カテゴリ:BL小説( 54 )

 

憎らしい彼/凪良ゆう

最高エンタメすぎるな!?

まず、萌えるよ、萌える……これいちばん大事……ここさえクリアすればBLはオールオーケーなのにこんな、私の読みたかったものとか価値観に対する真摯さとか伏線のそつのなさとかキャラの無駄のなさとか、しかもそれらすべてを一定量かつBL文法に落とし込みながら濡れ場サンドも完璧な……こんな……いいのか……。

まずねなによりなにより大事なことは凪良さんのセクマイとの向き合いかたね。
これが私は読みたかったんだよ。現実にある差別とか諸問題を、説教くさくならず、萌えにくるんでコミカルに描くBL。
両親に清居の魅力を熱く語る平良、いじめられてるのか友達できたのかゲイなのかぐるぐる混乱する両親、冷や汗をかく清居。
「ゲイカップルのカミングアウト問題は繊細なんだからこんな出会い頭の交通事故みたいにやるべきじゃない」
これ!!
単に恋人の両親へのゲイバレを焦るんじゃなくて、ゲイのカミングアウト事情がいかに社会的事情の問題であるかを盛り込む、しかしそれは過剰な深刻さのなかではなくエンタメとして処理される、これが、これが見たかったんだ……。
エンタメとして処理されるからこそひねくれ読者にも届くんだもの。

あとね平良がほんとにきもいままで、しかもストーカーが高じて流血沙汰まで起こすような犯罪者ファンと結局は同根メンタルであると描かれたのもよかったな。
「そんなやつとはちがう」って言わなかった。そんなやつだからこそ清居は惚れた。
変わらない。「正しくあるべき恋人像」に収まらない。
すごいなー。
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by jinloturu | 2017-02-12 02:47 | BL小説 | Comments(0)  

お菓子の家~un petit nid/凪良ゆう

あー堅実!
本当にそつがないよな。キャラの作り方も。
味覚障害と人付き合いをねそう使う。
そして180cm受け!
攻めと身長変わらないのにべたべた甘えたっていうの大好きよ。
まあこれは前作でDV当て馬役だったからこその設定でしょうけれど。前作読んでないけど。
激高の人付き合い初心者コストを払えない受けの清算。
包み込んでくれる人に甘え爆発させるの弱いよね。
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by jinloturu | 2016-12-14 15:39 | BL小説 | Comments(0)  

365+1/凪良ゆう

あっ面白かったな。
このすれ違いよ……。
ふつうに二人のなれそめは甘酸っぱい青春でかわいかったし、それが段々生活の違いとどろどろの逡巡で目減りしていく虚しさが。
あと美山のキャラが濃くてびっくりした。
凪良さんって二人の世界で完結していて脇キャラを書くのが上手くないイメージだったから。
モードフェスの盛り上がりも面白くて、綾野も紺も美山もばかで愛しくて、実にまとまりのいい話だった。

……が、しかし、このどうしようもないすれ違いを埋めるのが切磋琢磨の仕事のパートナー的呼吸を取り戻しきらびやかな生き生きとした生活への再生という展開でちょっとしんどかった。
コンプレックスを抱えたままではやっぱり一緒にいられないのかと。
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by jinloturu | 2016-10-13 02:27 | BL小説 | Comments(0)  

天涯行き/凪良ゆう

雰囲気がよかった。
色々なものを抱えたまま淡々と物事がそよ風に流されていき、静かな二人暮らしも、そのなかで心通わせる穏やかさも、好き。
しかし重いよな……。
復讐の処理もよかった。復讐の達成にも綺麗事にもならないんだ。ふたりの癒しこそ。
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by jinloturu | 2016-10-13 02:23 | BL小説 | Comments(0)  

恋愛前夜/凪良ゆう

やっと凪良さんの「ふつう」の話がいいなあと思えるようになってきた。
ていうかふつうと言うにはドラマチックだしね!でもこのくらいのドラマはあるよね!

ヤコ先生いいキャラしてるな……スピンオフがあるのか……。
ヤコ先生があんなキャラだからナツメの心折る描写が映えるわけで。
「ふつう」に泥臭く人間としての情けなさやるせなさを描き出せるのがたまらないよね。トキオを追って東京へ出たのに期待へし折られ仕事まで容赦なく崩れ去るのがさすが。
微妙な心の触れあい。


あとなんか立て続けに「男同士おかしい」とか言ってる作品読んで参ってたからそういうの絶対なにがなんでも入れない凪良作品癒し……拠り所……泣きました。
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by jinloturu | 2016-10-04 20:36 | BL小説 | Comments(0)  

終わりのない片想い/深山ひより

焦れて焦がれてやっと報われるのとても好きだよ……。
期待せまいせまいと期待膨らませるたび折れる受けつらい。
盛り上がる一晩克明に描ききってすごかった。

しかしながら萌えを抜いたらなんだかなあ。
攻めが受けに執着する理由の説得力も弱い(設定でしか説明されない)し結局付き合ったらすぐ手のひら返すし。
当て馬いい人すぎる。
そこで性行為致しきらないとか、あれだけ盛り上がって去った陽翔とかおいしいお膳立てがあるのにクライマックス弱くて拍子抜けとか、なんだか詰めが甘い感じ。
つらいシーンは書きたくないのかな。
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by jinloturu | 2016-10-04 20:35 | BL小説 | Comments(0)  

左隣にいるひと/可南さらさ

かわいーなー。
自己完結する生方に食らいつく江沢かっこいいーー。
こういうね、だって相手はゲイじゃないしと思い込んでるほうと「いやいや俺だって憎からずだよ!?」と覚醒するほうの双方掛け違い両片想いがとても好きですね……。


「いっそリバでもいいですか」という作者の提案が担当者によって却下された固定ファシズム、物悲しい……。
いやいいんですけど、固定でないと座りの悪い読者が多数派なのは事実でしょうしこういう控えめなヘタレ攻め大好きですし。
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by jinloturu | 2016-10-04 20:33 | BL小説 | Comments(0)  

恋の記憶/杉原理生

ちょっと『きみと暮らせたら』に「男同士は変」が散りばめられてショックだったから「そんなことないよね?!」と思いたくて杉原作品3冊め。
まあ、まあ、なくはなかったかな……。
キャラの関係がよかったな。二人で生きてきた姉とか。会社の男女同僚の掛け合いとか。

刹那的な関係と知りながら出会って手を取ってしまったじりじりの恋心を持て余す高成好き。
破滅的でなく建設的なラストになっていて安堵。萌えました。
まあ淡々と至るべきへ至った感じか。
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by jinloturu | 2016-10-04 12:14 | BL小説 | Comments(0)  

群衆/木原音瀬/和泉桂/水壬楓子

和泉さんの作品で、なるほどな、なるほどな、と思った。
モブおじさんとして輝けるモブ……。


そして木原作品なんなんだよ……これは、降参です。
グロテスクなこっぴどい後ろ暗い性行為を描く木原作品でも、別に、なんとも思わないものだってある。露悪それだけをぶちまけられても引っ掛からないから。
でもこれは降参。苦しい。
張り詰めた人間たちの醜い心理と利己的利用と。よくもここまで剥き出しの恐怖と阿鼻叫喚の輪姦描写を彫りあげられるよな……。群衆。
そしてふと入る伏線の薄ら寒さよ。
なんというか、小柴がまじで真面目な良い人で(そりゃここに慈悲はないけども)小柴が語り手じゃなくてよかったと思ったし、というか語り手が被害者にならなくてよかった、だってそんな心理暴かれたくない。
結局明らかにラストの谷本はその報復なわけだが溜飲は下がりきんないし、「スカッとさせる描写」が嫌いな私でさえ嫌悪感も抱かないんだよな……当然の報いっちゃそうだし。でもスカッとなんかしないし。
その救いようのなさが本当に……好き……。
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by jinloturu | 2016-10-04 12:13 | BL小説 | Comments(0)  

きみと暮らせたら/杉原理生

「女顔」で一編通されるのきついなあ……。
あと「男同士なんて変」って逐一ちくちく刺してくるのすげーつらい。
『親友の距離』のゲイにとても共感する「ヘテロ相手の怖さ弱さ」があったからそのへん信頼したかったんたけどあまりにも無防備に「男同士なんて」と繰り返すからショックだったよ……。
つら。

うーん。萌えは……あった? あった。
無口むっつり内心激情、好きだもんな。ちゃんとシフォンケーキ二倍とかわかりやすい好意示してくれるしな。
年齢不相応な小学生幼女、もうちょっとどうにかならなかったんかな。
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by jinloturu | 2016-10-04 12:12 | BL小説 | Comments(0)