。(と、これ書いたあと同化イベント行ってきて、発表にあ~~そっかどうなるのかな~~~と思った、、)

EXODUSはファフナーの続篇としてめちゃくちゃ完璧なのよ。
今までのファフナーが描いてこなかった、言わばファフナーの裏側を見事補完しえた。
それが「相互理解」の掘り下げであったり、内部に深く潜り込むような陰の物語から外へ向かう陽の要素の取り入れであったり、人類軍という曖昧模糊な部分の強化であったり、人間の有限性という宗教最大のテーマへのフォーカスであったり……。
凹であった物語に完全なる凸を「補完」したのならあとはその完璧な立体を破壊することに主眼を置くべきでしょう。

……そういうメッセージをも、このドラマCDに組み込んでしまったのは本当に恐るべし……私はなんのエンタメを見せつけられているんだ……。

前巻10巻の特典座談会でも冲方さんは言った。「続篇があるなら一騎は倒されるべき」と。
うん、それは見たいんだ。
今まで培ってきたものの破壊こそが次世代が生まれる意味だから。と、ファフナーはここで言ってしまったから。
それはつまり業の断絶。輪廻転生の否定。(ここでの輪廻転生観はこっちで感想書いた『輪廻と解脱』に記されていた現代価値観に依拠している)

完全に新しいものを作るのは見たいけどもうそれ絶対総士の人格統合されないってことだからな……それはわかってる……つらい。
新しいものを受け入れられるかどうかもわかんないし。


そんなふうに思いを馳せたけど総士があの時点で完全に島の呪縛といえる部分を断ち切れたというのは喜べるんではないですかね……総士本当に思い残すところなく死んでいったんだな……。
あ、公蔵のことを「死」と表現したのもちょっとぎょっとしました。一騎真矢は今までに倣って「いなくなる」と言ったのに。
死かあ、総士は一度無を経験したから「いなくなる」ことと「死」を分けているんだろうか、いや、全然思い付きだから未検証だけどこれ。

公蔵パパとのやりとり凄かったね……中田さんEXODUS見てたということだけどまったく違和感なくパパとして溶け込んでいた。念願叶って再演!!
「疲れているところすまない」という気遣いとか「お前がいるところに私がいる」という親心とかすごい……うわあって……。
その掛け合いから引き出される「守るべきは、対話の可能性です!」とエネルギーと覚悟を持って断言する総士の思いも凄かった。
自販機9歩笑ったけどどんどん話進むから迂闊に笑ってられなかったじゃん!!

総士の「この島のあり方を否定する!」の覚悟に比べて一騎の飄々と正解にたどり着いちゃう感。
だけどずっと考えていたんだよね。間違うことだってあるんだよね。
(25話史彦に叱咤されたりとか、「守るよ、みんなを」・アショーカに命を託して永遠の戦士になる道等選択は色々あって迷って決断して考えていたとか)




ひたすらに「未来」を求める倫理的活性化。
本当に必然だと思いますよ、今まで陰を突き詰めてきた物語が陽を描き全体性を希求したのがEXODUSなのだから。本作はそれの誇張的象徴と言える。
そんなん総士だって過去の呪縛を断ち切りますよ。
物語の必然性とキャラクターの必然的選択がよくもまあここまで合致しますよね……と。何度遭遇したって美しすぎるもの。

面白いなと思ったのは真矢ちゃんの選択。
この、「わからない。これって選択したっていうのかな」っていう、自分的にはふわふわだけど実際は「今までとまったく違う自分になる」という大きな変革を迎えた構図、無印15話の一騎だ。
一騎はこれまでを経て成熟してきてるけど真矢ちゃんはここで初めて成長していくわけだもんな。まあ今回はあのときの一騎より複雑か。ていうか一騎の選択がいつだってシンプルなんだ。
撃った爆撃機の相手は「自分で決めない人たち」と思うほうが楽なのに「誰かを守りたかった」とするね。
「新国連のあの人も平和を捨てるまえに沢山のものを奪われたんだと思う」に思わずヘス真矢を感じてしまって萌えた。。。
ていうか私真矢ちゃんは節操なく百合カプつくりたいという意味で好き。。。

そうかー23話のアルゴス小隊ごんごん壊滅させていった真矢ちゃんは「私は!私のエゴで大切なものを守る!」だけではなく、未来の対話を切実に守ろうとしたから躊躇なくいけたのかー。
……え、待って、じゃあ最終話、新しく「未来を求める」に比重を置いた真矢ちゃんがそれを求めることで余計に孤独になった末に守ろうとした未来そのものに「守ってくれてありがとう」って全肯定されるの……?真矢美羽やばくない…………?
10話の「家族を置いていけないよ」は、まだ海の鏡の向こうのつまり手元にある大事なものを守りたい思いのほうが強い真矢ちゃんだったわけで。
真矢ちゃんの海――翔子に救われ、カノンに肯定され、最後一人で海を割る。
そりゃ成長しますわ……。本当にだって今回真矢ちゃんだけ全員の選択が一致するかどうかの話聞いてないんだよ、一人で選んだんだよ。



一騎はもう迷いなく選択できてしまうんだね。
紅音さんに「力の代償が他者の命を奪うことでもあった場合お前はその力を求めるのか?」と問われて「それは誰のことを言ってるんだ?」って聞いたとき想定してるの絶対総士だよね。
具体的には誰かを想像していなくても総士がいなければ真っ先にこの疑問は出ないはず。
真矢ちゃんとは一応19話~21話で(仮初めかつ不安定な)「対等」関係になったと思っているんだけど犠牲として連れゆくまでに思ってるかっつったら違うもんな……。それ以外の人は一騎にとって疑いようなく庇護対象だからほぼ論外。
自分の命の使い道のなかに総士を勘定しているとちゃんとわかってよかったな。まあ当然っちゃ当然なんだけどEXODUSの一騎はひたすら自己希求に投じていたからちょっとファンとして及び腰になっていた部分はあったので。
一騎だって総士と一緒にありたかったんだよーーー「待て、総士、俺も」なんだよーーーー!!!(まだ全然受け入れきれてないというか最終話感想読んだらわりと平然と呆然としてやがるんだけどじわじわ実感していくうちに蝕まれていったんだな私、、)

だけどその一騎も犠牲を受け入れ外向きに未来を求めたと。それは確かに「守るよ、みんなを」一辺倒だったEXO9~18話までを考えると劇的な変容だ。
だから解脱ができたのだと。
それなら一騎は母性だけの人ではないんだよなーていうか概念的には母性原理も父性原理も併せ持つ両性性の人だと思ってるし一騎自身の性自認は無性であっておかしくないというか性別に頓着しない人だと思う。(唯一ぎりぎりキャラ造形が危なかったというかちょっと脚本卑怯かつ上手いなと思ったのが無印21話)



最後の各々の「さようなら」。
「行ってきます、母さん」がさー!さよならの意味になるとかさー!
今ふと思った。
ずっとこの紅音さんのことを一貫して「母さん」と呼んでいてでもそれがいなくなった自分の母親でないことはちゃんと認識していてしかし自分の母親として「行ってらっしゃい」って言われると一瞬驚きつつすぐに「行ってきます、母さん」と対応できる……。
これ総士にも転用できるやつだよね???こそうし対応解釈これでいけるよね???
総士が……初代総士の面を不意に現したら……「ああ、総士」とか「お前って本当に不器用だな」とか言う……一騎……うう。

「本当のお別れですね、父さん」はこの台詞とても好き。
というのはまあ好きな映画のそっくり同じ台詞が好きだからですが。
ここのBGMのマッチ具合がすごいなこれなんだっけと思ったら『生存という選択』……!!
他にどこで使われてたっけ。
そうそう、「世界をどう祝福する?」は未来を託され新たに生き続ける者が問いかけられる言葉なんだそっか……。




疑問点。
★何故島のミールはこの三人(+カノン?)に選択を迫ったのか?一騎と総士だけでなく何故真矢ちゃんに、はたまた何故他のパイロットが含まれないのか?
――この話を人にしたら、「こういう形で顕在化したのがこの三人ってだけで他の人も同じ選択をしたんじゃ?」って言われてストンと納得した。
わりとそれな気がする。
そうだよなーカノンも未来を得ようと世界を祝福したんだ……。

★何故一騎の海が出てこなかったのか?
これは一騎は自己の海に関してはもうとっくに乗り越えていたからなのかなあ……今一騎の海どうなってるんだろう……でも一騎は乗り越えつつ一抹の未練は残している(それで安定していられる)キャラだから逆に乗り越えなくていいものとして今回海が出なかった可能性……うーんあんまりしっくりこない。

★真矢ちゃんの海、向こうに誰もいなくて守るものの象徴としての霧もないのはどういうこと?
でも「その向こうに守りたいものがある」ってはっきり示されてるんだよな。ここよくわからん。



実を言うと一騎の心情の掘り下げがあったらやだなあと思ってたんだけどまあそこまでなくてほっとした。
空白は取っておいてもらいたかった。
物語論理的な感情転換は充分描かれているのだから、空白だけどもそれによって各々ちゃんと補完できるタイプの作品ならばわかりやすさなんかいらないのでそのままであってほしい。
しかし久しぶりのファフナー新作にはしゃいで随分感想書いたね……同化イベ楽しかったな私いつも延々一人で遊んでるタイプだから……。
新作というなら過去編を、親世代過去編をどうか!
澄美さんと彩乃さんの百合が見たいです笑
[PR]

by jinloturu | 2016-05-13 18:17 | その他 | Comments(0)  

クリームな僕/山藍紫姫子

短編集か。表題作が続いていくものだと思ってたから最初混乱した。

うーん、はい。
この人よくリバ書いてるみたいだけど私と違うところに萌えている気がする……他の作品も読みかけで積んでる。
強者が弱者を搾取する構図を好み、その弱者が反転して搾取する構図も好むようだけれど、私は好きではないので。
好きな場合はあるけどね?なんかどこかときめいたようなシーンがあった気はする。
これは反転のニアリバと、なんかサンド的な前挿し後ろ挿しリバがありました、とだけ。
展開も心理描写もないエロは今いらないやー……。
[PR]

by jinloturu | 2016-05-05 07:19 | BL小説 | Comments(0)  

輪廻と解脱/花山勝友

これです、私が知りたかったことがほとんど書かれている。

まず私の立場として、前世もの作品を読み漁るブームが到来して(物語を類型としか見れなくなったので一旦休止中)なんか前世設定ってあまりにも輪廻転生を簡略に扱いすぎてない?宗教的にはもっと違うでしょ?と思ったから調べたく思い。

仏教を調べていたときに「仏教は絶対永遠的な魂があるとはしない、魂に実態がないからこそ輪廻は巡る」という話を聞いたことがあってそれがどういうことかと思ったら、まず、仏教の歴史的前提にインド思想・哲学があるからなのね。

本来梵我一如であるはずなのに無知によってその真理を悟れない、だから業を背負って輪廻を繰り返してしまう、アートマンはブラフマンと同一であると悟れば転生しなくなる――というインド思想はよく聞く話だが。
しかし仏教は「無常」を教義とするので個々に永遠性を持ち輪廻の主体となれるアートマン(我)の存在を認めるわけにはいかなくなった、輪廻するべき永続的主体がない、ではその仏教が輪廻を考える際にどう理論を構築すべきか?というところから始まっているのだと。

魂を永遠に変わらぬものだと規定できない。
ではどうするか。身口意からくる業が第八識である阿頼耶識に溜め置かれ、因縁生起の考えに従ってそれが因果の因となり、輪廻転生のもととなり、いずれ果を結ぶ。
注意すべきは阿頼耶識はアートマンと違って永遠不変性を持たないことで、一瞬前の阿頼耶識と、身・口・意を成した一瞬後の阿頼耶識はひとつ業が加えられているので別物である。
一見同じもののように見えるのは末那識のせいであり、末那識とは第七識であり六識中の意識とは違い意識の拠り所になるもの。
人間の中にある自己中心的な、けれども常識によって認知することのできない裏側の意識みたいなもの。
(末那識、よくわからない。前意識か?と思ったが深層意識・前意識ともに阿頼耶識っぽいもんな)


それと「転生しなくなる」というのが解脱であり達成であるというのは強烈な厭世の宗教観によるもの。
生きるのは苦しい、その苦しみはこの世に執着があるから、というのは一応知っていたが、ここまでとは。
結局人間存在そのものが苦しみの原因なのでそのもとを断ちたい、という。
しかし無知によってこの世の楽しみにばかり目がいってしまうので、「もう一度生まれたい」と思わないように陰惨な世界観がある。
天界・人間界・(阿修羅)・畜生・餓鬼・地獄――
このなかでも「まだまし」な人間界に生まれる可能性だって低いし、天界に生まれたとしても次はそれよりましな世界はないので死ぬのが苦しい。
そこに苦しみがあるのをちゃんと悟って解脱しよう!

……と。このへん現代日本の価値観とそぐわないよね。
転生もので「二度と転生できなくなるよ!」とは散々聞いてきた言葉だ。あと厭世よりも人生讃歌が好まれる、というか苦しみ溢れる人生をなんとしても肯定しなければならないという意思を感じる。

そしてその現代価値観にも本書は自覚的であって、結びのほうには「現在の人生こそが大切」という話もしている。
前世とか来世とか言われても、今関係ないしねって。
でもこういう思想が広まったのは現世に一筋の希望も見いだせなかった時代なのかもしれないと思うとなんとも。
そしてこの現代において輪廻転生思想を考えるならば「遺伝子の相続」という形で受け取られるのではないかという可能性を示唆していてとても納得の感。
業の集積としての阿頼耶識を、遺伝子に置き換え代々の行いの継承、そしてまた自らの行為も含めて再び子へ受け継がれていく、という考え方。
まあ、でも、「輪廻転生」と聞いたらやっぱり個の転生だし、その因縁を継承するかどうかが「前世もの」の鍵になる。
軽く調べたなかでは古今東西転生もので仏教的な輪廻転生観を採用しているものって皆無なんだよね。
ちょっとくらいあってもいいんじゃない……!?そもそも輪廻転生について調べようと思ったのは転生ものの漫画で明らかに間違った解説をしているのを見てしまったからなんだ。


しかし悟りきった仏よりも、悟って仏陀になれるにもかかわらず大乗精神で他人が悟る手助けをする菩薩が好まれたというのはいかにも日本人らしい感じ。
[PR]

by jinloturu | 2016-05-05 07:18 | エッセイ・評論他 | Comments(0)  

輪廻転生を考える/渡辺恒夫

うーん。
遍在転生説、合理的すぎて、というか合理性のみを求めすぎていて、合わない。
世界に対してそこまでの理屈を要求しますか、という。
わかるよ、死んだら来世は未来ではなく過去や現在に転生する可能性なんかは、わかるよ。
でも息づいている一切の人間が別の「私」の生だと言われても……そこまでの理屈はいらないかなあという。
いや思想としては理解できるけど採用したくはないなと。

あと個人的に少女漫画をいちいちサブカルチャーの隅っこだと言い張るのも気にくわない。
「まさか私の思想がこんな辺境文化である少女漫画で描かれているとは!」みたいな。てめえ佐々木淳子は偉大な作家なんだからな。

しかしやっぱりこのへんの80年代~90年代のサブカル系の若者らはアイデンティティーの揺らぎを異常に恐れていた感じが読み取れる。
現代は確立してあるところの「私」が揺らぐことを恐れるけど、この時代は絶対的な価値観が崩壊しようとしている頃、またはしたばかりの頃だからなのか、そもそも「私」自身が曖昧で「私は代替可能な存在なのか? 私の存在は無意味なのか?」というところから始まっていて前世ブームもその生に意味を探る潮流のなかにあるような。

きっとその先駆けとしての著者がありここまで究極の合理的絶対自我の理論を確立させたんではという印象。
[PR]

by jinloturu | 2016-05-05 07:17 | エッセイ・評論他 | Comments(0)  

鋼の錬金術師 シャンバラを征く者

う、うわあ面白かった……。
アニメ版鋼は初めて見たんだけどこんな作品になってるなんて露知らず。
なので最初は転生パロだー?!って感じだったんだけどwiki見て背景把握。
こんな地に足つけた現世肯定。

エドがすっかり諦念を抱きつつ夢想に耽っている枯れたキャラになっていてさ……。
だからアルと再会しかつての「エドワード・エルリック」を取り戻してわちゃわちゃと兄弟喧嘩をする姿が泣けてしょうがなくて。こういうの弱い。

この夢と現実という世界。
凄いよな、本編であるはずの元生きてきたアメストリスを「夢でしかない」と物語が言い切ってしまう。
仮初めの夢のなかで、今のエドぴったりのオートミールを着けてくれるウィンリィと再会しアルやロイと錬金術で一緒に戦い生き生きとするエドがいるけれども、そこに戻ることを目指す話ではないのよ!?
その鍵となるのが第二次世界大戦前の錬金術のない世界であり、その世界を現実として生きるアルフォンスであり、見たこともない世界を夢見るノーアであり。

来てしまった世界「だって」現実、ではなく、来てしまった世界「こそが」現実だとするのが今作の凄まじいエネルギーであると思う。
もうエドのオートミールを作って待つウィンリィはいないしウィンリィも夢見ることはない。
だからこそね最後アルが着いてきたのはずるいと思いつつ涙ぼろぼろですよ。
こそが、現実だから。
この戦争の足音聞こえるドイツで兄といることを選択したから、このラストは単なる夢物語を勝ち得たサービスではなく、現実を踏みしめた覚悟の肯定になったわけで。たとえそれが観客にしかわからなくても。

ブラッドレイ(の容姿の人間)と共闘するのはサービスなのかなー。アニメ版で彼がどうなってるかはわかりませんが。
[PR]

by jinloturu | 2016-05-03 08:12 | アニメ | Comments(0)