カテゴリ:エッセイ・評論他( 31 )

 

イスラム国の正体/黒井文太郎

体系的でわかりやすい説明書。
日本でやっとISISに関心が向けられてきた2014年12月刊行。
なのでとっつきやすい。

シリアでアラブの春が失敗し、アサド政権下でシーア派が幅をきかせた。
そこで大量虐殺が行われたので、スンニ派(とか?)が立ち上がり内線が始まった。
だからシーア派と対立してたISISはそこに漬け込み勢力拡大できた。
シリアでは打倒アサド政権の大きな勢力もあったけど、そこの理念はあくまで「打倒アサド」に留まり、他方ISIS「理想のイスラム世界建立」を掲げていた。
政権を崩すだけで状況は改善しなかったアラブの春の失敗が記憶に新しいシリア国民はISISに流れた。


オバマはそもそもブッシュ政権の反省を踏まえ「軍縮」を掲げていて、最初ISISに干渉しなかったことが事態を悪化させた。アメリカくらいしかISISを制圧できる軍事力を持つ国はないから。
けど、そうもいかなくなったので、アメリカ国民の人質が殺されたことで国民感情が高まったのをきっかけに空爆を開始。
遅すぎとか言われたこともあったみたいだがそもそも今まで他国の戦争に首突っ込みすぎて無駄に兵士を死なせることに国民の抵抗感が強いのだから仕方ない。



……私の関心のあるところのまとめはこのくらい?
残虐さを押し出すところが他の過激派との違いだが、それを理解してる人ばかりが入ってくるので扱いやすいとか。
何故残虐か、というところにはあまり答えらしき答えはなかった。

北海道の学生がISISに参加しようとした事件について「あまり深く考えてなかった」とあった。
いやまあ有り体に言えばそうなんだろうけど、他の評論で「日本のイスラム研究家(名指し)が現況を歪曲してぬるい情報しか学生に伝えてなかった、学生は現実に閉塞感があり別世界を求めていた」っていうの読んでたから、「深く考えてなかった」というのは可哀想かなと。
きっと状況が違えば、時代が違えば(遡れば、あるいは下れば)日本のカルトにハマってたろうな。
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by jinloturu | 2015-06-18 19:12 | エッセイ・評論他 | Comments(0)  

ヘンな論文/サンキュータツオ

面白い。
こういう、ヘンな、誰もそんなことしないだろ!っていうことやってる人とか、好きなものに多大な熱をかけて惜しまない人、大好き。
それを「論文」というファクターから見ていくタツオさんも凄いな、と思う。
読んでて、去年やった歌詞分析をきちんとした論文にしてみたくなった。(分析分類方法明記してないし雑なとこ結構あるので)
あとリバBL分析も早くまとめたいんだよなあ……。


感動したのは『「コーヒーカップ」の音の科学』。
研究とはなんたるか、統制条件を整えては比較する、そうして初めて真実が浮かび上がってくる。
気の遠くなるような作業だ。


『「浮気男」の頭の中』、この研究対象の6人ポリアモリーだろ。
研究対象条件の「夫婦関係に不満がない、奥さんとの関係は良好、奥さんへの愛情がある、彼女とも真剣」、
まんまポリアモリーの条件である。
言い換えれば「モノガミー社会におけるポリアモリーの苦悩とその昇華過程」というところかね。

そのためタツオさんの最後の一文はイラッとした。
「世の奥様方! くれぐれも旦那さんの前を、裸で「びー」と歩かないように」p52
歩こうが歩くまいがポリアモリーには関係なかろう。
無知ゆえの言葉にせよ、夫の浮気を妻側のせいにまとめる偏見の露呈がみっともない……。

でもポリアモリー研究においての価値はあるよな多分。タツオさん(浮気を羨ましがるシスヘテロ男性)の紹介方法含めて。
無意味なように思われることが実は役に立つっていうのも熱い。

前人未到の湯たんぽ研究は熱さの極みよね。
江戸時代に歴史的空白があるとかその考察とかめっちゃ面白い!!
培ってきた研究スキルを全投入して湯たんぽ調べあげるとか……伊藤さんの人生凄すぎる……。



こういうことにアンテナ張れるのは魅力だよなー。
いいなー面白いなー。
膨大な研究の限りを、その精神を、こうして伝えてくれるタツオさんの役割って結構貴重だ。
最近東京ポッド聴いてないけどこっち聴こうかな。
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by jinloturu | 2015-05-16 19:56 | エッセイ・評論他 | Comments(0)  

オウム真理教の政治学/大石紘一郎

「理論的な教義体系に惹かれた」と語る(元)信者が多かったから教義内容気になってたけど、そんなものかと拍子抜け。
例えば「コーザル界、アストラル界、現象界」があると仮定して、そこから説明を組み立てていく、というもの。
だから幽霊は「現象界から下位アストラル界を覗いたもの」と説明できる、と。
じゃあアストラル界ってどうやって説明すんの?って疑問が沸く。
いや、それそのものは中々に面白い話でそういうのわくわくしながら聞きたいけど、揃って「教義が理論的」と言うのならもっと根拠がしっかりした凄いものを期待してた。
逆に言えば他の宗教ってこういう説明すらできないの?
キリスト教とか確かにもっと抽象的だったような……?

まあ修行方法が明確だった、って魅力のほうはわかるけど。


『言語ゲーム』。
わかりいいネーミング。
アイヒマン実験知ってりゃわかりますね。戦中は日本全体が「特殊」な言語ゲームの中にいたと。
創造した新語によって本質を覆い隠す……。
仏教の「四量無心」のひとつ――「捨」(平等心)を、「聖無頓着」と訳し、麻原は「事に心を動かさず、自分のすべきことをしなさい」と教える。
単なる無頓着を「聖」に変えた、という『言語ゲーム』。
なるほどなと。
"カルト化"とは言語ゲームからしていくのか。
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by jinloturu | 2015-05-03 23:29 | エッセイ・評論他 | Comments(0)  

イスラム国 テロリストが国家をつくる時/ロレッタ・ナポリオーニ

世界情勢全くわかってないよ……。
辛うじてアラブの春あたりはわかるけど事件とかを「既知のもの」として扱われると困る。
勉強しよう……。

日本でオウムと関連づける言説よく見かけたけど、それはいかんだろう、と。
これは読む前からわかっていたが、読んで更に強化されました。

まず目的!
オウムはサマナでさえ武装化知らない人が多数派だったんだから。単に解脱したい修行したいだけ。
そして戦略。
先人に学び烏合の組織から卓抜したISISと行き当たりばったりのオウム。
明白だ。


本当に、各国の絡み合いのあたり複雑すぎてわかんね……。
ISISを支援すると何の見返りがあるの?


「あなた方は処刑だけを見ている。
われわれは食糧配給所をつくり、学校や病院を建て直し、水や電気の供給も再開した。食糧や燃料にも金を出している。国連は人道支援さえできないが、われわれは子供たちにポリオワクチンを接種させている。要するに、一部の行為が目立ちすぎているだけだ。われわれは、泥棒を罰する。だがあなた方だって、無関心によって大勢の子供を罰しているのだ。」(ページメモ忘れた)

ISに惹かれ入ったという青年の言。
これには、なるほどー……と思った。
いや、絶対に相容れたくないけれども、屁理屈だけれども、国家としてのインフラを整えるにはもうそれしかないのか……っていうな。
残虐行為ならいつの時代もどこの国もやっていた、やっている、わけだし……。
これを国家と認める、ことも選択肢のうちに入れた著者にはびっくりしたけど。

政治利用しかねない安倍が一番怖いです……結局自国のことだけど……。
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by jinloturu | 2015-04-18 16:31 | エッセイ・評論他 | Comments(0)  

未解決事件 オウム真理教秘録/NHKスペシャル取材班

堅実な良書。


何より「マインドコントロール」の言葉を疑い「その前に信者の責任放棄があった」と言ってくれたのが良かった。
「操られる」前に自ら「操られる」ことを望んだ人たちの集まりがオウムであったのだと私も思ってるから。
「責任分散の構造」も、改めて言われると、納得。

事件当時、警察から逃亡するサマナに対して「出頭は自然に任せる」と言った麻原。今まで麻原の思惑に従ってきたのに、いきなり任せると言われた苦悩よ……。
出頭せよって言ってたら平田も菊地も高橋も間違いなくすぐに出頭していた。

警察の捜査の観点もよくまとまってて新鮮。
波野村の強制捜査の時には内部に信者がいたから漏洩したとか。
県を跨いで捜査する体制が確立してなかったとか。
「警察は地下鉄サリン事件が起こるのを知っていた」っていうのは「怪文書」の「密閉された空間で使用すれば未曾有の惨劇が」って記述からだとか。



取材にあたってテープ解析班の「麻原って魅力的ですね」って証言も読めてよかった。
そうか、やはり、カリスマ性が彼を尊師たらしめていたのだと。信者以外の人にもそれがわかるのだと。
私も聴いてみよかな。youtubeとかにあがってるかな。
そういう話すると周りに「洗脳された?」って心配されんのあるあるwww


私はでも、当時の報道を全然知らない世代なのよね。
「当時はこう思ってたけど、実はこうだったんだ!」って衝撃がないのはちょっと残念。
「選挙大敗後に武装化したと思われていた」のとか、へえ~って感じ。

高橋シズヱさんの「報道はオウム寄りだった」の言葉とか。
その「オウム寄り」の内容はバッシングだったけど、オウム幹部やらを映してばかりで被害者に寄り添っていなかった、という意味らしい。
それも、へえ、と。



記者「みんなピュアなんですよ。純粋にオウムに何かを求めて入ってきたのに、組織が勝手に暴走しちゃって……」
デスク「お前、オウムに寄り添いすぎてないか?」「お前、被害者や遺族をどれだけ取材してきたんだ? え? 遺族は二度も地獄に突き落とされてるんだ」
(430ページより引用)


でもこれは違うよね?
オウムが一般信者の知らぬ所で暴走して可哀想だと思ったからって、オウム被害者の気持ちを慮れないことにはならないよね?
オウムへの「理解」の言葉とメディアの被害者蔑ろは関係ないじゃない。
何で白じゃなければ全部赤になるのか。
(そしてこの構図こそ、私がオウムを知りたいと思う最大の理由)

私はただの野次馬なんで、被害者については『アンダーグラウンド』さえ読んでないくらいだから、「オウム寄り」の思想を持ってることは自覚してるけど、取材する立場の人がオウムへの「理解」を拒むのであれば、一面的な見方にしかならないでしょう。
わりと切り込んでいて思考停止しない良書だっただけに残念。
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by jinloturu | 2015-03-09 05:55 | エッセイ・評論他 | Comments(0)  

男しか行けない場所に女が行ってきました/田房永子

田房さんほんと発想がすごいなあ……。
ガスコンロセックスとか、犬猫の中に一人だけ人間の女がいたから惹かれるとか、近藤の崖とか、10代男子の性欲の「微笑ましさ」とか。


おっパブって気持ち悪いな……。
なんだろう、他の風俗はそこまで思わなかったのに、おっパブだけ凄い気持ち悪い。
「男同士のコミュニケーションに女体を必要とする」ってとこかな……。


気軽に女体消費してみてーな、ソープとか一度は行ってみてーな、って思うことはあったけど、読んで思ったのはここまで「女」と「人格」を切り離して消費するなんて、私には無理だ。
「はしゃげない」。
だから妥協点としてアイドルを消費してるのかもしれない。


「女は40代が一番性欲強くなる」説に、「年を取らないと女は性欲があることを表に出せない」って言ってくれたの、ほっとした。
そうかー、嫌だったのよ。意味もなく年齢の影響だけでムラムラする時期が待ってるのかもって思うの。



一番共感した箇所、
「好きな男といる時なんかよりも、「プーさん」として話さなきゃいけない時間が一番、「自分の中の女」を感じる」
これ!!!
処世のために、他の女の子を上げるために、自分の身を守るために、道化師でいなければならないその時間!!
この、「好きな男と一緒にいる時」って所、世間的な価値観もそうだけど、それを反映した少女漫画文化に長く浸かってきたわけだから、これを「なんか」と言ってくれるところに小気味良さある。


ただ、最後のAKBの章は、手放しに納得はしたくないな、と思った。
AKBはそんなに知らないけど、私はアイドルを消費している側だから。
「童貞が風俗嬢に食われる」という表現、えっそこまで性風俗に絡めるの??って笑った。
それはドルヲタとしての実感とは遠い言葉だ。
私はアイドルに「全肯定感」「多幸感」を求めていて、それは風俗嬢でも与えられるかもしれないけど、必要項目ではないよね?
圧倒的な存在感や何かを伝えようとする搾る想いに、「食われた」ように放心することはあるけど。
まあ私アイドルの露骨な性の部分はあまり見ないようにしてるからこれも一面的な見方ではあるんだろうが。



なんかこれの感想で「田房さんはフェミではない、男そのものではなく社会構造に問題意識と怒りを持ってる」みたいなの見かけたけど、フェミニストとミサンドリー関係ないだろ……。
フェミ=ミサンドリー(だからバカにしていい存在)って思ってる人いっぱいいるんだろうなあ。
いやミサンドリーの人もいるしそうでない人もいるよっていう……。
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by jinloturu | 2015-03-09 05:53 | エッセイ・評論他 | Comments(0)  

オウム法廷連続傍聴記/佐木隆三

数多ある事件のひとつひとつの詳細を全然知らなかったな。
そんなこともやってたのか、みたいな。
そして私教団が具体的にどんな事件起こしたかにはあまり興味ないんだな……。
傾向は知ってるし、と思ってしまい読むの苦痛だった。
心理的背景やその移り変わり、社会的情勢と分析を重視してる。
まあそれには詳細知らないとなんだろうけど。

逮捕8ヶ月後に初公判とか傍聴希望者1000人越え3000人越え倍率50倍とか、20年前の社会の関心が窺える。
こないだ行った高橋克也公判余裕で抽選割れたのにな。

そしてやっぱり「家族」の闇が見えるぞ……。
林郁夫の妻が離婚しなかった理由として「片親は子供によくないと思って」「(医者を辞めて専業主婦となったため)離婚後の生活が不安だった」を挙げたり……。
出家するつもりなかったのに熱心な母親に騙され監禁されてその後母親を告訴したり……。

麻原の家族も機能不全説あるし、オウム事件は時代が生み出した病理っていうのは本当そうだよ。

ナルコやりすぎだね?そんなにして何したかったんだ?
監禁事件とかも、何が目的なのか全然見えてこなかった。
だって入会不希望者とか脱会希望者とか、無理やり引き留めずそのままサヨナラって人もいっぱいいたじゃん。
金か?という割にそうとも読み取れなかった。いや公証役場事件とかはその要因もあるっぽい?けど?
こういうのってどの文献にあたれば書いてあるのでしょう。

マハームドラー実践のために「グルの意思だ」と自我を滅却していくのが弟子の主なあり方だから、責任問題って難しいよね。
「いかにも麻原に罵詈雑言を吐くことこそ洗脳が解けた証だと煽られるが、麻原へ責任を押し付けずに自分のしたことの社会的責任を自覚して初めてマインドコントロールが解けたと言える」
みたいな著者の記述に、納得。
オウムに向けられる「マインドコントロール」の単語って全然実態を捉えない“思考停止”した言葉だと感じることが多いから嫌いだけど、これは受け入れられる。


これは途中経過を追った本に過ぎないから、いずれ、全記録も読む。
読みきれないと思うけどな……。
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by jinloturu | 2015-02-11 18:13 | エッセイ・評論他 | Comments(0)  

戦後少女漫画史/米沢嘉博

文化芸術はいつでも確立と破壊と構築の繰り返しですよね……。
面白い。
裕福な時代に「不幸」から「幸福の肯定」を描くようになったとか、学園ラブにも「外国など遠い世界」から「日常」へ引き降ろす試みがあったとか。
それが物語の矮小化へと繋がり反動でロマンスが求められたとか。(とすれば現代そろそろ骨太壮大ロマンス出てきませんかね……ちょっと現代の空気にどう落とし込めるかわからんけど)

カウンターカルチャーに目がいくのでこういうの私好きよ。
しかし学園ラブコメって40年もの歴史があるのか。よく飽きないわね。

「少女」を描くものが少女漫画であった、と。
しかし戦後から時代は変わるし、私は藤本由香里の「ジェンダーを描く」ことで定義するほうがしっくりくるり

後半は主旨がぼやけてよく見えなかったな?
著者も言い訳してるとおり、著者の見てきた歴史をまとめてるからそうなるんだろうが。
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by jinloturu | 2014-12-22 10:25 | エッセイ・評論他 | Comments(0)  

黄泉の犬/藤原新也

最初に「えらそう」という感想を抱いてしまって、しかも麻原を端から馬鹿にしてるような印象を得てしまったため、その後が素直に読めなくなってる……。

この本の最大の意義は「麻原は水俣病だったのでは」という提言にあり、それ自体は後年の資料で知っていたのだけれども、まさにタイトルの『黄泉の犬』の章でドキリとした。

それはまんま去年自分の書いた話と真逆の世界であったからだ。(正確に言うなら、私が『ソレイユのこどもたち』から受けたイメージと。)
人間の屍肉を喰う3匹の犬。
新鮮な著者の「肉」を喰らおうと鋭く睨みつけ距離を縮める捕食者。
まだ捕らえてもいないうちからどちらが喰うか喧嘩。
私の知らない世界だ。
でも著者の言う「人間はそんな価値のあるものではないと溜飲下がった」思いは、私の結末と同じであった。

あれ、メタファーとかないので単純なんだけど、「勝手に同族と投影しかつ見下してた人に自分より価値があったと思い知る(そういう基準でしか人を計れない)」って話で。ちょっと沿わないように見えるけど、何で私はそれを死に仮託したんだろうって思ったら、生を受けた人間の価値なんてないよってことが言いたかったのかもと。
まあ私描写力ない(テーマを伝えられないとかでなくて受け手の中に物語世界を構築する力が今ないの、まあまず受け手がいないのだが)から読み返したくないんだけど!

「夢みたい」「現実感が薄い」と言うように、目の前を幻像と捉える感覚ってみんな持ってるんじゃ。それは悟りとは言わないのか。まだ違うのか。
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by jinloturu | 2014-12-06 15:06 | エッセイ・評論他 | Comments(0)  

私にとってオウムとは何だったのか/早川紀代秀/川村邦光

本屋で麻原に惹かれた人って多いのかな?
今だったらネットか、とは、一概には言えないと思うけど。(あーでもイスラム国はめっちゃネット活用してるか)
まああれだよね……「貢いだから好き」みたいなもんだよね……。
あと「もう後戻りできない」と思わせる構造も。
全財産寄付して完全出家に至らせる。早川も始めは気楽なヨーガセミナーだと思ってたら「何回も受けるなら入会しちゃったほうが」と言われ入会したら出家主義にあてられ、と。
現世で具足された汚れを真我から払い落とし「本当の自分」へ覚醒すると。
情報遮断ってやっぱ人を盲目的にさせる。

葛藤する、んだよなあ。もう当たり前のこととして知っているけれども、世間はそう思ってないんじゃないか。世間のオウム観が気になる。
扉が閉まっていてくれと願い、開いてるとわかったら落胆した、とか。
自分の記述でオウムの内部を詳かにすることで少しでも罪滅ぼしになればと、上祐も野田も高橋も同じように考えてたけども、世間は、被害者は、オウムに絶対的な悪であってほしいんだろうなあ。
とはいえ林郁夫が死刑にならなかったのは被害者の許容もあったと聞くし、どこまで誠実さが伝わるかが大事?

やっぱどこででも一番葛藤がないように描かれるのは村井なんですよね……。もう死んだからその内面が明かされることは永遠にないという……。

なるほどね、「呪殺する能力がないから弟子に殺させた」と。「生き返らせられなければ呪殺もしてはいけない」と。そういう宗教的無知があってこそ麻原に従えた。
そいえば早川は普通に麻原の指示を直接聞いてるの、ね?
ポアしろっていう。じゃあ「又聞きばかりであった」って情報はこれなんなんだろ。調べないとわかんね。

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by jinloturu | 2014-12-02 16:35 | エッセイ・評論他 | Comments(0)