満願/米澤穂信

三冠って凄いですね。


全編たがわず後味悪い、さすがの米澤節!
大好き!
ただ殺人現場のシーンがあったのは驚いた。今まで米澤作品でその場そのものは読んだことなかったので。
舞台が、新宿の民家、山奥の温泉宿、夜の中学校、バングラデシュ、田舎の峠、昭和の下宿先と多彩で、想像するのが面白かった。
シチュエーションを形づくっておいて、そこにひょっこりと異質モノを登場させる描写力、私これほんと好きなんだな。


さて本編。
まず『夜警』からもう……。
うわあ、とても、「ありそう」。
いやありえなさそうなんだけど、川藤がせせこましさの苦虫噛み潰したような人間で、そういう性格がこのオチで合致したときの虚しさよ。

『死人宿』『柘榴』はそうでも。
『死人宿』はドラマ化したら映えそう。?世にもとか。
『柘榴』は、もう本当、夕子の思考がわけわからんな。
自己陶酔の教養高い美少女で耽美的な雰囲気を描くなら百合を……五十鈴のような百合を……!
月子が多少傷ついたところで成海が心移りしない保証なんて。幼さがゆえにというなら別の手段でも良かった。
多分この先あの手この手で成海の浮気を阻むのだろう、途中で冷めて傷つけた月子に泣く夕子もよろし。


『万灯』の緊張感は大好き。これこれ。『シャルロットはぼくだけのもの』を思い出す。
ふっと、「甘いものは苦手らしい」などとわざとらしく挟む恐ろしさ。しかも疑ってみせたところで結局悪意は伊丹にしか存在しないのもまた惨い。
伊丹はその報いを受けるだけ。しかしそれだって後戻りができなかったからであって完全な私欲ではない。
その克明な心境の変化が見事。

『関守』はやばいー!
もう舞台設定から何からホラーの踏襲。ぞっとした。
聞こえますか!

『満願』、自分の頭悪さに落胆している。
掛け軸の行方についてな。
達磨には気づいてたくせに結び付かなかった、このへんは頭悪くてよかったけど笑
最後に背筋寒くなるために。



(小説すばるって新潮社だったっけと新潮社のサイト見たら新潮社て漫画雑誌二つも出してたのか……そしてすばるは普通に他社だった……)

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by jinloturu | 2015-01-02 19:10 | 小説 | Comments(0)  

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